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パワーアンプの予定・続報と最新情報

パワーアンプ関連の今後の展開を急遽変更します

こちらの記事の続報です。Nilai500と1ET9040BAについては全く情報が更新されていない状況ですが、ひとまず直近の予定についてお伝えします。

物量型ケースのテスト結果

目的はケースの物量の音への影響の大きさの調査です。最初は比較のためNC1200+SMPS3kを使ったパワーアンプを作成しました。これは以前に通常の物量のケースに入れたものがあり、全く内部構成が同じものです。異なるのはACとSPコネクタ程度でケーブルやモジュールはすべて同じものを使っています。

物量型ケース採用の結果としては雰囲気自体がだいぶ落ち着いており静寂感が増し高域のうるささも若干減る傾向を感じます。従来のNC1200の印象として駆動力や余裕は高いが高域が荒く質感は微妙という評価だったのですが、物量型ケースに入れた場合は高域の問題はだいぶ緩和されていると感じました。コネクタ類の差だけでは経験的にここまで大きな違いは出ませんのでこれがケースの差なのでしょう。今後はケースの物量的な要素は決して無視できないことになりそうです。

そのためデザイン的にはベストではないと思っていますが、音を重視し今回はこの物量型ケースを採用することにします。

1ET7040SAを使ったパワーアンプ

こちらも試作品はほぼ完成でこれから量産の準備を少しずつ行っていく段階です。最終的には少し変更がありましてフロントはスイッチの配置を変更し前面にモデル名の刻印を追加します。全面の表示レイアウト的にはP502Lに近い仕上がりとなります。もう少しテストを行ったら先行で試作品の貸出もスタートしたいと考えています。

仮のデザインです。細かい位置はもう少し調整予定、型番もスペックとラインの整合性でWF-P952になりますが今回は限定生産なので502Lのようにそれとわかる表記を追加するかを検討中です。正規ラインとなる可能性もあるのでこのまま確定の可能性もあります。

音についてですが、旧世代と比較して今回はコンセプトを変更した内容になっています。

  • WF-P400世代は基本のモジュールの素性の限界を取り出す設計方針
  • WF-P500やWF-P502L世代ではNC500モジュールの欠点を隠す方向でSN的要素を強化するチューニング、万人に扱いやすい設計方針
  • 新型は従来モジュールの欠点が解決したため、高域の精度、音の立ち上がりと焦点描写、駆動力のさらなる強化、これらが設計方針

実質過去のハイエンド製品であるP400やP500の後継となる新しい概念のハイエンドラインになると言っても良いと思います。懸念があるとしたら以前のモデルよりさらに高性能なシステム向けの設定になっており、状況によってはきつい音やうるさい音をだすかもしれません。ですが大抵はケーブルや振動やトラポからDACまでの上流の問題をさらけ出しているだけです。逆にそこに問題がなければ従来より限界の高い描写が可能になるチューニングです。場合によっては以前のモデルのほうが良いと感じるかもしれません。

高域の精度を高めながらきつくないうるさくない音にするためには相応の試行錯誤が必要でしたが、その結果は高域低域のレンジ拡大、細部のディテール描写が向上、アタックとリリースがしっかり分離する、このような方向性となっており、より世界のハイエンド志向な音に近づいているのではないかと予想しています。これはオペアンプを交換できるよくあるNcore系海外製品にはまず不可能な「最適化による成果」と予想されます。

注意点としてはこの方向性は立体感や定位を明瞭に描写する限界が高まる一方で、その限界自体はセッティングやシステムに強く依存することも事実です。音の立ち上がりに含む詳細な情報を正確に取り出すことを目標にしていますので、不完全性はそのまま出してしまいます。今までより相性問題が出やすい点は予め注意が必要です。(最低限DACが当社の製品の場合は大きな問題はないと思います)

販売の予定

今後ですがNC1200を試作モデルとして、1ET7040SAは限定生産モデルとして販売する予定です。NC1200モデルは上の写真のまま3台限定、1ET7040SAモデルは一部修正し20台前後の限定生産予定です。どちらも写真と同等の物量型ケースを使います。

  • NC1200+SMPS3kの構成の物量型ステレオパワーアンプを3台限定。コネクタはWBTを使用、シルク刻印なし、背面に型番シール予定
  • 1ET7040SA+SMPS3kの物量型ステレオパワーアンプ、20台限定。コネクタは502Lと同じ、シルク刻印型番表記あり

今のところNC1200モデルが先行で8-9月頃(光ブースターの状況次第で変動)、1ET7040SAは予想だと冬ごろになってしまうと思います。P502Lももうすぐ在庫が少し復活しますのでしばらくパワーアンプの在庫が充実するはずです。

今後のパワーアンプの価格帯は大きく差ができます。1ET7040SAモデルは過去のハイエンドモデルに近い価格帯になります。P400、P500のステレオ構成よりは安くなりますがP502Lよりは大幅に高価です。NC1200モデルはP502Lと1ET7040SAモデルの中間より少し安い位置付けです。

選択の考え方としては、NC1200モデルと1ET7040SAモデルの駆動力は似たレベルのため、P502L以上の高域の精度が不要でコストと駆動力を重視したい場合はNC1200が良いです。P502Lのノーマル版とNC1200モデルの比較では多少値段は上がりますがNC1200に駆動力的な優位性があると思います。P502Lの1ET400A版は高域の精度が高いのでNC1200モデルでは失う要素がありますから非推奨です。

その他1ET7040SAという目新しさと値段の安さが大事な方は当社より安いパワーアンプが海外メーカーから買えますのでそちらを選ばれると良いでしょう。

1ET7040SAパワーアンプの設計方針 詳細版

当社が1ET7040SAに注目したのはこのモジュールの目新しさではなくGNDピンの増加による基板のGND結合強化です。それが1ET7040SA採用の理由です。1ET400Aはこの問題を解決しなかったので当社は試作品しか用意しませんでした。1ET400AはNC500と同じ問題があります(ただし音的な問題はだいぶ軽減されている)。

NC500(1ET400Aも含む)で問題になっていたのはD級アンプ基板とプリアンプ基板のGND結合ピンが少ないため高周波的な変動に弱いことです。D級アンプ自体が高周波で動作しているためこの問題は深刻です。

