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【お詫び】さらなるパワーアンプ発売遅延のお知らせ

昨夜Hypex社より連絡がありました。原文をそのまま貼ります。

I am afraid to tell you that we are facing another delay on this order. We ae not 100% certain yet when we can ship out but expect to be able to ship out on 17-09-21. Will keep you posted on the progress.

恐れ入りますが、この注文にはさらなる遅れが生じています。まだ100%の確証はありませんが、17-09-21には出荷できる見込みです。進捗状況については随時お知らせします。

今まではこちらから問い合わせを入れていましたが、Hypex社から連絡が来るのは異例です。内容については記載の通りです。9月下旬に出荷見込みですが確実とは言えない予定ですので、パワーアンプは発売時期を未定と設定するしかない状況です。

これに合わせて8月から行う予定だった先行予約も延期します。AK4499DACのときのような入金だけ受けて出荷が出来ない状況が続くことはリスク回避の観点からも避けたいと考えています。確実に出荷ができるタイミングが確定してから発注を受け付ける形とします。

お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

コネクタと半導体不足は深刻です。少なくとも今後1年間はまともに生産活動が出来ないことは覚悟しています。会社としては資金の余裕もありますし、固定費は最低限に抑えているので、売るものがなくても経営に問題はありません。無理な生産活動はせず半導体の在庫が安定するまで無理な仕入れは行いません。今は耐えるべきときと考え当面は開発業務に専念するつもりです。幸い試作開発分に必要な電子部品は確保してあります。

アンケートの結果と対応と回答まとめ

アンケートにご回答頂いた方、ご協力いただきましてありがとうございました。今日になってから回答ペースが一気に落ちてきましたので最終判断をします。

結論としてパワーアンプは正規仕様(2番ホット)に修正して出荷します。ご心配をおかけしました。

基板は作り直さず全数手作業で修正します。納期につきましてはもともとアンプモジュールの大きな納期延長がありましたので最終納期への影響は僅かでしょう。もちろん予定外の事態があれば別ですが今の時点では予定通り進められる見込みです。

最初からこのような発表自体せず、手作業で修正すればよかったのではと思われるかもしれませんが、それはもちろん一番最初に考えた内容です。しかし当初の案では出荷時の信頼性を確保できる修正が不可能だと判断しておりました。要するに輸送の振動や長期的な使用で壊れる懸念がある方法です。しかし皆様からの意見を頂いて別の修正方法が無いのか、もっと踏み込んで考えた結果、信頼性を確保できるような直し方に気づきました。ある意味追い詰められてようやく気づけたのです。

ですので今回は全数修正で対応します。色々なご意見を頂いた結果、本来あるべき形に戻ることが出来ました。

最終結果

  • 気になる、購入を控える 15%
  • 気になるが、延期期間が長いので我慢する 36%
  • 気にしない、問題ない 12%
  • DAC側での対応があれば問題ない 24%
  • アダプタがあれば問題ない 12%

小数点は切り捨てしています。また所持製品に記入があってもメールを記入されていない方は重み付けを大幅に落として集計しています。

問題ないが過半数に若干届かない、問題あるが過半数を超える結果となりました。問題ないが圧倒的多数でない限りは修正すると決めておりましたので、そのように判断しました。

参考までに「気になる、購入を控える」を選択された方は絶対数が多いのにも関わらずほぼ全員メールアドレスの記入がありませんでした。その他の回答のメールアドレス記入率(100%)からするとかなりの異常値に見えますので相応に重みを減らしています。ご了承ください。

(さらに…)

量産の予定、各製品の納期見通しについて

6月も終わりに差し掛かっておりますので、現状わかっている情報をお伝えいたします。(パワーアンプの極性問題は発売までに対策しますので注釈は削除しました)

パワーアンプ WF-P502L

こちらなのですが、先月に一旦「7月12日アンプユニット出荷予定」と書きましたが、あれからHypex社より追加情報があり、更に遅れているとのことです。詳しく確認していますが現時点で100%確実な予定は決まっていないようです。例の半導体や電子部品の欠品の問題だと思います。8月下旬の予定を伝えられていますが確認中です。最近はコネクタ類も品切れが続いていますのでこれらが原因の可能性もあります。とにかく遅れが深刻になる可能性があるということです。

これらが納入される前に他にできる組み立て作業を先に終わらせておきます。アンプと電源ユニットが到着次第で最終組み上げを行える状態に持っていくことで、組み立て納期をできるだけ短縮したいと考えています。今できることはそれくらいです。

試聴機は発売より先に用意します。試聴申し込みは7月中に開始できるようにします。試聴が遅れる場合は空気録音で比較できる参考ファイルを用意したいと思います。また先行予約という形で受注も開始します。予約は何か特典をつけようと考えていますが、今の構想ではお詫びとしての期間限定の値引き(正式発売までの間だけ)を検討しています。

