最近の投稿

AK4499特注DACのVersion2アップデートの進捗

こちらもNU-DDCの発注の合間に作業を進めています。量産はNU-DDCの発売後になりますが、開発自体は少しずつ進めています。

ほぼ確定しているVersion2の改善点は以下のとおりです。DACチップは在庫品のAK4499EQを使うため在庫分のみの生産となってしまいますが、おそらく国内最後の本DACチップの在庫にふさわしい内容となる予定です。

  • 音質評価軸を最新の内容にアップデート、ハイエンドDAC開発で培った技術の大半を実装
  • ジッター対策から低周波位相雑音対策へ価値観をシフト
  • 内部的に10MHzクロックに対応し、オプションで外部クロックにも対応予定
  • 絶対パワーと最大電流を確保する設計から、多角的な精度と安定性へ価値観をシフト
  • THD+N性能を大幅に改善
  • LRチャンネルタイミングエラーの完全解消
  • デジタルマルチチャンネルデバイダーとパラメトリックEQ機能は維持

いまのところ基本的な動作確認と特性測定を行ったところです。音出しと測定結果を見る限りは上記概ね実現できているかなというところです。Version1とはだいぶ出音の方向性は違いますが発売が近づいてきた段階で音については詳細な情報を公開予定です。

アップグレードの価格とプランについて

このアップグレードはDAC基板を完全に入れ替える形となりますので、アップグレードのための定価は相応に高額になってしまう見込みですが、既存のユーザー様へは優遇された価格での提供を考えています。

具体的には従来のDAC基板を回収するプランを用意し、回収枚数に応じた値下げを行うというものです。

例えばですが、アップグレード費用が定価20万円として、DAC基板1枚あたり2万円値下げとした場合、4枚仕様からのアップグレードで、20-(2*4) = 12。なので12万円になります。2枚仕様からですと16万円です。これなら搭載DAC数が多いグレードからのアップグレード費用は大幅に下げることが可能になりますし不平等もありません。

ほとんどの方は4枚オプションなのでそれを見越した価格設定にしたいと思っています。また中古で購入されている方であってもアップグレードは対象になります。

ただし上記は目標価格ですがまだアップグレード価格は未定です。原価とアップグレード希望者数と値下げ幅をすべて考慮したシミュレーションを行い最終価格は決定します。

Marlin DAC初期生産数のご案内と、NU-DDC進捗について

ゆっくりではありますが諸々順調です。本日はタイトルの内容についてご報告です。

まずMarlin DACなのですが初期生産数が今の時点では5台です。すでに予約分が2台ありまして通常在庫3台が現状の予定になっています。発売時に確実に入手したいという予約希望の方がいらっしゃいましたらメールまたはコメントなどでご連絡いただければ予約(先行在庫確保)として対応いたします。

もし事前にご連絡いただいて予約数が5台を超える場合、早めの増産対応が可能です。初期予約分売り切れ以降も引き続き少数からの順次生産となりますが、次のロットが補充されるまでには相応の時間が必要になる見込みで、最悪数ヶ月おまたせする可能性もありますので、早期に確実に入手をご希望の場合は予約のご検討をお願いいたします。

NU-DDCについて

次にNU-DDCですが熱問題、仕様変更、概ね大丈夫でした。大きな仕様変更などはありません。すでに8割方は製品量産段階には入っていましたが、これで基板も含めたすべての進捗が量産段階に入ることになります。

すでに並行で進めておりましたが、ケース関連が最終的に一番時間がかかりそうな状況です(現状で量産向け試作で少し改善点あります)。ケースが仕上がれば組み立て段階になります。

今後も進捗は随時ご報告をいたします。

年末進捗まとめてご報告です

ついに年末になってしまいました。今年は逢瀬としての新製品がなかなかリリースできず長らく会社としては停滞してしまっている状況だと思っています。現状の製品ラインナップをなんとかしたいという思いはあるのですが、高い目標と現実的な課題の両立は難しいので焦らずじっくり取り組んでいます。普通の企業であれば利益が出なければ維持ができないですが逢瀬はそういう体制ではないので特に経営的には問題はありません。

大事なご報告として、年が明ける前に現在取り組んでいる製品進捗について一つずつ現状ご報告いたします。

NU-DDC

  • 熱問題はクリア
  • ケースはすでに量産段階(残された課題あり)
  • 電子部品は在集段階(入手困難品は先行手配済、通常パーツは注文リスト作成中)
  • 想定外の部品枯渇により一部PCB設計変更へ
  • ヘッドフォン祭でのノイズ感の指摘は原因がほぼ判明

簡単にまとめますと以上です。

開発自体は順調ですが予想外の部品が入手不能になってしまいフットプリントの変更が必要になってしまいそうです。ここにきて基板の作り直しはとても望ましくないのですがあと一度だけ試作テストを行う予定です。それが最終量産基板になる見込みです。

もちろん基板をテストしている間に在集やケースの量産は並行で進めます(現在進行系)のでおそらくそこまでリリースが伸びることはないと思います。

あと大事なご報告としてAK4499試作DACとの組み合わせで致命的な不具合が発生するパターンを見つけたのでそれは修正済みです。急いでリリースしていたら突発的なノイズ発生の原因や原因不明の発音不能状態になっていたと思います。これはじっくり検証していてよかったと思うところです。

ヘッドフォン祭の感想でご指摘のあったノイズ感についてですがGNDノイズに原因がありそうです。AC電源系統が複雑だったり機器が多い場合に特に問題になりそうで、HDMI-I2SでAK4499DACとNU-DDCを接続したときややノイズっぽい質感になることがあります。これはDDCとDACの筐体GND間を別途ケーブルで接続することで改善しました。製品内部の設計で改善は不可能なので、やり方は製品リリース時にマニュアルに使いこなしの項目として記載します。

Marlin DAC

遅れております。おおむね順調だったのですがつい先週にSPDIF関連で不具合が見つかって修正中です。おそらくですがこの修正が終わったら量産に向けて本格的に準備がスタートする見込みです。量産自体はこの影響で遅れています。