アンプ基板のGNDとプリアンプ基板のGNDが個別に変動すると、通過した信号も同時に変動します。もちろん差動伝送で軽減されますが完全ではありません。伝送経路の非対称性によって完全性は崩れます。悪いことにNC500のピンレイアウトではホットコールドが非対称な長さのピンに割り当てられていますので必然的に不完全な差動伝送になります。

そのため当社はNC500の設計では問題となる周波数領域を4次フィルターですべてカットすることで対処しました。これはアンプモジュール側の問題なのでプリアンプ基板でモジュールの設計問題を隠しました。その結果はきつくうるさくない透明でなめらかな描写が可能になりました。NC500は広帯域で高速なプリアンプを用意するほどきつくうるさい音になってしまいますがそれはモジュールピン設計の問題です。

このようにNC500~1ET400A世代では真の広帯域プリアンプと組み合わせることができませんでした。プリアンプで信号を丸めないと荒くきつい音になってしまいました。逆にプリアンプ一体型モジュールのNC400やNC1200は完全なGNDを持っているため、固有の荒さがあるものの自然な高域の伸びがあります。これは一体型だけの優位性です。NC500のようなGND結合の甘いモジュールを使っている限りこれは実現できません。

しかし1ET7040SAではこのGND結合ピン数が大幅に強化されました。ようやくNC400やNC1200のような連続ベタGNDに近い特性を実現できるようになりました。そこで当社の1ET7040SAの目標はNC400よりも精度が高く焦点のあった伸びのある高域と、従来のNC500にあった透明感と滑らかさの両立です。

そのために行ったことは高速なプリアンプを使用することと高域特性の最適化です。重要なのはオーバーシュートの拒否と高速スルーレートの両立。高い駆動力だけでなく同時にピークを取り除かなければなりません。そのために各種定数の最適化が求められます。シミュレーションと試行錯誤で特性を一致させなければなりません。

もう一つは電源の強化です。1ET7040SAではSMPS3kと組み合わせています。2つの1ET7040SAはSMPS3kと釣り合います。一部の海外メーカーはSMPS1200の優位性を主張していますが、当社はSMPS3kのほうが音質的に駆動力と安定感と余裕がありSMPS1200より優位性があると確信しています。このあたりは音質的な判断です。

これによってうるさくないが伸びのある高域、ピントのあった描写、透明感、絶大な駆動力と安定感と余裕、これらすべてを両立したアンプが誕生しました。

しかし今後Nilai500や1ET9040BAが登場します。なので1ET7040SAを使ったアンプの生産は限定で売り切れたらそのまま終了となる予定です。もちろんそれらの製品と比較しても1ET7040SAの優位性があるならば再生産を検討しますが、そのためにはこれらをすべて試してもう一度ベストはどれなのか再検討が必要です。Nilai500自体は電源が弱いのであまり期待していませんが、1ET9040BAはより良い可能性があります。

AK4499特注DACのアップグレード対応スタート

以前こちらの記事で紹介したアップグレードですが受付をスタートします。価格は30000円税抜です(ショップでは税込表示)。キットか製品かは関係なく、またDAC基板の枚数に関わらず価格は一定です。以前の抵抗アップグレードより本格的かつ多方面のアップグレード内容で、改造作業もより手間のかかる内容となっています。

以前は改造内容を公開しましたが今回は公開は行いません。ノウハウの問題もありますが、予定より作業内容が多くなってしまい案内の難易度+改造のリスクが高いことが理由です。抵抗アップグレードのときに致命的な破損事故もあり製品の修理部材の猶予があまりない状況です。今後の保守のことを考えますとハードウェアアップグレードは信頼できる方へ依頼するべきと判断しました。

そのかわり音質的にはご満足いただける前進を提供できると思います。音質としては重心が下がり出音の骨格や安定感が増す、駆動の絶対的な速度が上がり神経質さや浮わついた印象が減る、中域がよりクリアになる等となり、現行のハイエンド製品へより近づくことができる内容になっています。抵抗アップグレードのような小さい差ではなくより本質的で大きい差です。ですので価格パフォーマンスは抵抗アップグレード比でも相当良いのではないかと思っています。これが高級ブランドなら最低でも数十万円以上は取られる内容のはずです。基本的には利益より買ってよかったと思える製品にしたいので低価格で対応しています。

お申し込み手順としては以下の通りになります。作業を外注様に依頼するので発送先は当社ではなく別の場所になりますがこのあたりは個別でご案内いたします。

  1. ショップページのサポートカテゴリから「AK4499本格アップグレードの作業発注」をご注文ください。
  2. 抵抗アップグレードとは別になるので、同時作業を希望の方は両方をご注文ください。(今回は抵抗アップグレード単体の作業はお受けできません)
  3. すぐに発送せず、同時にできる作業数に限りがありますので連絡があるまでお待ち下さい。発送可能なタイミングでこちらからご連絡します。
  4. 指定場所へ発送作業をお願いします。相互の受け取り時の手間を減らすため、送受信ともに送付側が送料負担でお願いしたく思います。
  5. 作業完了後にご返送します。(ソフトのバージョンが古い場合は、基本的にソフトウェアアップグレードも行います)

なお今回の依頼は以下の制限事項があります。以下に該当する方はご注文いただけませんので予めご確認ください。基本的に標準状態といえる範囲ならば対応できます。もしこの範囲でないにも関わらず無断で注文し、改造が発覚して依頼をお受けできない場合は送料+確認の手数料を引かせていただくため全額のご返金対応はできなくなりますのでご注意ください。

  • すでに独自の改造を施されている場合。ただし抵抗アップグレード、ケーブルへのコア追加、ヘッドフォン配線の追加、12V電源の追加等、マニュアルや公式記載のある内容は問題のある改造とはみなしません
  • 改造とは部品の交換や変更、追加や削除等、こちらが案内をしていない内容で回路構成や基板に直接的な変更を加えているような内容全般を指します。
  • ケース内側に電磁波シールを貼る等の回路構成に変更がない程度のものは問題ありません。
  • 明らかな動作不良部分がある製品はお受けできません。修理が可能な場合修理代金とセットでの承りとなります。