ヘッドフォンアダプタ

7月上旬には受注スタートできると思います。今組み立て中ですが、外注ではなくすべて手付けで作っています。価格は2万円以内になります。金額はほとんどサポート代と組み立て販売手数料です。外観はアクリル板が届いたらこちらに追記でアップロードします。

内容が内容なので、これは正式な市販製品ではなく完成済みキットだと考えてください。回路図も公開しますのでわかる方は自作されるのが良いと思います。少し回路がわかる方であれば、誰でも真似できるレベルの工作品です。正直製品単体で2万円の価値はないと思いますから、私達を応援してくれる方向けの製品です。

以上予めご理解よろしくお願いいたします。

追記:写真を追加しました。丸見えはちょっと…なのですりガラス的演出で基板チラ見せです

デジリコ

あれから調査しましたが携帯アプリは保守とバージョンアップの問題の指摘があり、UIのプランは少し見直しています。ですが当初の構想に近づける方法を調査しているところです。付属のリモコンを大幅に強化し、リモコン側にUI機能も統合し本体はほぼ飾りのないデザイン等も考えています(構想のみ、未定です)。

どちらにせよ重要半導体が入手できないのが確定しているため、じっくりリサーチしているところです。最終的には音質面だけでなく機能面でも既存のシステムに組み込んで便利に使えるような製品を目指しています。

外部クロックの音質支配力、デジリコの10M非対応について

先日貴重な比較をする機会がありました。詳細なメーカー名や機材名は公開できませんが、あくまで機材の音の比較ではなく外部クロックの影響力を示す一例と考えていただければと思います。そしてこの結果はデジリコに外部クロックを接続するべきではないという経験と一致するものでした。

この書き出しでもわかると思いますが、結局DDC(デジタル デジタル コンバータ)としての音質格差は基本設計による音の差が支配的であり、外部クロックはそれを覆すほどの革命はもたらさないということです。今回の機種に限ったお話ではありますが、あくまで外部クロックは音の調整役であり引き立て役であり主役ではないということです。

外部クロックで音は決まらない、一つの補助要因だった

今回の比較機種は3機種です。そのうちひとつがデジリコですが、一つは高精度クロック処理を売りにする有名なDDC製品、もう一つは業務機メーカーの製品です。デジリコ以外の2機種はどちらも外部10Mクロックを受け入れます。ですが高性能外部クロックを入れても相互の音質的な順位は逆転しませんでした。たとえばですが業務用DDCに外部クロックを入れない状態でも、外部クロックを入れた高精度クロックDDCより良かった、そしてその差はそれなりに大きいものでした。もちろんデジリコは外部クロック関係なく最も良いです。

もちろんたまたまこの2機種が外部クロックを受けるのに優位性がない設計だったという可能性もありますが、市場では同じDDCでも高額クロックを購入して音が良いと組み合わせている方も多くいますので、決して効果が少ないとか音が変わらないわけではないです。あくまで機種間にある絶対的な音質差を覆すほどの効果が外部クロックにはないということのようです。

このうち最も技術的主張をしているのは高精度クロックDDCのメーカーです。これに対して業務機のほうはクロックの性能を売りにしていません。音質のためのクロック設計が重要だと主張しています。デジリコも内蔵クロックで音が決まらないのでわざわざ宣伝するまでもないクロックを使っています。

音が良かった2機種はクロック単体の精度や性能を重視しているわけではない、これがとても重要です。

当社としてはDDCに重要なのは環境だと考えます。理想伝送をできる環境を整えること、それによってシステムトータルで正しく性能を発揮できる環境を整えることが重要なのではないか、そう回答したいと思います。通常のオーディオでは外部クロックの使用状況的にここで言う理想伝送に持っていくことは難しく、外的要因(例えばGNDの接続、アースの共有、AC経由のノイズ伝搬)が増えるだけなので、さらに根本的な対策は困難になっていく。このように思います。

よくDDCやクロックではオシレータのカタログスペックやデジタルシンセサイザーのカタログスペックをよく主張するのを見かけますが、実はそれらのスペックはシステムトータルでは発揮できていない状態にあり、どこかで性能は毀損されているかもしれません。だからデジタルでも音が劣化する、音が変わるのです。本当に理想伝送になれば上流の影響は受けなくなっていきます。

事実上記の3機種で言えば業務機とデジリコは上流に音を支配されにくいです。良い環境でも悪い環境でも安定した音質を発揮します。どれだけ劣悪な環境で良い音を出せるか、これはDDCを測る一つのパラメータと思います。上流次第で音が良くも悪くもなるDDCは、実はDDCとしては不完全かもしれないということです。デジリコの実際の対策内容もいかに外的要因を防ぐかにあります。