あくまで現在の見込みではありますが、NU-DDCより少しだけ先に発表ができそうです。

ハイエンドDAC、AK4499DACアップデート関連

NU-DDCを優先しているためこちらは進捗特にありません。ハイエンドDACの設計のための3D-CADソフトウェアまわりを少し見直した程度です。

AK4499DACアップデートは試作基板が届いているのですがNU-DDCを優先しているので実装もまだです。DDCが完全に外注量産段階に入った時点で着手する予定です。

冬のヘッドフォン祭mini2024の出展はしません

以前出展希望があれば検討しますと記載しましたが現時点で希望者が0ですので出展は見送る予定です。以前にもお伝えしたように2024年の春のイベントは出られませんので、2024年の秋まで出展はなくなります。

本件とは別になりますが、こちらで前回のヘッドフォン祭でのレビューが掲載となりました。

https://dime.jp/genre/1689772/3/

イベント当日に評論家の方とお会いしてご挨拶などをしても実際には記事にならないことが多いのですが、今回は無償ですがレビューを書いていただきまして、とても感謝しております。

もう少し製品のラインナップが充実し本格的な展開ができる段階になりましたら、メディア関係の露出アップも検討したいと思っています。

次世代ハイエンドDACの位置づけ、DACチップについて

主にAK4191+AK4499EXを使った次世代ハイエンド製品の話題が中心の記事となります。製品の値段の予定が80万円となっており、今までより大幅に高額なこと、DACチップ旧型化懸念への回答、立ち位置とラインナップ上の意義、これらの考え方についてお伝えしたいと思います。

先にお伝えしておきたいメッセージは次のような内容です。

このDACのターゲットは既存ブランドの代替品や廉価版を望んでいる方ではなく、これから提示する当社の方向性、設計思想、価値観に合致する方です。

すでに趣向に合うハイエンドブランド、理想の音が存在するならそれを頑張って買うことが一番です。既存ハイエンド製品の代わりとなるような製品にはなりません。

市場のハイエンドDACと比較した位置づけと目標について

このDACが担う対象と目標は、次のように考えております。あくまで目標ではありますが明確に意識して目指したいポイントをお伝えします。

  • 既存ハイエンド機器の対抗ではなく「ハイエンド領域に入れる製品」という位置づけ
  • 音の風格、聞いた瞬間の説得力を従来よりも重視する(新しい目標)
  • 既存ハイエンドブランドや既存ハイエンド製品の代わりとなる製品ではない。それらを超えることは目標ではない
  • 絶対的な到達点の高さより当社の考えるバランス感覚や独自性を重視した設計
  • オーディオが高騰化する情勢内で現実的な価格と独自のポジション、全く新しい提案を行う
  • システムへの適合度を調整できる柔軟性をもたせ、予算に制限がある顧客層へ選択肢を提供する

以前は最高峰を目指すと言っていたこともあり、当社のハイエンド製品に何か過剰な期待をされている方もいるかもしれませんので、現在の現実的な目標についてきちんと掲示しなおすことにしました。

現実にできることを直視した結果、以前とは意味合いがだいぶ変わってきています。ですが無謀な夢がより現実的な目標になったと捉えていただければと思います。ここに至るまで七転八倒した基礎音質設計がほぼ完了した段階だからこそお伝えできる内容です。

パフォーマンスの境界に挑戦すること

超高額機器と比較した結論ですが、全てにおいてそれらを超えることは不可能です。

結局のところ、コストや物量に応じて改善する要素をすべて取り込むことはできません。上流対策、ケース物量、クロック精度などが典型ですがこのあたりがもたらす要素をより安く実現するのはやはり無理があります。やればやるほど変わるのがオーディオなので、そこに終わりはないし極限には極限に相応の投資が必要になっていきます。(単に電源や出力だけ強くすれば良いというものではないのは旧AK4499DACが示しました)

しかし今までは原価の安さを強く意識しすぎた結果「安い割にとても良いパーツや設計」というコンセプトになりがちでした。もちろんコストを落としても性能は落とさない努力はやっていましたが、基本設計や部品選定に無意識でかなりの制約を課していました。

なので次世代製品ではこれを改めます。できるだけ安くしますという現状の意識で設計をスタートすると、結果も現状の領域に留まるでしょう。でも実際には追加でやれることがたくさんあります。

例えば目標価格80万円で高くなっても税込み100万以内と位置づけることで従来とは考え方を根本的に変えることができます。そして今回はこれがいちばん大事なことだと考えています。まずは現状の無意識の制約を取り払うことをスタートラインとすること。これが最終的な結果の大きな差になると考えています。

その上でノウハウと技術でできる限界点、収束点を目指すことになります。そういう意味での最高を目指します。ただし概ね税込み100万円以内という限界はありますのでそのクオリティ境界はおそらく超えません。例えば「原価数十万円の部品を精密な多重振動対策機構に乗せてしかも電源別筐体」みたいな設計はできません。でも数万円の部品をひと手間かけて工夫して固定する程度なら可能です。これは従来の価格帯ではできないことです。

前者のような本格的かつ徹底した設計にはかなりの製造費用がかかりますが、その分劣悪な環境でも安定して良い音を出せるでしょう。おそらくこういう積み重ねが真のハイエンドの資質だと思います。なので今回は積み重ねをきっちり行った製品と同等は近づくことはあっても到達は不可能だと考えています。

しかしその代わりに使いこなし次第で限界を伸ばせる程度の機材ポテンシャルをもたせるようにしたいと思っています。外部クロック対応もその一つです。最高のものはのせられませんが外部で用意することは可能です。同様に既知の外乱変動パラメータはほかにも数多くありますが、条件を整えればより高額品とも戦える製品を目指したいです。

ほぼ不在となる100万円台までである程度のバランスが取れた製品を目指す

一般人から見るととても高額な価格帯ですが、いまは既存ハイエンドブランドでは最下位以下の価格帯になりました。それらブランドの最下位モデルは必ず上位モデルから何かが抜かれています。そしてそういうモデルを購入しても上位モデルと比較すれば欠点があります。また上位モデルの存在が意識から抜けることもありません。