想定される懸念事項がある場合は事前にご連絡してください。その他、質問などはコメントまたはフォーラムでお受けします。よろしくご検討お願いいたします。

続報 2022-06-22

現在の時点でお申し込みが21名となっています。いまのところ作業量的に毎週3名ずつの発送ご案内となっていますので、すでに後半の方は1-2ヶ月以上おまたせする状況です。遅くなってすみませんがご了承お願いいたします。

続報 2022-06-25

予想以上のお申し込みがありましたので、今後作業ペースを向上させ週5台対応とします。現状は以下のとおりです。

  • 申込み総数 34
  • 発送案内済 8
  • 対応中 3

続報 2022-06-30

  • 申込み総数 48
  • 発送案内済 13
  • 完了 5

続報 2022-07-03

  • 申込み総数 53
  • 発送案内済 19
  • 完了 13

続報 2022-07-13

  • 申込み総数 56
  • 発送案内済 34
  • 完了 22

続報 2022/07/18

  • 申込み総数 58
  • 発送案内済 41
  • 完了 32

続報 2022/07/27

  • 申込み総数 61 59
  • 発送案内済 49
  • 完了 41

続報 2022/08/01

  • 申込み総数 63 61
  • 発送案内済 54
  • 完了 48

続報 2022/08/07

  • 申込み総数 63 61
  • 発送案内済 59
  • 完了 53

パワーアンプ関連の今後の展開を急遽変更します

最近諸々の予定変更が多くすみません。理由はHypex社とPurifi社から急に新製品が発表され、予想外の展開となったためです。それを受け当社のハイエンド的な製品の位置づけと展望は一気に不透明となりました。

従来予定していた1ET7040SAを使ったパワーアンプは仕入れを行ってしまった関係でリリースをしますが、それはハイエンドというより502Lの上位版という位置づけに変更します。以前の構想ではBTLモノラルとステレオの切り替えができる機能、ゲインスイッチ機能、レベルメータ表示機能などを検討していましたがこれらは削除します。もちろん間に合わせの設計変更ではなく機能や外観のシンプル化になります。モジュールの良いところをできるだけ引き出す設計を心がけるのは今まで通り変わりません。

状況についてもう少し細かく説明します。実は昨年末以降Ncoreの次世代になるハイエンドモジュール候補として3つの新製品が発表されました。しかしこれはまだ始まりでしかなくこれで終わりではないと思っています。彼らが今後どのような製品展開を行うのか全くわかりませんし、それらの実力もわかりません。

一見基本スペックは確かに向上していますが、すでにどれもスペックだけで音が決まらない領域に到達しています。ですので今後の構想はそれらのすべての評価が終わったあとに改めて検討する形とします。それまではシンプルなパワーアンプ、できる限り抑えた価格での展開を基本とします。

国内では情報がほとんどないと思いますので、現在発表されている各製品についてこちらで紹介してみたいと思います。

Hypex Nilai500

こちらはDIY市場向けの製品なので、当社が独自の製品として販売することはありませんが、新しい技術によって基本スペックをPurifiの1ET400Aと同等以上に高めたモデルになります。オリジナルの開発者であるBruno氏が不在となり将来が危ぶまれていたHypex社ですが、見事にこのような新製品をリリースしてきました。今後の展開が非常に楽しみです。

OEM向けの組み込み用モジュールの今後の展開はまだ未知数ですが、Hypex社は電源一体型モジュールを作ることができるのがPurifi社に対する最大のアドバンテージです。しかしPurifi社はすでにアンプ単体モジュールとしては史上最高クラスの製品の開発が先行で完了しており、今からHypex社がNilai500の上位アンプモジュールを開発する意義はそれほど大きくないと考えます。であれば既存のMPモジュールを新世代にアップグレードし組み込み向けのより廉価な市場を先に抑えに行くのが賢明かと予想しています。

ですがHypex社がどう考えているかはわかりません。先の展望はこの通りになるとは限りません。いずれにしても今後ラインナップが刷新され新世代モジュールの時代が来ることは間違いありません。

当社としてはまずはNilai500の評価行います。現行のPurifi社の製品と比較し新技術のポテンシャルを確認してから今後については慎重に判断したいです。とにかくあわてて新技術ラインを使った新製品を矢継ぎ早に販売するなどということは避けたいと考えています。

Purifi 1ET7040SA

1ET400Aの高出力版といえる位置づけの製品です。こちらのみテスト済みとなります。1ET400A比でスペックは大きく変わっておらず性能だけならむしろ1ET400Aのほうが良い部分があるのですが、実際の音質は1ET7040SAのほうがよく、しかも結構な格差があると感じました。

理由としてはピンヘッダのGND結合強化だと予想しています。1ET400Aではプリバッファ基板との結合が弱いですが1ET7040SAではピン数が大幅に増えて両者の結合がかなり強化されています。これによりNC500以降共通していた神経質な音質になりにくく、全体的に余裕があって伸びのある音に仕上げやすいです。また出力もだいぶ余裕があるので大出力電源と組み合わせた駆動力が魅力でした。これにより従来のNcoreにあった、NC1200は駆動力が高く余裕があるが高域が荒くなる、NC500は神経質になりやすい、という問題を同時にクリアできています。

ということで音的にも性能的にもこれが最近までハイエンドの有力候補だったのですがこの予定はキャンセルします。ただしこちらのモジュールはすでに仕入れを行っていますので、これを使った製品は予定通り今年~来年初頭にはリリースしたいと考えています。

変更するのは製品の位置づけです。当初の予定を変更し502Lの上位版となるシンプルな普通のステレオパワーアンプ製品で価格を抑えたものとし複雑な機能はすべて除外します。

Purifi 1ET9040BA

こちらはほとんど情報がない新製品です。噂レベルですがBTLで最大出力を大幅に強化し最大1500W、さらに1ET7040SAや1ET400Aよりノイズを低く抑えているという話です。これが事実なら1ET7040SAの存在意義はほとんどないようにも思えますが、基板のサイズと出力限界スペックを見る限りは棲み分けはできそうです。例えば電源の最大出力から判断しても1ET7040SAはステレオパワー向きで、1ET9040BAはモノラルパワーアンプ向きです。

ただしこのようなラインナップ展開になるかは1ET9040BAの音質と、Hypex社の今後の動向次第です。予想外にHypex社も高出力モジュールを出してきた場合は両者を比較してどちらか一方を選ぶことになります。