少なくともオーディオで音が変わる要因はクロックそのものだけでは支配的ではないのはDACの設計からもわかっています。もちろんクロックの性能も大事なのですが、クロックの性能だけではだめ、というほうが適切な表現です。大半の設計ではクロックがその本来の性能を出せる状況にないのではないでしょうか。単体オシレータの測定値はあくまで理想的な参考例ですべてがそのように実装されているわけではありません。環境を改善して問題が解決する。その裏には環境の問題が見逃されているという事実、そういう可能性があります。

高額な外部クロックはほどほどに…

絶対的な高みにたどり着くために予算を度外視して…という目的であれば少しでも上に行ける手段を選ぶのは有効です。その手段の一つが外部クロックと思われます。実際DDCより外部クロックのほうが高額なものを導入する事例も見かけます。ですが現実は音質を支配しているのはDDC側であって、外部クロックはあくまで補助であり、しかも音質調整的な位置づけということです。これを覚えておきたいところです。

高額クロックを繋がないと真の音が聞けない、これは誇張されている可能性があります。少なくともこちらの実験では、最も重要なのはクロックを受ける機器の設計であり、外部クロックは主役ではありませんでした。

外部クロックの影響はアンプで言えばケーブル位の影響力でしょうか。完成度の高いシステムになるほどケーブルで音は大きく変わりますが、実はアンプを変えるほうがもっと根本的な音の差になります。アンプの差をケーブルが覆す事例はあまり聞いたことがありません。もちろん最終的には両方良いに越したことはないのですが、基本はアンプが良いことが前提です。

上記の低価格DDC+高額クロックの話は実はこれと似ています。しかもアンプの事例と違って難しいのは、電源や接続ケーブルや外的要因が増えることによって、何もしない状態より大幅な劣化もありえることです。(もちろん音が変わるので好みの範疇で、劣化したほうが好みな場合もありえます。)

デジタルオーディオはPCの対策の時代から大掛かりで手間と時間のかかる方法が主流でしたが、それはネットワークプレイヤーが登場しても同じでした。今度はLANのノイズ対策製品など、結局外部電気製品がどんどん大掛かりになり、あれもこれも必要になり、接続されるデジタルオーディオ製品はすべてが同じ環境依存と外的要因の問題を抱えているように思います。そしてそのための個別対策で音を良くする製品がたくさんあり、どのように組み合わせるのかも無数にあります。

予算に限りがあるのがほとんどの方の現実だと思います。高額な製品を次から次へ購入しなくても問題がない状況に持っていくこと、これがデジリコの目的です。理想は無対策の環境でも手軽かつ現実的な予算でデジタルとして安定した音を出せることです。

外部クロックを前提とした「さらなる高みがあるし、そこに行くために高額なクロックが必要です。」という従来のオーディオ界と全く同じ状況では、まだこの目的は達成したとは言えません。だから実際にクロック接続のテストでもDDC単体の素性が支配的でクロックは二次的要因だったこと、中途半端なDDCに高額クロックをつけても良いDDCにならないこと、この事実はデジリコの目的に合致する結論であり、ここで伝える価値のある結果です。

だから今こそ自信を持ってデジリコには外部クロック不要論を伝えたいと思います。(あくまでデジリコの話です。すべての機種の可能性は否定しません)

繰り返しになりますが、高額な外部クロックをつなげることは趣味性は高いですがデジリコ製品の目的とは反します。外部クロックによって少しは良くなる可能性がありそれは否定しませんが、必ず良くなる保証はないし安く済む保証などもっとないです。ほとんどの外部クロックの単価はデジリコより高額なのも事実です。そういう高額で高度な対策製品が必要な現状から開放したい、これこそがデジリコの開発動機です。だからデジリコに外部クロックは不要でなければならないですし、お客様はその予算をもっと別の改善に使うほうが効率が良い、そう伝えたいと思います。

もちろんですがデジリコも完璧ではありません。上流の影響は完全にはなくなりません。残ります。でも現状よりはるかに手軽に理想に近づくための、確実な一歩にはなると思います。ほとんどの環境で底上げができるはずです。

ハイエンドクオリティを現実的な価格で提供することは当面の目標

最近逢瀬の今後の方向性について考えることが多いです。最近はどんどん一般人の手の届かないところに飛び立っていくハイエンドの価格帯を目にする機会が多いです。少し前は数百万円でもハイエンドだったものが最近では1000万円台からがハイエンドになってしまっているようです。もはやシステムトータルでは1億円を超え始めておりそれが現在のハイエンドです。これではほとんど誰もハイエンドの新製品など買えません。かなり限られた富裕層だけが対象の世界です。