逆にこの価格帯をハイエンドモデルに設定しているブランドもあります。一部それらもチェックしていますが、この価格帯では極端に振り切った設計が多く、色々な意味で強味と弱味を両立するコントラストが強い傾向が目立ちます。

当社が目指すのは上記のどちらとも違う、個性的になりすぎずバランスが取れており選びやすい製品です。

  • 特殊な設計や特殊な価値観による一点突破型の徹底追求設計にしないこと
  • 上位モデルの手抜き版でない、ある意味でやりきった製品であること
  • 多少なりともシステム調整余地や細部適合性を高められる要素を取り入れること

要するに、100万円以内の価格帯に選びやすい製品がない、その穴を埋めたいということです。と同時にここにまとめた内容が示すことは「既存ブランドが最適解」と考えるお客様にとっては当社の次世代製品が代替にも選択肢にもならないだろうということです。

DACチップの世代更新の懸念について

既存のDACチップを採用することと発売が遅れていることが理由で、DACチップの型落ちを懸念する方がいますので、当社の現在の考え方をまとめておきます。

1.最高スペックのDACチップが更新される可能性は低いと予想

もちろん100%ではないのですが根拠がいくつかあります。

  1. AK4499EXとES9039proの実測値は業界標準の測定器であるAudio precisionの限界性能付近のため、測定器が先に更新されない限りブレイクスルー的な上位チップの測定や発表はできない
  2. AK4499EXとES9039の実測性能はデータシートより高く現状の測定限界以上のため、APの次世代機でもその限界付近の結果を提示できる可能性が残されている。その場合AP測定器が更新されたとしても半導体メーカーにはDACチップを更新する意義がない
  3. 現在のスペックはDACチップ以外の物理的限界にも近く、現状より大幅に上回るスペックを実現する場合は多方面の改善が必要なこと。クロック、オペアンプ、抵抗精度、電源性能、排熱設計。これらの向上が同時に要求される境界付近なので、DACチップ単体では解決できない

ハイエンドオーディオでは測定値が全てではないしそれ以外の音の要因がたくさんあることが常識ですが、半導体メーカーは測定値を基準にラインナップ展開しています。ラインナップの順位がスペックで決まるなら、測定限界の明らかな更新ができない限り上位チップは出せないと予想します。

ESSはすでに多機能化や小型化に注力していますので今後の展開がなかなか読めませんが、AKMは工場火災以降にラインナップが縮小していますので上位のDACよりも、チップ分離アーキテクチャーに不在のADCやマルチチャンネルや廉価版を含めたラインナップ拡充に当面は専念するのではと予想しています。

2.AP測定器が順調に世代更新され、DACチップの最高スペックが刷新されてしまった場合

念のためこのケースについてもお答えしておきます。

今までは新しいチップが出てくるとそれを試して製品の世代も更新してきましたが、今後はそれは簡単にはできません。理由は最近の再設計のための時間と労力が以前とは比較にならないほど増えているためです。

AK4499EQ世代ではほぼ最速のタイミングで製品を作りましたが、急いでも良いものはできないということがよくわかりました。前回急いで色々な細かい失敗をしてしまったので今後は同じ失敗はしないつもりです。

もちろんそこそこの音を出せて測定値もそれなりに良い程度の製品ならできます。しかしそういう開発コンセプトは中華ブランドがやっていますので彼らに任せておけば良いと思っています。

最新チップと最高スペックが気になって仕方なく、それを安く欲しいだけの人は中華ブランドを検討することを推奨します。

当社は彼らと同じ目線、同じ価値観、同じ立ち位置ではありません。世代更新は中華ブランドや半導体メーカーにとってはスペックの向上が焦点でしょうが、当社はそれらとあまり関係がない目標を掲げており不要なスペック追求はやりません。

現在最終的に決定しているIV回路もTHD+N的な数値は最優秀ではなく今となっては平凡なスペックです。ですがハイエンド機に見られる特有の傾向に近づけられるように測定分析をして設計をしています。そしてこの最適化は瞬間最高のTHD+N性能の追求よりも時間がかかります。

今は時間をかけた熟成と最適化、あとは物理的な余裕の確保、これらが何よりも重要だと考えています。新しい素材を急いで調理して微妙な調整加減で出すことしません(中華高特性製品でありがちな要素)。

具体的な事例を出します。

  • 現在市場で最高の評価を得ているハイエンドDAC製品群は、測定性能だけなら中華ブランドより総じて劣っている
  • 高評価ハイエンドDAC製品のなかには測定値がかなり悪いグループに入るモデルがある
  • しかし一線を越える使い手からの音質評価では、最高スペックの中華ブランドが上記製品群より良かったという事例は見ない
  • そしてこれらの理由、相関性をしっかり説明できている事例もない

ですが当社の研究だと従来の理由以外に、いくつかの測定的な根拠を見出しています。その詳細はここでは語れませんが、現行のAK4499EX試作ではその条件を満たすように設計しています。

そして経験豊富な方はよくわかっていると思いますが、新しいかどうかより使いこなしと最後の調整が遥かに重要です。

オーディオシステムで例えます。新製品が出るたびに常に買い替えを続けているシステムと、調整に調整を重ねた熟成したシステムの音の差と同じだと思います。巨大な飛躍があれば買い替えが有効なこともありますが、少しの差なら調整を重ねたシステムのほうが音的な説得力は高いでしょう。

当社は今後のDACチップでの巨大な飛躍は現実的でないと考えているため、多少の世代更新程度であれば基本的物量や最適化や微調整がより大事になると考えています。

音楽は理論だけではない、オーディオ趣味にもその領分はある

音楽の成り立ちと同じく、理論的な優劣は設計がまともかどうかを判断する要素であって全てではありません。音楽では意図してセオリーに反した表現が人の心を打つこともありますし、非常識さが強く記憶に残ることもあります。

音楽がそういう性質なのでオーディオにもそういう側面が存在しうるはずです。もちろんオーディオが音楽を勝手に支配してはならないと思っていますが、同時にすべてが測定値やスペックで決まるわけでもないです。