懸念事項として電源電圧が90Vになっているようなのですが、今までの経験的に言うと電源電圧が上がると高域が荒れやすくなります。理由はスイッチングする電圧自体が上昇するからです。Hypex社もPurifi社もEMC的な性能は非常に優れておりどちらも漏洩ノイズも残留ノイズも少ないですがそれでも微妙な質感の差はあるように思います。1ET400Aや1ET7040SAは電源電圧が低めですが1ET9040BAは高めになるのでその部分で良いことばかりではない可能性があります。

ですがBTLになるとこの問題は緩和される傾向もあるのですべてが同時に向上している可能性もあります。このあたりは実際の出音が一番大事なので現物を評価するまで結論は出せません。

もう一つはプリバッファのあり方です。基板を見る限りバッファは事実上一体化されており音質チューニングの余地についてどこまでできるのかわからないことも多いです。NC1200のように基本はオンボードバッファを想定していて必要に応じて外部バッファに切り替える方式かもしれません。一体型仕様はオンボードバッファを使う限りメリットしかありませんが、外部バッファを使いたい場合基板同士の結合が弱くなって音質的に不利となる問題がありそうです。

当社にとって最も悪いシナリオは1ET9040BAが大変素晴らしく圧倒的でありながら手を入れると悪化する設計の場合です。そうすると標準で使うのがベストとなりどの会社の1ET9040BA製品を買っても音はほとんど同じなのでわざわざ当社が手掛ける意義を感じないです。(その場合安い海外製で良いとなります)

いずれにせよ1ET7040SA以降の展開については、Nilai500、1ET7040SA、1ET9040BAの音質傾向をチェックしてから判断となります。実際にチェックして1ET9040BAに特別な優位性がなければ新製品は作りません。

今後のDAC関連の構想について&AK4499特注DACのアップグレード対応&光ブースターの量産状況

光ブースターの量産状況について

現在ケースは発注済みで量産段階、電子パーツが6月に最後の部品が納入予定、部品が全部到着次第基板の量産に入ります。組み立てはそれ以降になるので早くても7月以降の再販になる見込みです。

DACの構想について

先日AKMから新型チップのAK4499EXが発表されました。これは待望のチップ分離型です。当社としてはかなり前から強く希望していた仕様ですので是非AK4499EXを使った製品を出したいと考えています。

ただし最大の問題は昨今のコネクタ類、半導体類の不足です。試作までは以前に購入していたストック部材で間に合うのですが量産は非常に難しい状況がまだまだ続きそうです。ですがDACチップが手に入るタイミングになったら試作は先行して開発しておきたいところです。

おそらく当社より先に中国の製品がリリースされることと思いますが彼らとは特化する部分が異なりますのでこちらは急がず確実に良いものをお届けできるようにじっくり開発を行います。特性もそれなりに確保する予定ですが特性特化にはせず現実の音質特化になります(具体例:光ブースターでDAC出力特性は変わりませんが音は変わる)。

AK4499EXの製品ですが(今の予定では)久しぶりにシンプルなハイエンド志向の純2ch-DACとして出したいと考えています。以前リリースしたAK4499特注DACのような複雑な製品にはしません。基本コンセプトは「単体DACとしての性能を活かすためのレイアウトや最適化にこだわる」ことです。光ブースターを購入された方は理解されたかもしれませんが中途半端なUSB-DDC機能も不要なのでAES/SPDIFやI2S入力のみにするかもしれません。この場合DSDはI2Sで対応します。

先日仕入れた旧型のAK4499EQを使った製品は優先開発ターゲットから外します。とはいえAK4499EQの在庫は有効活用したいので上記製品とは全く別の性格の製品を企画しております。こちらはまだ何も発表できる段階にはありませんが、半導体が安定供給できる時代が来てからの発売になる可能性が高いです。

「AK4499特注DAC」の追加アップグレードについて

先日AK4499特注DACにシンプルなハードウェア的対策で音質を改善できることがわかりましたので追加のアップグレード対応を検討しています。またソフトウェアによるデジタルフィルターの特性追加または更新も予定しています。ただし提供時期はまだ未定です。

今回のノウハウは当然ながら今後の上記ハイエンド製品にも全て投入されます。そのうちの一部をAK4499特注DACにも適用する形です。上記EXを使った次世代の製品はリリースまでかなり時間がかかりそうですので当面はAK4499特注DACを改装して対応します。

参考までにですが以前にご案内した内蔵電源ケーブルへのコアの追加や電源回路の抵抗除去と比較して更に根本的な性能向上につながる重要な更新内容です。

音としては立ち上がりや駆動力を改善するような方向性です。これにより中域がよりクリアになり上下レンジが伸び、細部描写や空間焦点が良くわかるようになり、定位の鮮明さ空気のディテール描写が改善するという非常に前向きな内容になっています。

すぐにでも対応をというお話になってしまいそうですが、改造にはいくつかの段階がありどの段階を提供するのが最も安全で現実的かという判断が必要で、長期動作の安全性のチェックのためこちらでは現在試験品を実際に使用しながら動作確認を続けている段階です。問題ないと判断できましたらアップグレード対応を開始します。

今回の改良自体はさほど難易度の高いものではありませんが、重要なノウハウになりそうなので基本はこちらで製品をお預かりして対応する形になります。ですので今回はすみませんがキット購入の方への自力アップグレード方法の開示は行いません。なお費用については前回の電源アップグレードと同様のレンジを検討しています。

光ブースターの使用方法、質問、サポートにつきまして

以下のような質問を頂いておりますので、こちらで回答いたします。

まずはすみません。サポートについては基本的にフォーラムまたはコメント欄で受付をしていますが、本件はお客様の発言を見つけるまでコメントの存在に気づくことができませんでした。

理由は自動でスパムコメントと判断されて見えなくなってしまっていたからです。スパムになってしまった原因はメールアドレスが存在しないものだったためそう検知されたものと思われます。

(メールアドレスも名前も登録リストに実在しないのでどのお客様かこちらからはどなたか判別できず、やむを得ずこちらのBlogでご案内するしかない状況です。本来はどなたかわかればメールアドレスで直接ご連絡する案件です)

なおコメント欄は認証制になっていますが実際のところスパムコメントが多いので日常的にチェックはしていません。一旦スパムと認定されますと一切の通知がないのでこちらでは気づくことができません。