1億円出さなければ聞けない良い音など、あまりに現実的ではありません。そして殆どの方は高額なほどよいとどこかで思っているのか、心のどこかでそれを求めたり興味を持ったりします。やれることをやりきる姿勢、そのための突き抜けた設計、物量、デザインなど、たしかにハイエンドの広告には色々興味を惹かれる要素に事欠きません。

しかし同時に高額製品でなくてもそれらを超える良い音を出せる事例そのものはあります。設計の方法やアイデア次第で単純な物量や突き抜けた設計を超えることは可能です。効率の良い音質追求とは長所を伸ばす作業ではなく短所を取り除く作業です。まだ見えていない短所を見つけ出し、過剰ではない最適な対策を施すことです。これをあらゆる側面からやっていきます。

長所を伸ばし続けても大きな短所があれば、ある一線を越えることはできません。どれがどれとはいいませんが一部のハイエンド製品はこの長所ばかり伸ばした結果現実離れした設計になり、その結果も現実離れした価格になっている事例もあるかもしれません。ですが実は大きな短所が残っていれば最終クオリティはそこまでの到達点ではないケースがあります。これこそが低価格で高価格を破るための数少ない方法です。

逢瀬はこのバランス感覚を重視したいと思っています。その結果が誰もが買える製品価格です。コストを掛けない設計でも最高に突き抜けたものを超えられる可能性があるということです。バランス設計であればハイエンドクオリティだったとしても、誰もががんばれば買える価格で製品を提供できます。高額製品を買える方はハイエンドを買えば良いですが、それができない方がいます。それを忘れないようにしたいと思います。かといって展開規模も限られていますし量産数も少ないので中国製品のような価格まで下げることはできません。その境界線にある特定視点からのベストバランスを狙っていくのが当面の戦略です。

どんなに音が良くても音質で価格を決めません。音が良ければどんなに価格を上げても良いとは思っていません。

ラインナップ品切れが続いている理由について

メールでご質問がありましたので、こちらも全体向けとして一度記事にまとめたいと思います。なぜ現在の製品のほとんど枯渇しており、売るものが無くなってしまっているかについてのご説明です。

逢瀬の販売実績は以下のようになっています。普通こういう情報は発信されないと思いますが全部公開します。

  • Compact 15台前後
  • Integrated 180 5台前後
  • Power 400 10セット強
  • AK4495DAC 20台強
  • Power 500 20セット前後
  • Integrated 250 30台前後
  • AK4499DAC 150台強

以上です。AK4499を除けば最終成績まで2-4年の期間の売上でこの数字です。概ね一ヶ月あたり1-2台というペースになります。販売直後に少し売れたあとはほとんど停滞ということです。事実上Integrated 250をふくめてもだいたい生涯成績で30台程度が上限でした。

なので最初の計画時点から生産数が少ないことは最近まで通常の状況でした。

生産リスクについてはIntegrated 180のときに思い知りました。当時としては高機能で比較的高音質な製品でもありましたので30台くらい部材を用意しましたが180は殆ど売れず大変困ったモデルでした。失敗の最大の原因はプリメインアンプと認識されてしまったこと、オマケ的なアナログ入力の音質が最も悪いにもかかわらずアナログ入力目当ての試聴が多くなりました。本来一番力を入れていたDAC部の性能は、世間の「プリメインのDACはおまけ」というイメージからか試聴自体されないことも多く、DAC一体型パワーアンプという視点では評価されなかったことで評判も伸び悩みました。もちろん今ほどDAC側の音質も全方位で成熟していなかったし、アンプ部もNcoreではなくUcdで駆動力にやや欠ける面がありましたので、総合的に課題が多いモデルでした。

結局この製品の内部基板はDACキットやアンプキットとして赤字ギリギリで処分、ケース部材はAK4495DACに流用してなんとか在庫処分を行いました。当時はそのような状況でした。この反省があったからIntegrated 250ではプリメインアンプではないと強く主張し、中途半端なプリメイン的アナログ入力機能は完全削除し、アナログ入力はパワーアンプダイレクトのみ、その代わりにDACとアンプを完全独立動作ができる特殊仕様としました。尖ったモデルになりましたが少量生産モデルですから、決して一般向け大衆向けの製品ではない会社の立ち位置との相性も良く、むしろうまく行っていると思います。

生産に話を戻します。要するにIntegrated 250やPower 500の開発時点で大量生産は経営的視点からすればハイリスクだったのです。多く売れる見込みがないのでそれでも問題にならない程度の生産数以上に踏み込むことはできませんでした。Integrated 250も前作比で大きく飛躍していますがまだまだビジネスのステージは変わりませんでした。上記のような少量受注生産で何も問題は起きませんでした。