オーディオは音楽ありきですが再生の領域にはオーディオの領分があり、それを肯定する人たちがオーディオを趣味にしています。ですから100%客観主義で趣味の領分まで否定することはオーディオ趣味の否定につながります。オーディオに過剰な測定至上主義を持ち込む問題はまさにこの部分にあると思います。

結局のところ測定は大枠の基準がまともかどうかの判断には使えますが、それだけで強く人の共感を得る製品になるかわかるかというと、それはオーディオ趣味においては違うと思います。(それが真ならば中華高特性製品が市場をすべて飲み込んだはず)

そこには調整にかけた作り手のこだわり、一つ一つの選択肢と細かい積み重ねと微調整が結果として人間的なメッセージ性を持ち、それが物理的には僅かな違いでありながらオーディオ趣味においては重要な価値ある違いになっていくと考えます。

こう考えると「DACチップの世代が新しくなると素晴らしい製品が出る」という思想は、理論はともかくオーディオでは簡単に成立しないとわかるはずです。

今後はチップスペックの向上も上記にあげた要因で難しくなるはずなので、特性での差別化に行き詰まったあとは(この趣味の範疇では)むしろ人による調整の重要性は高まっていくと予想しています。

ヘッドフォン祭2023秋 お礼と各種情報まとめ

当日ご試聴いただいたみなさまに感謝いたします

当日来ていただいた方へ、ありがとうございました。

今回製品ラインナップや開発計画を検討するに当たって皆様から試聴後の感想を積極的にお伺いいたしましたが、半分無理やり意見を聞くような形になってしまったかもしれず一部の方にはやや抵抗感があったかもしれません。この点はすみませんでした。

ですが基本的に全員のご意見全てが大変ありがたいもので、前向きでも批判的であっても(全てにはお答えできませんが)今後に活かしていきたいと考えております。おかげさまで現状と今後について多くの情報を得ることができました。

今回はその成果ともいえるイベント中に得られたご意見や、それを受けて一部の方に直接お伝えした今後の見通し、製品の展望、このあたりについてまとめてレポートしたいと思います。

また事前予想と異なり大分待機が発生してしまいました。沢山の魅力的な出展スペースがあるなか長らくお待ちいただいた上でご試聴ご意見を頂いたことに感謝いたします。

当日案内した内容やフィードバック総まとめ

当日の大まかな概要です。これ以降は非常に長い記事となりますので、お忙しい方はこちらのみお読みいただければ全体の雰囲気を把握できます。

  • 9割が好印象寄りで明らかに良くないという意見はほとんどありませんでした(お世辞もあると思います)
  • DACの支持率はMarlin:AK4499EX試作で約3:6で4499EX側が高い支持率でした。残り1割は違いがわからない、同等という意見
  • DAC比較の感想内訳は、指摘or好感触点ともに内容の個人差が大きく、優劣について共通意見が少ないです(実質は同等で趣向や聞き方に依存と理解)
  • ボリュームの6dB単位の調整、減衰能力の不足はかなりの方から難色を示されましたので次回以降は設備を更新します
  • ヘッドフォンアンプは駆動力、余力について、具体的な改善指摘が数件ありました
  • Roon対応について具体的かつ強い希望を数件いただきました
  • DDCの比較がしたいという意見がありましたが、当日は比較環境を用意できませんでした
  • ややノイズっぽいという指摘が数件ありました。残念ながら現地での試聴時間をほとんど確保でておらず詳細を把握できていません
  • 上記のうち厳しい意見を伝えた方のリファレンスや比較対象は概ね単体数百万円オーバーの製品群でした

以上がご感想、続いてフィードバックを踏まえた今後の製品の展望についてまとめます。

  • NU-DDCは熱設計対策中で対策完了次第量産移行です。2023Q2発売目標、価格は20万円以内を予定
  • Marlin DACは仕様確定しており、2023Q1発売予定で変更ありません。価格は50万円前後予定
  • AK4499EX-DACは2024秋のまつりで最終候補品(詳細後述)を出展予定です。発売は未定、価格は80万円前後を予定
  • ヘッドフォンアンプは予定はすべて未定ですが開発は継続、最終価格は20万円台あくまで希望であり目安ではありません

続いて各展示品の今後のことについて詳細をまとめていきます。これ以降は非常に長文となりますので、移動中など時間があるときにお読みいただければと思います。

試作ヘッドフォンアンプについて

ヘッドフォンアンプですが、現時点では初期試作もいいところで製品化の前の実験テスト段階なので内容や仕様について今の時点でお答えできることはあまり多くありません。

そもそも要望がなければ製品化も検討しないと思っていたくらいでした。ですが反響やご意見を聞いている限り少量であれば製品化も現実的だと思いましたのでこちらは前向きに開発を継続してみます。

仕様はまだ未定ですがXLR3pin、XLR4pin、可能性として4.4mmコネクタ、このあたりもバランス出力に特化した設計になると思います。アンバランス系列の出力コネクタはアンプの機能(フルバランスディスクリート構成)と互換性がなく変換を入れたり専用アンプを別に用意すると製品として中途半端になるためご希望いただいても搭載自体しない可能性が高いです。

価格は20万円台にしたいとお伝えしていますが、目標や希望であって仕様や制約ではないことに注意してください。今の時点ではほとんどのことが決まっていないので、全てはこれからです。熱対策や出力確保で予想以上に規模が大きくなればある程度原価が上がり値段が上がることは十分ありえます。

音的にはやはり駆動面が要改良です。具体的な指摘があったのはこの駆動力や最大出力についてで、これは数人が弱いという共通意見がありました。これはこちらでも認識している内容なので改良します。むしろこちらの課題認識と同じ内容の指摘が中心だったので安心しました。単純な物量起因の音質パラメータは改善が容易であり、現状の個体の基本的音質傾向は大きく調整や変更する必要がないためです。

心配していた音の方向性や他の音質的パラメータについて、明らかにアンプ起因と思われる具体的指摘はありませんでしたので、今後は基本駆動力向上、最大出力の向上、その上での小型化、熱対策などを総合的に行って次の展示に備えたいと思います。