1週間程度回答がない場合はメールでご連絡いただくのが確実かもしれません。ですが一般的な質問については他のお客様も見ることができるのでサポートフォーラムのほうが望ましいです。なおサポートフォーラムは事前ログイン必須になっています。

フォーラムのトップページQRコード(ログイン不要)

光ブースターサポートフォーラム(ログイン必須)

今回頂いた質問についてはこれから一般的な質問としてサポートフォーラムの方で回答いたしますので、そちらをご覧ください。

フォーラムではなく、こちらへコメントをする際のメールアドレスは実在するものを記入して頂けますと助かります。メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。

送料についての回答

フォーラムにも記載しましたが、送料についてはこちらでもお伝えしておきます。

今回はじめてご利用のお客様にとって疑問があるかもしれません。ショップでの送料は一律1000円に設定させていただいております。最大の理由は個別設定の方法が難しく一律設定としていることが理由なのですが実際の内訳としてはヤマト宅急便、宅急便コンパクト、日本郵便のレターパック、このように複数の手段を使っています。

1-2台光ブースターを購入された方はレターパック、3台の方は宅急便コンパクト、4台以上の方は通常の宅急便です。通常の宅急便の場合は1000円以内にはなりませんがその分は当方負担です。

また同様にパワーアンプやDACなど、比較的大型の製品を出荷するときは場合によっては2000円以上になることもあります。いままでの逢瀬では実際には日常的に1000円以上かかっていましたが高額製品なので送料は基本サービスだと認識していました。

ですが今回光ブースターで初めてのお客様も多いようで固定送料が逆に不当に見えるようになってしまいました。レターパックは今回が初めての利用だったので、確かにこの差額に疑問を持つことは当然です。

このあたりは完全に当方の事情ですみませんが上記のように都度送料を設定、変更することが難しいので一律とさせていただいている事情がありました。送料が高額になる製品は大抵のケースで製品総額も高額なので、当方の負担でも特に問題なかったと考えています。

これについては光ブースターのみのお客様にとっては確かに問題に感じられる可能性があるのでショップ表記を送付手数料(送料ではなく当方の固定手数料)と変更しました。

光ブースターの再販希望アンケート調査

先日大変ありがたいことにほぼ最終となる60台の販売完了となりました。概ね1時間程度での終了でしたので希望者全員は買えていないだろうと判断しています。これ以降はまとまった在庫補充はできませんのであとは再販の判断待ちとなります。

そこで再販希望の方がどれくらいいるのか調査するために集計アンケートを設置します。しばらく設置しておきますので、再販希望の方はご協力をお願いいたします。ここで頂いた数量をもとに再販自体を行うかどうかの判断と、再販のための数量を決めたいと思います。

期間は数週間程度を予定しています。

2022/05/08 アンケートは受付終了しました

2022-04-19 暫定集計結果

投票ありがとうございます。今のところ無効と思われる票はほとんどありません。横軸は経過時間、縦軸は数量です。現在トータル28台ですが投票ペースが急激にダウンしています(ただし平日に突入)。もし数週間経過後もこのままのペースだと再販は難しそうな状況です。今ロットの在庫残もまだ10台弱あります。

とはいえまだ出荷も終わっておりませんのでアンケートはまだまだ引き続き受付します。おおむね連休明けの時点で全体の希望が把握できると予想していますので、その時点の数量で判断したいと思います。

※補足です。まとまった数量がないと再生産が難しい理由は購入単価です。概ねですが100個を切ると部品だけでなくすべての工程のコストが急上昇するため、現在の価格のままで再販することが難しいのが理由です。100個の再販が不可能の場合は再生産は断念します。もちろん希望数は100個に満たなくても希望分で生産&在庫リスクを賄えそうな場合は再生産します。

2022/05/03 暫定集計結果2

こちらが現在最新のアンケート結果になります。合計で78となっておりますので再販は確定です。概ね60台以上あれば最低100台の再生産を予定しておりました。連休に入りましてこの数値をクリアしています。ありがとうございます。

現在早速各種部品の取り寄せ作業を進めています。ただ残念ながら一部の部品が品切れで仕入れに時間がかかるものもあるようです。まだタイミングは確定しておりませんが在集はスタートしておりますのでご安心ください。

残り僅かな在庫については、不具合によるお問い合わせがあったことと、再度少数の争奪となってしまう可能性が高い状況のため、再販までは初回ロットの修理交換用部材として販売保留しておく予定です。

再販までお待たせいたしますがよろしくお願いいたします。

2022/05/08 集計結果

最終結果です。5/3に再販の告知を行ったためかアンケートはほとんど伸びませんでした。結果79台です。

今回の生産はこの結果を受けてちょうど100台を予定していますが数台の不良があっても十分問題なく間に合う数量になります。もし投票されていない方がいてもその分はこちらから推測することができませんので、残り余裕分の約20台で万が一不足があった場合は再生産なしの完売となる見込みです。

今の予定ではアンケート回答いただいた方へ(システム的に可能であれば)メールで販売の正確なタイミングのご連絡を行いたいと思っています。アンケートのご協力ありがとうございました。

光ブースターの発注&出荷予定につきまして

おまたせしております。こちらに製品ページを用意してあります。製品についての基本情報と特徴、使いこなしについての情報を公開済みです。

光ブースター SPDIF-Converter

現在全数の検査と50台の組み立て出荷準備ができたところです。これから販売の受注から出荷の段取りとなりますが、こちらのキャパシティーを超える数量の注文が万が一ありますと期限内での出荷が困難な可能性もありますので台数を分割して受注を行う見込みです。

タイミングとしては来週より受付を開始予定です。初回は12台、以降12台ずつ分けて受注と出荷を行うという段取りで進めさせていただきたいと思っています。販売ペースが緩やかになった時点でまとまった在庫を補充するつもりです。