逢瀬は現在のところ完成品在庫を持たずすべて受注生産としていました。売れない現金化できない在庫は数値上の財務状況を即悪化させるからです。在庫は何故か利益計上になるので売れなければ現金がないのに数値上は利益が出ている状態になり資金繰りが悪化します。売上や利益には税金もかかります。でも現金がないとなります。これは受注生産ならこの問題を回避できます。だから逢瀬は継続的に受注生産としてきました。

それが急に何もかも変わったのは4499-DACの発表前後からです。急にパワーアンプやIntegrated 250も売れるようになったので在庫が急になくなりました。とてもありがたいことではありますが、需要の急上昇はすぐに対応ができるものではありません。今すぐにどうにかできることではないので、少しずつでもラインナップを復活できるようにしていきたいと考えています。

そろそろビジネスのステージが変わりつつある感触もありますので、今後低価格なモデルの生産数は大幅に拡大する予定です。廉価版パワーアンプの価格を下げられるようになった一番の理由は大幅に生産数を増やしたからです。Power 502は上記の倍以上の生産予定です。大量の部材はおいておくことが難しいので今後は在庫も持つことにしました。当分売り切れないと思います。400と500のユーザーは買う必要がないので買い替え需要はないと見込んでいます。

デジリコも同様に初回生産数は相応に多めにしたいと考えています。こちらは需要が全く予想できないので事前に購入者数を募ってから生産をします。とりあえず現状の音質確保のための重要ICが年内に納入できないことがわかっていますので、デジリコは生産すること自体が不可能なのはご理解ください。

デジリコの対応出力フォーマット、レートについての重要情報

お客さまからDSD1024対応への要望と質問がありましたので、こちらで重要な情報を投稿したいと思います。質問は実際と違いますが、一般的な表現に書き換えて記載しています。

デジリコにはUSB出力がないのでDSD1024出力への対応が欲しいです

残念ながらハイレート出力(目安としてPCM384/DSD256を超えるもの)が必要ならデジリコは選択肢に入りません。 目的はレートを上げて音質を上げることではなく、あくまで高品位なデジタル信号出力が目的だからです。これは同じではありません。当方は必要以上のレート上昇によって音質がどこまでも向上するとは考えていません。

お客様にとって実際の音質が一番ではなく、最高のハイスペックやハイレートが主な目的であれば、デジリコはそれを叶える道具ではありません。

デジリコは上記ハイレートの出力に対応しない予定です。出力はHDMIの形状ですが768kやDSD512に対応しません。今の動作実績ではPCM384kがギリギリで、出力自体はできても動作の保証は192kまでの対応になるかもしれません。DSDも波形乱れがありますからDAC側での特性劣化が認められれば、標準ではDSD出力を停止し基本はPCM変換での対応とするかもしれません。

期待はずれかもしれませんがこれが現実です。なぜならリクロックの音質調整で基準クロックの周波数を上げるほど伝送品質、音質が劣化するからです。高周波デジタル信号はノイズ源です。消費電力も高くなります。高スペックのPCのほうがデジタル出力の音質がいいという話はあまり聞かないと思いますがこれが理由です。基本的に動作周波数が高すぎることはアナログ的な高品位と反していきます。デジタル信号も伝送特性はアナログです。

だから何事も限度問題です。ほどほどのレートで基本的情報量の確保をし、ほどほどの周波数で伝送することがベストです。それを超える周波数、DAC側の適正動作を超える情報量は伝送すべきではないです。必要以上の高周波はもはやIC内や基板上など小さい領域で閉じ込めるべきです。実際にあまりに基準レートを上げると波形が乱れ、受信のタイミングも厳しくなりDACとの組み合わせが悪いとノイズまじりの音声になります。

なのでデジリコの音質補正の手法の問題により、技術的にハイレート自体に対応ができません。入力こそ利便性の兼ね合いでPCM768kやDSD512に対応しますが、事実上内部でダウンレートしないと正常に出力ができない製品です。これは解決できる見込みもないですし、市場にあるハイレゾ音源の現状やプロオーディオの対応を見る限り、これらにデジリコが対応する必要もないと考えています。

ですが実際にDSD1024のファイルを聴きました

ファイルがあっても市場に対応するADCが無いのは事実です。最新最高のADC-ICチップのスペックもDSD1024は対応しません。要するにそのDSD1024ファイルはアップコンバート、アップサンプル変換によって作られたものです。ただのサイン波などの単純波形ならPCで生成は可能ですが音楽ではありません。

特にDSD1024はADCもDACも機器も音楽編集ソフトウェアも対応ができていません。音楽制作の最新機材やソフトウェアもチェックしていますがプロオーディオではDSDの性能競争は起こっていません。DSD256、PCM384が標準的な対応です。録音や音楽の製作者に需要がないのに、何故か聞き手に需要があるのがDSDハイレートです。直接アナログとデジタルを仲介する対応ハードウェアが一つもない、編集ソフトもないのに、そのスペックに実体があるとは言えません。