ボリュームレスヘッドフォンアンプの取材の話

上記製品とは別のお話です。今回ボリュームレスヘッドフォンアンプというカテゴリに予想以上の反響があって驚きました。

こちらはあまりリサーチもしていなくて偶然だったのですが、たまたま業界的な注目が集まっているカテゴリだったようです。数人の方からボリュームレスアンプというだけで注目しているとご意見をいただきました。

特に注目度が高いと感じた理由ですが、今回は一切宣伝費を払ってないうちにも評論家の方が来られまして、終始このヘッドフォンアンプに焦点を当てた取材がありました。他にも同じ理由で元有名Bloggerの方も来られていました。なのでメディアでも少しだけ紹介があるかもしれません。

なお評論家さんによると今回のヘッドフォンまつりでは同コンセプトの製品が3社から展示されているらしく、現状ではまだ非常に少ない展示数ながらも期待や注目のあるカテゴリらしいです。そのおかげで超マイナーかつ宣伝も飾り付けも何もしていない当社ブースへ、注目カテゴリを扱っているという理由だけでわざわざ来ていただけたとのことです。

当社としては元々据え置きメインでしたのでセパレートは特別な構成でもなくむしろ一般的ですし、ボリュームレスヘッドフォンアンプはそんなに特別なカテゴリだとは考えていません。

実際3-4年前の展示時点で純パワーアンプ+ヘッドフォンアダプタにて完全セパレート展示していましたし、以前のほうが特殊で面白い構成だったと思いますが、前回展示のときは特別な取材もなく大した注目はありませんでした。時代が変わり今は同様のカテゴリに注目が集まっているようでその理由や市場動向の変化はとても興味深いです。

NU-DDCについて

諸々開発検証が遅れていてすみません。現在熱対策の再設計を行っており、熱対策が完了次第量産段階になります。以前の開発基板はあまりにも小型化を狙いすぎて、常時通電時やより高めの電圧を供給した場合には長期的信頼性に問題がありそうな熱量だったので現在再設計段階です。

なお今回展示していたケースサイズと最終版はそのまま同じサイズを予定していますが上下に穴が開く予定です。あとは基板の構成を全面的に見直したため以前公開した背面レイアウトから変更となってしまいますが端子類の構成や機能は同じで変更はありません。

ドライバの対応についても同様でまずは通常版(標準ドライバのみサポート)を発売し、あとから専用ドライバを検討する流れになります。

重要なRoon対応ですがNU-DDCでの対応は今のところかなり見込み薄です。Wiimと互換があるハードウェアなのですがRoonは別途対応機能が必要だと思われますが、これはファームウェアレベルでの更新になるので、当社がファームを直接アップデートや開発が一切できない立場なのでおそらく何もできません。

NU-DDCでのRoon対応への過剰な期待が発生しないようにはっきりと今は不可能な見込みと回答しておきます。

数人の方からRoon対応の熱望を頂いているのですが実現ができるとしたらAK4191+AK4499EXのハイエンドDACの方になりそうです。NU-DDCとこのハイエンドDACの棲み分けや選び方についてはDACの項目で後述します。

参考までに最近NU-DDCについてコメント欄で色々と質問を頂いており詳細な回答をしていますのでそちらも確認されるとより多くの情報を得られると思います。

ヘッドフォン祭2023秋 当日のご案内について

Marlin DACについて

試聴の結果として一部の方から熱烈な支持をいただきました。

この製品は私を含めた開発者二人と現役のマスタリングエンジニア様の協力で最終的な音質調整を行っており、また機能面もエンジニア視点で必要と思われる最低限の非常にシンプルなDACとなっています。

音の傾向としては現代的なPopsやEDMとの親和性が高く、またモニターとしての音楽的な見通しや判断のしやすさについても同様です。頂いたご感想も概ねこの方向性に近い、全く違うご意見は多くなかった印象です。またもう一つの特徴としてMarlin DACを強く支持する方は概ね方向性があっている、音質ポリシーがジャンル問わずはっきりしている方が中心のような印象でした。

発売も近いですしAK4191+AK4499EXのDACよりも高額とはいえ多少廉価になりますので、現在DACを検討中でこちらが気に入った場合は「DACとしては選びやすい製品」だと考えています。

一点懸念があるとしたら外部ボリュームまたはプリアンプの必要性です。オーディオ用で購入される場合には下記要件にあう機材が必須となります。現在お気に入りのプリアンプなどがある場合は良いのですが、デジタルボリュームなどで運用されている場合は新規導入が必要です。

Marlin DACと接続するプリアンプまたはアッテネータの選択で難しいのは最大ゲイン+20dBuの対応が必須な点です。例えばですが当社ショップで扱いのあるHypex DIY preampは+20dBuを受けられません。+20dBuは一般的なコンシューマDA出力よりもだいぶ大きいので受けられる機材が限られてきます。

この点を予めご理解頂いた上でご検討いただければと思います。

トランスアッテネータとボリューム問題について

参考までに今回試聴用に設置したトランスアッテネータはヤフオク出品のもので、福岡の出品者がよく出品しているものを購入しました。トランス自体は2-3dB単位の調整ですがこちらの実装の問題で当日は6dBになっていました。

最小2-3dB調整でも問題なく、なおかつ自作スキルがあり該当品の出品があれば同トランスは特性の問題がなく音も良く推奨できます。ただバランス仕様のものはしばらく出品されておらず現時点では購入が不可能です。

それ以外の市販完成品のトランスアッテネータでバランス対応の製品は特性やレベルに問題がないか未確認で不明です。おそらくですが良いものは決して安くないと思います。

トランスアッテネータは音の劣化も少ないのですがDAC比較において致命的な問題になりやすい出力アンプ駆動特性の影響(何らかの個性や方向性が出やすい)がありません。なのでDAC比較用として適正が高いので6dB刻みや減衰不足など機能的な問題を抱えつつ音質至上主義で今回セレクトしました。

トランスアッテネータの次に推奨できるのは低抵抗のリレー切り替え式です。

これも市販で上記定格レベルを満たしてなおかつ音が良い製品となるとほとんどなさそうで非常に難しいです。今回予備機で設置したTopping A70proはリレー切り替え式で+20dBuでも大丈夫でしたが音質はハイ上がり気味でまだまだ十分とは言えません。ボリューム本体は良いクオリティと思うのですが結局出力アンプの性能だと思います。