製品の保証関連ですが、初期不良2週間以内送料無料で対応、1年間無償修理(送料はお客様負担)、それ以降は有償修理対応となります。

以上よろしくお願いいたします。

2022/04/12

大変ありがたいことに、昨日の12台は昼頃に在庫補充しましたが1時間以内に完売になりました。

次回は水曜の夜に補充します。概ね21-22時ごろを予定していますので、よろしくお願いいたします。次回も同様に12台です。

なおBNCオプションの個体を少数用意していますが、非常に数が少ないのでまずはRCA版が安定在庫できるようになって以降に在庫開始予定です。

2022/04/14

先日の販売はわずか1分で完売となってしまいました。十分な時間や数量を用意できず申し訳ありません。

そこで次回は12台ではなく60台ほど一気に補充します。ただし出荷は一気には対応できません。まだ検査段階のみで組み立てが終わっていない分があるためです。なので概ね1-2週間かけて少しずつ出荷していく形になります。この点予めご了承をお願いします。

ないと思っていますがもし60台が即売り切れてしまった場合、それ以降に補充できる数量はほんのわずかです。それ以降は再生産となり最低でも数ヶ月お時間をいただくことになりますのでご注意ください。なお土曜日はお昼ごろに補充予定です。

旭化成AK4499EQの国内在庫があります

3/17時点でタクミ商事さまにIC残数350個あるそうです。同社のsemiconboxで検索しても出てきませんが直接問い合わせをご利用ください。参考までに当社の購入価格は現在の市場プレミアム価格ではなく通常価格でした(当社取引とは別になるので価格はおそらく個別相談です)。

現在タクミ商事さまにある現在の残り350個はフリー在庫なので、必要な方は今のうちに入手をご検討ください。個人から少数で購入できるかは不明ですが、10個単位での販売実績はあるようです。

取扱商品

AK4499は素晴らしいICながら国内のオーディオメーカーからは採用実績がない状況ですが、どこか競争力のあるメーカーが採用して世界と戦っていただければ…と思いました。

余談ですがこの在庫品はもともと当社のDACプロジェクトでの過剰注文分でした。しかし皆様ご存知のように予期せぬ工場火災で同ICは製造不能となり、これが現在最後の正規在庫かもしれません。画像の通り190個当社が購入していますが、この190個とは別にまだ余剰在庫が350個あるということです。

最後の4499を使った製品開発はじっくり進めたいと考えています。次は前回の反省を活かし位相問題やタイミング問題は100%発生しないようにします。

最近の状況についてご報告します

光ブースターの生産

まず光ブースターについてですが、基板類については仕入れと実装は問題なく順調です。昨今の半導体問題については詳しく後述しますが、光ブースターは仕入れがまだ致命的でないタイミングだったので大丈夫です。ご安心ください。

現在はケースの量産中です。色々と発注先の問題があり生産が遅れています。いつ到着になるのかはまだわかっていませんが少なくとも到着後に梱包出荷準備になりますので早くても3月下旬以降ではないかと予想しています。

光ブースターの音質についての案内予定

あれからいろいろな検証を行いました。結論としてはミドル以下の価格帯のお客様向けの使いこなし推奨内容と、ハイエンド向けのお客様の案内を完全に分けます。これらの内容は大幅に異なる内容になる見込みです。

簡単に該当だけご説明しますと、ミドルロー帯については最大のコストパフォーマンス効率を出すための方法論の案内が中心になります。それは先日お伝えした1-2台で完結し簡単な外部対策で終わらせるプランとほぼ同様です。これならこの価格帯のお客様にとって最も現実的かつ満足の行く結果は十分得られると考えています。この結論や案内はほぼ従来の内容と同等です。追加になりそうなのは2台の使い分けの方法論です。

もう一つのハイエンド向けの案内ですが、こちらは上記とは全く異なる内容になります。このあたりの検証を年明けに当方の場所以外のかなり高精度なハイエンド環境にてテストを行いました。その結果ですがハイエンド向けでは不完全性のカバーのために予想よりも多岐にわたる多くの対策が必要という内容です。このあたりの詳細は今後発売までに製品ページにすべて記載する予定です。

ここで簡単に概要をお伝えしますと、光ブースターだけでなく大本のトランスポートのクロック品位、電源品位、ケーブルの完備が必須という内容になりそうです。向上幅は全体的に見れば僅かですがその差は極まったシステムほど重要な最後の差になります。ですのでハイエンド向けは予算度外視の方法論になります。ただもともとハイエンドの方は予算度外視の方しかいないと思いますので特に問題はないかと思います。

補足追記 2022/02/28

ただ光ブースター+デジリコと組み合わせて100%完璧になるかどうかで言えばそれは絶対にありえません。ですがミドルローの方法論でもただ高額なだけのハイエンドよりいい部分は作れると思います。でも上に上がればまた上があります。ある程度上に行ったら終わりではなく結局ハイエンドの方法論とは永久に終わりのない追求です。色々やってよくわかりましたが変化要因を完璧に0にすることは不可能です

ハイエンド志向のお客様はそれを理解した上でどこまでやりたいのか、現実的なラインを各自見極めていただきたいと思います。逆にミドルローの方法論は安値で簡単に効率的に上に上がるための方法論です。ここまでが従来の逢瀬がお伝えしてきた方法論ですし現実的な価格で収まると思います。

ですがそれで満足ができないならハイエンドの方法論しかありませんがこちらは予算度外視とお伝えしています。大半の方にはおすすめしません。ハイエンド方法論とは従来の逢瀬では可能な限り排除してきた思想です。今までの文法とは違いますのでご注意ください。

正直ハイエンドとミドルローの到達地点の差はかかる手間と費用に対して非常に小さい、とても効率が悪くほとんどは不要な対策だと個人的に思っています。でもそれが本当に必要かどうかについては各自でよく考えていただきたいです。ほんの僅かでも変わるなら少しでも上に行きたいと考えてしまうなら最後は永遠に終わりのない旅が待っています。その道をあえて行くならあらゆる対策が必要です。後半の対策は当社が解決することはもはや不可能な領域です。

例えばですがファイル再生であればファイルの保存コンディションや再生環境要因も含まれます。ネットワーク再生でも同様です。極端な一例として郊外にシールドルームを作って完璧に近い電源ノイズ対策をして個別の部屋に究極のトランスポートと再生システムを分けて設置する必要がある、このような事例は相当究極かもしれませんがお伝えしても誰もできないと思います(このようなことは本番では書きませんが一例です)。ですが最後はそこまでやればまた違いがあるだろうという結論が見えてきています。なので最後は各自でどこまで出来るかを選んで頂くしかありません。