例えるならばカメラで100万画素で撮影したあと拡大して1000万画素に変換した画像と同じです。それを1000万画素だと言えるかどうかです。確かにフォーマットだけで言えばそうですが本質は違います。コンデジの画素競争の時代のように素子サイズが小さいまま起きたスペック競争のようなものです。当時の画質を記憶されているならなんとなく当方の言おうとしていることは理解できるかと思います。

スペック至上主義は当方の未来ビジョンと反します。最新スペックや数字が一番の方、それが目当てのお客様の希望を叶えることは目的ではありませんし、目的にしてしまってもいけないと考えています。その理由を説明します。

そういう数値重視の方は今後中華製品が最大のパートナーになるのではないでしょうか。そもそもスペック至上主義と低価格は相性がいいです。なぜならどちらも理性的、合理的な理由で選ばれるからです。そこの心理や気質は共通しています。Audio Science Reviewで高評価を得ている最新中華製品はそういうニーズの中心になっていくと予想しています。できる限り良いスペックのものをできる限り安く売る、大量生産効率化の工業製品の理想的な行き着く先です。彼らはきっと数値に出ない要素は何も考慮せず開発します。数値化できない要素を評価する時間も労力もコストだし無駄と考えるでしょう。でも数値が良ければ正しいと市場が評価しているなら何も問題はありません。

私はそれは非常に重要なマーケットだし、間違っているとも思いません。それは一定のシェアを確保し、今後オーディオ業界の大きな一角を占めるようになると思っています。純粋な日本企業がこれに対抗することは難しいでしょう。日本は輸出障壁が強いので彼らと価格競争はできません。外注コストの圧倒的な差、国内人口と需要規模の差による生産数の格差、日本側の輸出システムの不整備、日本側の海外送料の異常な高額、これらが理由です。

オーディオは芸術と工業の間にある分野で現実は10:0にはなりません。そのうちスペックと低価格の行き着く先は限りなく工業よりの製品です。CPUやGPUのように性能がすべてを決める市場には多様性はありません。最高の性能のものを作った企業が寡占する市場になります。それを行うのに有利な国、税制、企業規模、人員、システム、資金、すべてを準備できる企業だけがそこにたどり着くことができます。

以上の理由で、スペック競争、価格競争は、純粋な日本企業である逢瀬が行くべき場所ではありません。彼らと同じ土俵で競争したら100%負けます。逢瀬は現在こそ工業よりの開発生産ですが、将来的には芸術的要素を重要視したいと考えています。むしろ高度な工業的アプローチから芸術的課題を解決することが目標です。

デジリコ=Digital Reconstructorの開発状況について

2021-05-18:Bluetoothからの音源再生は今の時点では対応しません。対応はあくまで操作のみです。iOSへの対応は現在未定です。当初は対応機種の幅からAndroidの対応となる予定です。開発が難航した場合、従来インターフェースで発売スタートする可能性もあります。その場合Bluetoothに対応する仕組みだけはハードウェアで組み込みしておき、あとから更新で対応を検討します。

表題の製品の音質設計基準評価が完了しました。某ハイエンドトランスポートと比較して、ある程度比較に足りる性能となることが開発目標だったのですが、先日の出張でその比較目標の達成を確認できました。具体的な比較製品の情報についてはここでは書くことは出来ませんが、そのトランスポートの音質は現在市場内でも最高峰の一つの可能性が高いことは各方面の情報からわかっています。これで音質設計は完了です。

デジリコとはなにかについて、十分な認知がされていませんのでここでもう一度整理します。

  • 入力と出力がどちらもデジタルとなる、DDC=デジタルtoデジタルコンバータ
  • 無対策PC等、劣悪なデジタル信号からハイエンドクラスに匹敵する高音質デジタル信号にリコンストラクション
  • USB、ネットワーク、同軸、光、HDMI-I2S入力に対応
  • AES、同軸2系統(50Ω/75Ω)、HDMI-I2S出力に対応 (音質上の問題で光、USB出力は非対応)
  • Bluetooth接続による、携帯電話からの操作インターフェースを提供(現時点の目標)
  • 既存のオーディオシステムにネットワーク入力、デジタル入力切替機能、デジタルボリューム機能の遠隔操作を実現
  • ただし外部クロックには非対応(コストメリット、投資の割に大きな優位性がないことが確認出来たため)

音質だけでなく、既存のシステムの利便性を拡張する可能性をもつ高機能DDCとなる予定です。従来の対策製品では複雑大規模、特殊規格品、単一機能製品の高度な組み合わせによってデジタル伝送品位の問題へ対応することが主流でした。そのため音質向上のたびに機材が増えてゆき、信頼性や利便性が制約され、接続や機能的な自由度も阻害される可能性がある、非常に困難なチャレンジでした。またかなりの高額な製品を必要とする場面もありました。