このように安く手軽にとなかなかならない点が難しいところです。

本当はHypex DIY preampが+20dBu受けられればボリュームもアンプも癖が控えめでクオリティも高くコンデンサ増量さえすればかなり余裕のある音も出るので第一候補にあがるのですが試したところ音割れが発生しましたので、Marlin DACとの組み合わせ推奨モデルから外れてしまいました。

実はこのお話、ボリューム一体型ヘッドフォンアンプの問題とも関係しそうです。たまたま最近になって多くの方がボリューム問題に気づいてそれぞれ役割を特化するセパレート化、ボリュームレスに注目が集まったのかもしれません。

AK4191+AK4499EX DACについて

注意:アナログボリュームは入れる場合はリレー切替式でありトランスアッテネータは内蔵しません

今回の出展品はハイエンドDAC構想のうちDAC心臓部を抜き出したものになります。音質的に問題なければ現在の構成をほぼそのままハイエンドDACの心臓部に搭載し、最終製品では様々な付加価値的機能を載せていく見込みです。

幸いなことに音質的な評価は従来の延長線で評判も良かったので展示物と同じ方向で行きます。Marlin DACより好みという方も多く安心しました。懸念していたのはMarlin DAC比でこちらの支持が少なく音質設計の大幅なやり直しになってしまう結果でした。しかし今回の反響を見る限り心配は不要でした。むしろ現状維持でMarlin DACとは個性の違うラインナップとするほうがより面白い展開になりそうなのでこのまま進めます。

この製品の更新の次の発表は来年の秋ヘッドフォンまつりを予定しています。そこで最終仕様候補を展示予定です。だいぶ時間がかかりますが、その前にNU-DDCや旧AK4499DACのアップグレードもありますので一人で開発をやっている関係上おそらくそれくらいの時期になってしまうと思います。そのタイミングで再度評価をいただければと思います。

最終的なハイエンドDACと今回の展示物の違いは色々ありますが次のとおりです。

  • ケースデザインの世代更新 厚みや物量のアップ(次世代共通プラットフォーム)
  • 画面インターフェースやレイアウトの一新、操作の一新(次世代共通プラットフォーム)
  • よりマニアックな内部設定や音質オプションをアナログ・デジタル両面から搭載しいつでも変更可能に
  • 2つのアナログ出力、DACダイレクト、プリアンプ出力を分離
  • DACダイレクトは限りなくロスなく最小限の回路構成、固定またはデジタルボリューム出力のみ対応
  • プリアンプ出力は内部リレー式アナログボリュームや出力駆動調整が可能で多様なシステムへの最適化を可能にします
  • Roon対応の検討、対応の場合Roon用とネットワークオーディオ用の2つのLAN入力
  • 従来のSPDIF系、USB、HDMI-I2S入力なども搭載
  • NU-DDCより高精度な内蔵クロック(今回の展示品も同様)
  • 外部10Mクロックも対応

今の時点では上記のとおりです。おそらく同様の基板設計であってもケースなどが変更になれば相応の音質的な変化があります。これにより今より安定感と余裕のある音になると予想しています。

これらを盛り込むために今までの製品より価格は上昇する見込みです。今のところ80万円前後を予定しています。なお価格上昇の理由は物量型高額製品の方法論の一部を取り入れるからであって、世間のインフレとはあまり関係がありません。

次回ヘッドフォンまつり2024冬miniについて

お客様の一部から指摘があったのでこちらについて追記します。

開場で来年に発表があると一部の方にお答えしたのですが、これはMarlin DACの正式発売の告知がおそらくあるという意味で、上記イベントへの出展を意味しておりませんでした。ですが上記イベントへ出展確定していると勘違いがあったようです。現状はまだ未定だと明確に回答しておきます。

しかしながら今回のイベントで、確認できなかった内容がある、予定が合わなくて行けなかった、並んでいて試聴断念してしまったなど、冬のイベント再出展への期待値が高い場合は出展検討しますので、ご意見があれば直接コメントなどでお寄せください。

https://www.fujiya-avic.co.jp/shop/pg/1a-evschedule/

開場やスケジュールはこちらに掲載あります。

2月なので全く新しい展示物が用意できるとは限りませんが、今回と同じ展示物品でも展示方法やシステム構成を大幅に変えることは可能ですのでそういう方向性のご提案なら対応が可能です。ほかにも具体的な出展内容要望は可能な範囲で対応します。

すみませんが春のイベント(2024.04.27)は私が花粉症のため出展は予定していません。なので実質冬以降だと最短でも夏か秋のイベントになります。以上を踏まえてご検討お願いいたします。

ヘッドフォン祭2023秋 当日のご案内について

現地より更新しています。トランスアッテネータのトラブルで朝一はプリアンプがtoppingです。お昼前には治る予定です。hypexプリアンプもあるのですか、marlin 側がレベルオーバーするためtoppingです。

ただいま復旧しました。予定通りの運用です。 10時56分

 

最終的な出展の構成が固まりましたので当日のご案内をします。

当日の注意点

主催側より列を作ることが明示的に禁止になっているため、目安ですがテーブル前に5人程度以上の待機が発生した場合にはテーブル付近で待機をせずに、改めて別のタイミングでの試聴をお願いすることになります。とはいえご安心頂きたいのは従来の実績であれば列などまず発生しません。

しかし現在のヘッドフォン祭の規模や集客数が読めないため、列発生リスク回避のため広告や告知をHP以外では一切やりませんでした。当日のブースの飾りつけも一切なしにしますので当日はテーブル周辺の見た目はかなり質素になる予定です。これにより「よくわからないメーカーだけど試聴してみよう」という方の率はかなり少なくなるはずです。

こちらとしては本気でじっくり試聴したい方向けの環境づくりが望ましいです。

スペースの説明

席の構成は上記のようになります。順番待ちは1番で行い、2番に空きが出たら移動して試聴いただくという流れです。2番が空いている場合は最初から2番に座っていただいて大丈夫です。