半導体、部品類の危機的な現状と今後の見通し

最近ライン駆動のミステリーを解決するために実験用のプリアンプで各種テストを進めていますが、とにかく最近の仕入れ状況が急速に相当に悪化しています。正直去年の年末くらいまでは世間で半導体やコネクタがないと言ってても、今から比べればまだ大したことなかったです。去年末はまだ汎用のIC類は大抵ありました。一部特殊部品は在庫がないですが代替品を探せばなんとかなるような状況でした。

ただここ数週間わずかの期間で、去年ならなんの問題なく買えたような普通の汎用部品すら軒並み在庫ぎれが始まっていてどれも納入予定が2023年以降となりつつあります。現在はとにかくコネクタない、汎用品ない、特殊品やCPU関係はもちろんほとんど無い、このような状況です。

最近はそのような状況の中でも数年先の分の半導体も在庫しておけるようにかなり情報収集をしており、先週は今年後半納入予定の半導体、コネクタ類について数十万円分発注を済ませました。これでハイエンドパワーアンプの生産やDAC製品を少量ですが作ることが出来る見込みです。

この状況を踏まえて今後のロードマップついて現在お伝えできる内容のみお伝えしたいと思います。

  1. 在庫している廉価版パワーアンプは今の販売ペースなら当面在庫切れの問題はありません。ただし現在の即納品が一旦切れますとしばらく再生産にお時間をいただく見込みです。部材はまだありますのでご安心ください。
  2. 光ブースターは順調に生産を進めています。初期ロット100台予定ですが一旦完売してしまうと再生産が可能かどうか不透明です。ギリギリで売り切れる状況の場合、再生産しても売れる見込みがないので再生産は行いません。万が一すぐに売り切れる場合のみ再生産を検討しますが、再設計含め相当時間がかかると思われます。
  3. ハイエンドパワーアンプはPurifi 7040SAを使う予定です。モノバイアンプでも使えるように標準で2ch仕様です。モジュールと電源は仕入れ予約が完了していますので生産はほぼ可能です。ただし少数生産しかできないので高付加価値の製品です。設計はP500までの従来の音質限界をあらゆる意味で超える内容を目指します。さらなる絶大なパワーと透明感と精密描写の両立となる見込みです。さらに多少の音質調整機能も設けるかもしれません。当然ながらただ組み立てただけの海外廉価ブランドのような中途半端な製品は作りません。
  4. ラインナップに最新仕様のDACがなくなってしまっているので当面の主力となるDACを再設計する予定です。AK4499を使える見込みが復活したためES9038ではなくAK4499を再び使った製品になると思います。設計自体ハイエンドパワーアンプ以降になりますが今できる全力を尽くした内容になる見込みです。ただし部品入手に限りがあるのでどこまで出来るかは不明です。前回のAK4499-DACからは買い換える必要のない製品とする予定ですが諸々のコンセプトは変更する予定です。こちらも少量生産です。
  5. Integrated 250 version.2は必要なパーツの安定的な入手の見込みが1年以上ありませんので当面延期します。250V2より上記AK4499の新作を優先する理由ですが250V1の出荷台数を満たす十分な半導体を入手できる見込みがないためが理由1、次に付加価値の問題です。後者は要するに将来の仕入れ資金をしっかり集めておく必要があることが理由とお考えください。アップグレードはどうしても高付加価値にはできません。ある程度資金の余裕もなければ(今後の状況次第ですが}仕入れが難しいからです。ですが生産ができる状況になりましたら進めたいと思います。
  6. デジリコについては光ブースターの状況を見て判断します。光ブースターの不足分を補うための必要条件は概ねわかりましたが、以前よりハードルが上がってしまったためベストな製品を出すための設計難易度が上昇してしまいました。現在のデジリコのままでは光ブースターと組み合わせても大幅なメリットがありませんので組み合わせて意味のある製品を出す必要があると考えています。ですのでデジリコという製品プランは残りますが内容については再検討が必要です。

以上です。

今後1-2年は冬の時代。生き残る判断が重要

いくつか倒産や生産停止となる事態が見受けられますが当社は大丈夫です。固定費はかなり安く抑えていますのでほとんど売上がなくても数年程度なら問題なく経営を続けることは可能です。特に重要な必須部品の多くは去年以前から予め多めに確保しておりますので上記予定までの生産はなんとかできる見込みです。

上記の通り、光ブースター以降の当面は高付加価値と書いたとおり高額ハイエンド志向の製品が中心の展開となります。以前と同じ価格の製品を出すには部材入手難易度があまりにも高すぎることが原因です。不必要な再設計の上に針の穴を縫うような部品入手状況、手に入る部品の組み合わせの中で音質を追求しなければならない、このような多大な制約があるので低価格&大量生産の優れた製品を作れる見込みがありません。非常に難しい時代です。

昨今のオーディオ業界の値上げラッシュの理由はこれらも理由だと思います。少なくとも当社の場合はこれが理由です。もちろんその分価格以上に価値のある内容にしたいと思っています。外観のクオリティについては諸々限界があるので従来どおりのままですがデザインはもう少し頑張りたいところです。

また状況が大きく変われば予定も変更になってしまうかもしれませんが、ハイエンドパワーまでは以前から告知している予定通りに進めたいです。

ですが部品入手状況の悪化はある程度の影響を受けてしまいます(予想外の部品が枯渇など)。上記のロードマップのうち生産可能分まではともかく、デジリコ以降はどうなるか全くわからない状況です。

2022の新年のあいさつ

あけましておめでとうございます。無事今年の新年の挨拶を迎えることができたことに感謝いたします。会社が無事存続できたのは皆様のおかげです。今後も活動を続けることが許されるように競争力のある製品を作っていきたいと思います。

今日は抱負として、現在のオーディオ業界について個人的に考えていること、そこから当社の今後の方向性について書きます。ロードマップのような具体的な製品計画ではなく、もっと漠然とした方向性の話と捉えてください。

現在の市場の個人的印象

据え置きオーディオも他と同様に二極化に急速に向かっているのではないかということ、そしてその棲み分けと固定化がさらに進むのではないかと予想しています。

より具体的に言えば、据え置き20万円以下の価格帯はすでに中華の台頭が急速に進み、彼らによる支配体制の確立、定着がかなり進むこと。もう一つは数百万円以上の据え置きハイエンドの世界で、こちらは価格がどんどん上昇し一般人には縁のない世界になっていくことです。