しかしデジリコは高度で複雑な対策を必要としません。これ一台でデジタルの音質的問題を大幅に改善します。逢瀬は既存のデジタル伝送の問題の本質を見直し、利便性や柔軟性をできる限り損なうことなく、無対策PCからのデジタル出力をデジリコに接続するだけで、ハイエンドトランスポートに匹敵する高音質への引き上げを実現することが出来ました。そして全ては標準規格で既存製品を無駄にしません。さらに音質基準で価格を設定しませんので、誰でも購入できる価格を目標としています。

以上のようにデジリコの特徴は一般的なオーディオシステムにあとから手軽に組込できる製品です。

もちろんこれを入れたらデジタル伝送が完璧になるわけではありません。オーディオに終わりはありませんから、更に先の限りない向上へのチャレンジの余地はあります。ですがデジリコを入れれば無対策のままでも十分な音質へ引き上げができます。これが重要な点です。

Bluetoothインターフェースの開発が残っているのでまだ相応の開発期間はかかる見込みですが、ハードウェアの部分は完成の目処がつきました。特に音質目標の達成が最も困難な目標でしたので、今後は比較的スムーズに開発を進められると予想しています。

今しばらくお待たせいたしますが、よろしくお願いいたします。

Integrated 250の最終在庫と今後の展望について

WATERFALL Integrated 250

現在最終4台の即納在庫を生産中です。この在庫が完了すると現在の仕様のIntegrated 250は完売となる見込みです。ここ一年で予定より販売台数が伸びた関係でVersion1の残り台数が4台になってしまいました。予定より1年以上早く完売してしまうかもしれません。

完売後ですがIntegrated 250自体は今後もラインナップには残ります。次はVersion2としてDAC部と制御部の基板を新しくした製品へ生まれ変わります。またケースも廉価パワーアンプと同等のケースに変更になります。価格は現行機から据え置きで検討しています。Version2は基本的な機能は殆ど変更しません。今まで通りパワーアンプとDACが同居した製品として、現行の4つの動作モードはそのまま維持します。DAC部はAK4499-DACまでに培った新しい観点と技術を詰め込んだ新しい世代の音質へアップグレードする予定です。

このVersion2基板はVersion1と互換性のある基板として開発します。ですから既存のVersion1のお客様は基板アップグレード費用のみでアップグレード対応が可能になる見込みです。これは以前から告知していた内容ですが予定通り行う見込みです。

音質面の目標です。

具体的にはVersion1で残されていた課題である駆動力と音の安定感の強化、高域解像度への配慮の追加、これらを盛り込みます。DACチップは今の予定ではES9028ProかES9038Proが有力ですが、上記含めたオリジナルの音質対策は継続して行います。音的には安い中華製品には絶対に負けられません。そうでなければもはやこの価格帯の製品に存在意義はありません。ですから価格やラインナップに関係なくこの物量でできる範囲での過去最高音質を目指して開発したいと思っています。

可能であればAK4499-DACの4枚仕様を超えたいですがなかなか難しいです。今までの内部電源回路のボトルネックを見直す等、基本性能を更に向上させるためのいくつかの工夫を追加することも必須になるかと思われます。4499比では電源出力やスペースの制約がありますからその範囲でできる対策が必要です。最終的にはAK4499と比較したときに感じるESS系のネガティブ面をどこまでカバーできるかが焦点になりそうです。特に生音を魅力的に聴かせる必要があります。最近まで長らくESS用の実験機で色々と対策を進めておりましたが一部デジリコの技術を流用することで従来の問題点を改善できることがわかりました。現在手元にある音質対策用の試作基板ではかなり改善しました。これを元にどこまで到達できるかで見極めたいところです。

他の候補としてロームのDACも検討しておりました。しかしAK4499やES9038とは異なる方向で潜在的な音質課題があります。生音の質感などは問題ありませんしむしろ強いです。ですが駆動力面での解消の難易度を比較するとロームのDACはこの問題解決がかなり難しいです。この対策のためには相当の物量を大量投入する以外になさそうです。しかしチップ単価でみても基板スペースで見てもこれは現実的解決策ではないため、現時点ではロームのDACは採用可能性が低い状況になっています。

もちろんDACチップが全てではないですが、Version1比ですともはや最後の差がそこに依存してくる領域に到達しつつありますので、Version2の開発においては現時点で全て確定はせず慎重に決めたいと思います。Integrated製品としては既存DACチップで最高を狙う位置づけをとりあえず検討することになります。