各システムは次のようになります。

1番 待機用システム 兼 予備機材

  • ノートPC ネットワークトラポ、Spotify再生
  • Matrix – X-SPDIF2 USB-DDC
  • SMSL – DO300EX DAC(AK4191+AK4499EX)
  • Topping – A70pro または Hypex – DIY preamplifier ボリューム兼ヘッドフォンアンプ

2番 試聴用システム

  • 操作用タブレット+Wiim pro ネットワークトラポ、Amazon Music HD再生
  • 逢瀬 – NU-DDC+10MHz OCXO リクロック兼デジタル分配
  • Mariana Blue Sound – Marlin DAC
  • 逢瀬 – AK4191+AK4499EX 試作DAC
  • トランスアッテネータ DAC切替とボリューム
  • 逢瀬 – 試作ボリュームレスヘッドフォンアンプ(4pin XLRのみ対応)

注意点

1番は待機用の席になります。1番用の専用ヘッドフォンは用意しておりませんので2番席が空いていない限りヘッドフォン未持参での試聴はできません。当日2番システムにトラブルが発生しなかった場合、1番は単独のシステムとして音を出せるようにします。ですがあくまで予備機材です。2番システムに当日トラブルが発生した場合は1番のコンポーネントを2番に入れ、1番は音の出ない待機席となる予定です。

2番試聴システムはトラブルがない限りAmazon Music HDで行います。この場合はUSBメモリやCDプレイヤーは今回ありませんのでCD持参での試聴ができませんのでご注意ください。事前にタブレットからAmazon Music標準アプリ経由でWiim pro経由のUltra HD再生が可能なことを確認しています。

以前コメントでご要望いただいておりますがスマホからのUSB再生は動作未確認です。列が混んでいない状態であればNU-DDCのUSB-DDC機能からの再生試行の対応は可能です。ただし接続用ケーブルはこちらには用意がありませんので別途ご用意をお願いいたします(標準USB-Bコネクタです)。

スマホ・タブレットからの再生はWifi+UPnPでの再生対応も検討しましたが、同じ会場で複数の方が同時に接続する可能性がありますのでセキュリティトラブル回避を最優先に考えましてWifi経由での対応は行わないことにします。

ヘッドフォン祭2023秋の出展お知らせ

久しぶりの出展となります。長らくコロナの自粛でイベントも縮小、入場制限がかかっていたため出展は見合わせておりました。そのため今回は3-4年ぶりの出展となります。その間に多くの試作品や新製品を制作しておりますが多くの方にそれらを聞いていただくタイミングはありませんでした。なので今回はここ数年の集大成と言えるような出展にしたいと考えております。

残念ながら相変わらず入場制限があるようなので、もしご興味がある方は以下のリンク先のフジヤエービックさまのページより事前の申し込みをお願いいたします。

イベントのご案内

https://www.fujiya-avic.co.jp/shop/pg/1headphonefes-2023at/

配置は5Fの501Aルーム、黄色で囲まれたスペースです。

出展内容について

厳密な比較や試聴を希望される方は4ピンバランスXLRに接続可能なお持ちのリファレンスヘッドフォンを持参ください。こちらで用意ができるのはFinal D8000のみになりそうなので現行の最高クラスのヘッドフォンと比較して十分とは言えません。アンバランス接続には対応しませんのでご注意ください。

今回は机のスペースが以前より小さいためフルシステムは1名ずつの試聴になる見込みです。システムは次のような構成を予定しておりDACの聴き比べを可能にします。

  • ネットワークトランスポート:Wiim pro(Amazon HD) または WATERFALL NU-DDC(Qubuz正式スタートの場合)
  • DDC:WATERFALL NU-DDC(Wiim proのSPDIFをクリーンナップ)+高精度OCXO使用10Mマスタークロック
  • DAC:試作AK4191+AK4499EX DAC、Mariana Blue Sound製 Marlin DAC(業務用DAC)
  • トランスアッテネータ:6dB単位のゲイン調整+DAC系統切替用途
  • ヘッドフォンアンプ:ボリュームレス フルバランス仕様 試作品 4ピンバランスXLR接続のみ対応
  • 当日の比較用途やトラブル対策予備機として、Topping A70proとSMSL DO300EXも用意しておきます。

以上です。

このうち赤字は正式名称の製品候補としての出展で細かい変更は可能性ありますが基本仕様は出来上がっている製品です。緑字は試作段階の品でありこれらは大幅な変更の可能性がまだなだ高い状態です。

Mariana Blue Soundと Marlin DACについて

Mariana Blue SoundはFPGAエキスパートかつ回路基板設計エンジニアでもあるterashima氏による新興ブランドです。その第一作となるのがMarlin DACです。販売やサポートは逢瀬で行いますが、開発や製造はMariana Blue Soundが行います。

今回発表となりますMarlin DACは逢瀬とMariana Blue Soundの共同開発品です。もともとは逢瀬の旧ハイエンドDAC候補製品プロトタイプでした。この初期プロトタイプでは回路基板設計を逢瀬が担当しFPGAの開発をMariana Blue Soundが担当しておりましたが、現行品は回路基板筐体設計もFPGA設計もすべてがMariana Blue Soundによるものです。

プロトタイプからは大幅に改良を重ねられており現在はかなりのレベルの音質的クオリティとなっております。

Marlin DACの特筆すべき特徴は次のとおりです。

  • ハーフディスクリートによる高速16bit Multi Bit Delta Sigma DAC(完全モノラルバランス構成)
  • 現行のDelta Sigma DACと違う音質アプローチ。bit拡張による帯域外ノイズの大幅な抑制と素直な周波数特性の両立
  • FPGAによる高精度オーバーサンプリングフィルターによりMHz単位領域までAK4191を超える性能を実現
  • 独自方式により入力周波数へ完全同期かつ強力なジッター除去機能をFPGAで実現