中間層どちらにも所属しないミドル帯はおそらく明確な未来は確定していませんが、決して安泰ではない非常に不安定な領域だと思っています。そして据え置き市場は全体的に縮小を迎えるでしょう。当社はおそらくこの領域で独自の生存領域を確保することになります。

ヘッドフォンは緩やかな高級化、そして高性能な低価格機のリリースが続いています。このあたりは価格レンジが違うだけで雰囲気は据え置きと似ています。特に低価格帯コンポーネントは中華製品が性能価格比に優れ一極支配が急速に進んでいると思います。据え置きと違うのはハイエンドと主張できる高級機がまだ一般の人でも頑張れば買える価格帯にとどまっていることでしょうか。ですが何かきっかけ(おそらく高級化に乗るユーザーの減少)があれば据え置きと同じ超高額化の道にいくかもしれません。

イヤホンは完全に別世界ですし詳しくないためよくわかりませんが、イヤホンの人が据え置きやヘッドフォンに移行する可能性は低いまま、当社には今後も無縁の市場です。

とりあえず当社の重要な市場である、ミドル帯据え置き、同ヘッドフォン関係は今後どんどん難しくなっていくと予想をしています。すでにハイエンドを買ったor持っているのにミドル帯の製品を買う理由がないことは大きな理由でしょうし、低価格帯が性能的に限界まで成熟したためミドル帯の性能インパクトが薄くなっていることも理由でしょう。

共通しているのは顧客の成熟でしょうか。据え置き市場自体が成長しない限り、成熟した顧客が次に買う製品はさらなる高みです。しかし市場は拡大する見込みがなく製品の性能向上も限度があります。これが現在とこれからの背景事情になると予想しています。

しかも値段が下がってきたかつての憧れのハイエンドを中古で買うという選択肢も現在のミドル帯に存在します。ですから新製品のミドル帯はもはや厳しい状況です。既存大手の知名度や存在感によって辛うじて維持されている領域となっているのかもしれません。

これからはこの価格帯ほど「なぜこの製品を選ぶのか」という理由が強く求められるでしょう。ガレージメーカーにはかつてのハイエンド(かつての憧れ)と同価格帯で戦えるような競争力はありません。簡単に言えばすでに当社もミドル的位置づけの製品の居場所はなくなっているかもしれないということです。

最大のリスクは中華からミドル帯で非常に付加価値の高い製品が出現することです。ネットワークやデジタル処理機能、そしてアンプDACまで全部入りの一体型。さらに高い測定性能を持ち、デザインも良く高級感もあるモデル。このような製品が20万円前後でリリースされる未来です。昨今のインフレもこれを後押しするかもしれません。すでに発生している低価格帯の競争激化、そして世界的インフレから彼らも付加価値のあるビジネスへ本格的に早く取り組む可能性。これがミドル帯の勢力図が激変するきっかけとなるかもしれません。

ではどうやってここで生き残るべきでしょうか。

当社の使命 ハイエンドクオリティの追求と現実的価格での提供

去年はインフレでオーディオ全体の価格が次々上昇しましたが、当社は今後も本当は価格を上げたくはありません。廉価パワーアンプも値上げより値下げをしたい位です。

ですがそのような安易な値下げばかりでは先がないとも考えています。中~低価格帯で中華と勝負することは日本にある小さい会社にとっては不可能です。安くしてもその分の数売れるわけではありませんし、安くした分利益が出にくくなりますので難しいところです。少なくとも価格が安いことが売りでは先はありません。廉価パワーアンプもやすくするために数を作ったものの予想より少ない数しか出ておらず厳しい展開です。

当社の重要な使命。それは真のハイエンドを手に入れたいが経済的な理由で買えない人たちに、現実的な価格でハイエンドクオリティをお届けすること。これが今後も当社の重要な使命と考えています。この基本的な考え方は以前と変わっていません。ですが実装の仕方や見せ方、あり方については再調整が必要だと考えています。

これからは趣味性が高く唯一無二のハイエンド的製品、または測定性能が高く低価格な製品だけが生き残るという予想をしています。このうち当社ができるのは前者しかありません。

必然的に中途半端な機能、中途半端な性能、中途半端な価格、このような製品にこれから力を入れるのは危険だと考えました。逆に独自性が高く、競争力の高い製品、独自の機能性や体験を提供できる、唯一無二を主張できる製品がますます求められるでしょう。(光ブースターは独自性の高い製品)

価格がミドル帯になること自体は問題と考えていません。そうではなく製品に宿る精神性がミドル帯となること、そう見られることが今後ますます危険と考えています。価格がミドル帯であったとしても中身はハイエンドという製品づくりが重要になりそうです。そして今までより製品にわかりやすくそれをアピールする要素を入れていく必要性を感じています。安易に価格を上げるだけでは既存の有力ブランド比で「買う理由」にはなりません。

Integrated 250のVersion2を新規製品としてリリースすることはこの理由で断念しました。250の開発当時と比較して低価格帯DACは非常に優秀になりましたし、低価格のNcore製品はすでに市場に供給されています。あらゆる意味で現在の市場で中途半端な存在になりました。これはVersion2にしても状況は変わりません。もちろんこれは実際の音質ではなく、印象、見た目、カタログ的な要素のことを指します。もはやIntegratedというコンセプト自体が中途半端ですが、やるならデザイン、存在感、機能性、中身すべてを新しく最高のものにしなければならないでしょう。

今後はより独自性が高い性能や機能、細部のこだわりを様々な意味で感じられるような製品、他とは明らかに違う特別な製品。このような方向性に注力することになりそうです。その上で価格はある程度抑えていく。このバランス感覚が求められそうです。

価格帯は今までよりも上がる可能性が高い状況ではありますが、その分いままでの製品に漂う「中途半端さ」をより排除した製品を作っていくべきと考えています。そのためには自分自身の中にある、これくらいでよい、ここまででよい、等の無意識の心理や弱さをさらに排除していく必要性を感じています。

以上が今年の抱負となります。光ブースター以降の製品は次々と発売されるような簡単な開発に終わる見込みはありませんが、今後ともよろしくお願いいたします。