ハイエンド向けに以前少し変わったアーキテクチャのDACもいくつか開発をしておりましたが、Integrated 250向けとしては問題が多いため採用は見送ります。全く新しいDACに期待されていた方もいたと思うのでそこは期待とはちょっと違うかもしれません。昨今は各社ディスクリートに移行しつつありますが真に優れている製品は少ないと思われます。ディスクリートは音的に優秀な面があっても特性面で万全にするのはかなり難易度が高いです。そのように問題があるものを問題ないと言って売ることは出来ませんので、機能に見合った最適解を選ぶべきです。上記の不採用になったDACは一体型には不向きですが業務機には適した性質を持っているので今の時点ではそちらでの採用を検討しています。

FAX受信についての連絡、廉価パワーアンプの外観と音について

2021/10よりFAXによる身分証受付が終了します

日頃利用しているサービス会社より連絡がありまして、貸出機のための身分証提出のFAXによる提出が上記期間で受付終了となります。これ以降はメールで画像添付での提出を基本とさせてください。メールでの送付が出来ない場合はお手数ですが、用紙にコピーして書類で提出していただきますようお願いいたします。

廉価パワーアンプの外観と音

通電中の外観は以上のようになります。最大の問題は白色LEDのスイッチが納期の関係で入手困難のため、青色LEDで量産を行うというものです。製品イメージとして青色であっても問題ないとは思われますが、昨今のラインナップでは白LEDを基調にしたデザインに変更していたのでIntegrated 180以来の青です。ですがスイッチの色のためだけに納期が数ヶ月伸びるということは避けたいですので、今回は青色で対応をさせていただきたいと思っています。

外観についてもう一点ですが、天板に筋のようなものが入っています。これは写真の都合ではなく実際に現物でもそう見えます。量産時にはこれは軽減してもらうつもりです。しかし完全にはなくならないかもしれません。この点についてはそのような可能性があるということで予めご了承お願いいたします。

次に音についてです。

電源が半分になりますので、P500と比較して音の余裕や静寂感は若干劣っています。また低音の最低域の伸びや余裕も同様です。やはりモノパワーで電源が2倍のP500が優秀でした。ですが廉価パワーアンプのほうは覇気というか圧力がP500比であります。バインディングポストと基板の距離を最短にしたので改善している部分もあるようです。なので最低音域はP500ほど伸びませんが、単純に音を送り出すパワー自体はP500比でも高いです。最低音域や余裕についてはこれを2台にしてモノラルバイアンプなどにしたら大きく改善する可能性はあります。ですがこちらでは1台しかテスト機がないためそのようなテストは出来ていません。

電源インレットを変更すると高域の質感が大きく変わる印象がありました。現状はP500と同等の駆動力重視の軽量フィルタータイプを使っていますが、AK4499-DACで使っていたより強力なフィルターに変更すると静寂感が改善します。しかし低域が弱くなってしまうため、最終的に採用するのはP500と同等品の駆動力重視のものになりそうです。パワーアンプとしては駆動力に価値を置くべきなので、SN的な要素は外部のアクセサリーで調整していただくのが良いかもしれません。駆動力を確保するほうが難易度が高いからです。

Integrated 250の内蔵アンプと比較するとパワーも余裕も静寂感やクリアさも、廉価パワーアンプのほうが優れています。Integrated 250内蔵比であれば劣っている部分はないかと思います。そしてP500比では総合的に優位ではないものの価格差ほどの違いがなく、また2台バイアンプで導入したらP500を超えていく可能性があると考えれば廉価パワーアンプの存在意義は十分にあるのではないかと思います。

現在量産のための各種部材や基板類の発注を進めています。今月中には一通り発注を終わらせ、量産のための打ち合わせなども進めたいところです。

廉価パワーアンプ WF-P502Lの試作ケースが仕上がりました

2月頭に発注していたケースが届きました。今回は試作分のみ5セットが届いています。これから組み上げや動作確認を行います。量産はこれからです。

上下パネルは4mm厚でWF-P500と同等にしています。またアンプユニットが2つになるため上下放熱穴に加えて左右が放熱パネルになっており、D級アンプとしては熱対策は万全です。ケースのデザインやサイズはほぼIntegrated 250と共通で今後の汎用性に期待が持てる仕上がりです。今後Integrated 250 ver.2やデジリコもほぼ同等のケースにする予定です。今回より背面部のエッジも怪我防止のために丸めてもらいました。なかなか良い仕上がりです。

今回から電源電圧を100V系と200V系に背面から切替可能にしています。実際に行うかはともかくとして海外輸出も視野に入れています。電源スイッチは本当は白色が欲しかったのですが在庫がないため青色です。世界的に電子パーツ類の供給が厳しい状況になっており、もし白色のスイッチが手に入らない場合は青色で量産するかもしれません。

なおこの製品は量産開始前から貸し出しをスタートをしたいと考えています。また追加での情報が入りましたら記事としてまとめたいと思います。