WATERFALLの音質基準
逢瀬における高音質、それはすなわち分離の良さです。分離が良い音とは、音と音とが混濁せず、背景ノイズ、楽器の微細な表現、演奏の爪弾きやディテール、音階、空間の余韻などが明確にわかれ、それぞれをしっかりと聞き分けできるような音です。圧倒的な情報量、それ自体が快感となります。分離が良い機材により、時にはそれまで気づかなかったような録音時のノイズまでもが明らかになる…。制作現場では録音や編集の細部を判断するため、特に機材に求められる能力です。分離を極限まで良くしていくと一つ一つの音は際立ち、やや細身の音像傾向になっていきます。逢瀬は音に余計な厚みを付加しません。心地良い、色気があるなどのように感じられる色付けは、最後の最後に付加すべき条件だと考えているのです。まずは分離の良さ、つまり逢瀬の音質基準を満たすことを第一義にしています。
オーディオ機器開発の奥深さとその魅力
逢瀬はあらゆる要素に気を配り、それら一つ一つの違いについてしっかり吟味し、着実な改善と選定を積み重ねていきます。それが、良い音の機器開発には欠かせないステップです。オーディオにおいてはたった1/100の歪み改善でもその変化が如実に現れます。よく耳にする事例は電源ケーブルでしょう。発電所から送電線を経て、自宅にある屋内配線のケーブルを変えると音が変わる…。長い長い経路を経て最後のたった1mだけケーブルを変えたとして音が変わるわけがない、というお話です。これは確かに説得力があるように思えます。変えたケーブルは経路でいえばわずか何千分の一以下の変化なのですから。しかしオーディオにおいては、そのような僅かな変化ですら、確かな音の変化をもたらすのです。そしてオーディオ機器の音質差とは、いわばこのような微細な変化の積み重ねです。たとえ一つ一つの要素が些細なものであっても、それが幾重にも重なれば、最終的には大きな違いとなって現れます。逢瀬はこれこそがオーディオにおいて長年の謎であり、魅力であると考えているのです。
熟練された人間の感性による音作り
逢瀬の音作りは、開発者が長年音楽制作現場で培った熟練の感性により行われます。人間の耳は測定器ではありません。音楽を楽しむのは人間の耳ですが、我々が感じるいい音というものは必ずしも測定値とは一致しないものです。人間の耳がとらえる情報には、測定値の限界を超える要素が確かに存在しているのです。なぜスペックに劣るレコードや真空管が現代でも音が良いといわれ重宝されるのか。それは測定万能主義の限界を示す良い例でしょう。経験豊富なオーディオファンはオーディオ購入の際、カタログスペックではなく自身の耳で機器の音を確認します。測定器がいかに音の良し悪しの一部しか表していないか、彼らはすでにそれを知っているのです。音楽の感動は楽譜それ自体の素晴らしさだけでは起こり得ません。演奏者が楽譜の意図やメッセージをくみ取り、自らのアーティキュレーションを駆使して創造的にそれらを昇華し得た時にこそ、もたらされるものです。オーディオ機器も然り。原音の魅力を遮ることなく昇華するためには、熟練された耳により音そのものの特性を捉え、よりよい音楽を奏でる飽くなき機器開発の道を追求し続けることが必要なのです。
測定値を疎かにしない機器開発
逢瀬では音作りにおいて人間の耳が重視されますが、もちろん測定値に全く重きを置いていないわけではありません。当然ですが測定特性が音質に影響する要素も確かに存在するのです。ノイズの少なさ、電源変動=信号への影響の排除、不要振動の排除、抵抗成分の低減による熱雑音の排除等…。これらは分離を良くするために必要とされる代表的な要素です。逢瀬ではこれらを始めとしたオーディオ機器開発におけるノウハウを一つ一つ着実に積み重ねた上で、最終的な音作りに臨んでいるのです。理詰めで考えた斬新な回路とその測定値に満足することなく、ケーブル等で音が変わる現実を受け入れ、常にヒアリング評価を行う。それらの作業を日常的に繰り返すことで、開発者が自己満足に陥ることなく製品開発を行えるよう心がけています。技術と感性、その高度な両立こそが、逢瀬独特の音色を生み出す原動力です。
世界最高レベルにも引けをとらない純国産メーカー
逢瀬のプロダクトは、開発を始めとしたあらゆる作業が国内で行われています。もちろん開発者も日本人。開発者の厳しい目で厳選された素材だけを採用して、最高の音作りを目指しています。逢瀬の高音質、その秘密はふたつあります。ひとつは逢瀬の革新的な技術、そしてもうひとつは、音楽のプロによるハイエンド機器との徹底的な比較検証です。その音質は開発中に海外ハイエンド機器との比較を行った結果、プロモーションモデルであるWATERFALL Compactですら既に世界最高峰に比類するサウンドに到達していることを確認しています。細部までこだわり抜いて作られた国産プロダクトならではの品質を、その手で実際に触れてお確かめください。