機能、仕様面は次のとおりです。

  • 受け側機器の許容信号レベルに合わせ+20dBuと+24dBu出力を選択可能
  • SDIF-3インターフェースに対応。独自拡張によりDSD信号も11.2MHzまで受信可能
  • 0dBFS時LR誤差を0.1dB未満の厳密なレベルマッチング(出荷時内部デジタル補正、有償キャリブレーション対応予定)
  • SPDIF同軸、AES、オプティカル入力に対応
  • 2Uラックマウント仕様
  • THD+Nは90dB前後、SNRは115dB前後

予定販売価格は50万円前後ですが今後量産に当たって変更となる可能性があり目安としてお願いいたします。発売時期は来年初頭を目指しておりますが、こちらもまだ確定ではありません。

音質的にはAK4191+AK4499EXの逢瀬ハイエンドDACを脅かすほどですが、実際のクオリティについてはイベント当日に直接比較できますのでそこでご確認いただければと思います。

このアーキテクチャを逢瀬でハイエンドDACとして採用しなかった理由は一点のみでデジタルボリューム使用時の音質劣化問題です。R2Rに近い特性になっていますのでデジタルボリュームで絞ると精度が悪化してしまう問題があります。そのためコンシューマ用ハイエンドDACとしてのデジタルボリューム使用の柔軟性や運用面は確保できません。

そのためこのDACは業務用として機能や仕様を特化して発売する流れになりました。

Marlin DACは高性能のアナログボリュームとの組み合わせでは相当な実力がありますので今回のイベントでもトランスアッテネータを用意し試聴していただけます。もしMarlin DACと比較して現状のAK4191+AK4499EX DACに優位性がない場合、当社のハイエンドDACは一旦延期しさらなるクオリティの向上のためにお時間をいただきたいと思います。今回のイベントはそのデータを取るために使いたいと考えております。

試作品ヘッドフォンアンプについて

こちらもご興味を持たれている方がいると思いますが、残念ながら内容の詳細についてはまだ公開はできません。今回はテスト中のアンプモジュールの初のオープン評価の機会となり、評価や印象次第で製品化を検討する段階です。

現状はA級フルディスクリートフルバランス駆動のアンプになっています。現状では許容電力や電圧を低く小型低発熱に抑えておりますが、製品化となりましたら現状よりも全体的にスペックアップの予定です。ですのでフルスペック品というよりポテンシャルを見極めていただくための参考展示となります。

こちらは皆様の意見次第で製品になるかどうか検討を行いますので、ぜひ試聴いただきまして率直なご意見をいただければと思います。

近況報告(NU-DDC、AK4499DAC、業務用DAC)

項目ごとに記載します。

NU-DDCについて

発売延期の最大の懸念だったネットワークの音切れ問題が解決できる可能性が出てきました。現在ネットワークモジュールのメーカーと最新ファームウェアの検証を行っていますが、今まで音切れが必ず発生していた環境でもようやく音切れが発生しなくなりました。(以前の5月の新ファームでは問題は解決出来ていませんでした)

この問題が解決するまではNU-DDCは製品としてリリースは不可能と考えていましたが、ようやく解決の出口が見えました。近いうちに製品の量産設計を再開いたします。

AK4499特注DACのアップグレードについて

ここ数ヶ月でDAC基板の調子が悪いという故障報告が数件入っています。ヒアリングすると故障が発生している環境では常時電源を入れた状態、またはそれに近い形で運用されている事が多いようです。

内容はいずれも同じような症状です(出力レベルの低いchが出る等)。おそらくですが元々発熱が大きめの機材であること、発売からある程度の年数が経過していること、部品点数が多いため故障箇所自体が多いこと、これらの理由により故障率が少しずつ高くなってきている状況と考えています。

今はまだ修理や交換対応は余裕がありますが、今後に備えましてこの製品のアップグレードの優先順位を一旦高めることにします。当面はNU-DDCとは並行して進めます。

業務用DACについて

かなり前にハイエンドDAC向けとして開発を進めていた半ディスクリートDACです。この製品の簡単な構想のみ数年以上前に少しだけ紹介をさせていただいたかもしれません。これを発表できるタイミングが近づいてきています。場合によっては秋のヘッドフォンまつりで披露できるかもしれません。

一部の方はご心配かもしれませんのがご安心ください。この製品は逢瀬、WATERFALLブランドではありません。途中以降の開発は当社ではなく別のところで行っています。また設計の信頼性やポリシーは当社とは違う基準です。

この製品の基本構想や基本設計は当方のアイデアで、音質についても当方のノウハウが最大限投入されています。詳細はまだ公表できる段階ではありませんが、発表ができる段階になりましたら追加情報を公開いたします。チャンネルディレイやゲイン誤差についても問題ないことは詳細発表後に公開します。

Nilai500 mono kit 出荷いたしました

2023/07/18 追記

先程集荷が終わりましたので、ご注文分は全数出荷完了しました。

今回の出荷梱包について補足事項です。一部手持ちの箱や引っ越しに使用した箱を流用させていただいております。Hypexからの箱も本来4台を2台に削っていますので、最適なサイズよりだいぶ大きいサイズとなってしまっています。緩衝のため様々な紙やプラスチック類が余計に同梱となっておりまして、処分にお手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。

また余剰在庫の販売をお待ちの方への案内となりますが、今回出荷分に万が一不良品や不足品があった場合にそのサポートを行う必要がありますので、今月いっぱいはそれらの事案がないか確認をしてから販売を行います。その場合はですが最大3セットの在庫補充、補充時期は8月からとなる見込みです。

完売後は再度リクエストが集まった場合にのみHypex社へ再度注文を行うことが可能です。もしご希望があればコメント欄メールなどで再販希望とお伝え下さい。再販希望が5名以上集まれば再度発注を行います。その場合以前と同じ価格ではなく、現在の為替に合わせて変動となりますのでその点はご了承ください。

以上よろしくお願いいたします。

初稿

大変お待たせいたしました。本日大半のご注文分を出荷いたしました。運送会社の都合にてすべてを一度に出荷が対応できなかったため一部は明日の出荷となります。

またフォーラムの方には組み立てのコツをまとめたページを作成しておきましたので、公式マニュアルと合わせて御覧ください。

公式組み立てマニュアルはこちらです

Nilai500DIY Mono-kit Assembly_R2