デジタル分配器 ACアダプター付属
2022年4月発売予定 / 定価35,200円(税込)

製品仕様

  • 同軸RCA入力1
  • 同軸RCA出力1
  • 光角型入力1
  • 光角型出力2
  • DC入力 5-9V推奨、上限12V

対応レート保証は96kHzまでとします。96kが認識ができないケースは一度も発生していません。特に環境やDACの相性問題により192kHz再生は不安定になりやすいです。176kHzは概ね安定ですが、ループバックの組み合わせや接続順によって不安定になるケースがあるため、多くの製品で動作保証をすることは難しいと判断しました。予めご注意をお願いいたします。

付属アダプタ詳細

出力電圧:5V
出力電流:2A
出力コネクタ内径:Φ2.1
出力コネクタ外径:Φ5.5

製品の特徴

本製品はSPDIFの光と同軸を相互に独立して変換&分配しつつ音質の劣化を防ぐまたは一部領域での向上を狙うものです。

同軸から光は2系統の分配、光から同軸は1系統のみとなっています。それぞれを別の機器と接続し変換することも可能ですし、一台でループバックを行い2種類のフォーマットを同時に変換(同軸入力>光ループバック>同軸出力、光入力>同軸ループバック>光出力)することも可能です。本機の入力と出力は一般的な光に対して回路上の工夫で高速受信を行い信号の劣化を抑えます。送信も同様に駆動特性や電源に注意を払った設計になっています。特に同軸出力はほとんどの機器より高性能に仕上がっているはずです。

単なるフォーマット変換ではなくSPDIFの音質改善を狙います。一般的にSPDIFの光は音質的に不利と言われますが、本機はその一般論とは少し違うアプローチの製品です。むしろ光独特の特性を活かしシステムのノイズ伝送を防ぎます。

光は良くも悪くも速度が遅いかわりに電気的な高帯域ノイズを伝送しないという特徴があります。同軸接続ではパルストランスの絶縁を行いますが高周波ノイズは伝達します。この点では光のほうが優位性があります。また光は速度が遅いことも超広帯域の視点で見たときジッター性能で優位性があると予想しており(こちらでは測定限界外のため)、音質が改善する理由は光は高帯域ノイズに鈍感で事実上理想ローパスフィルターのように動作しているのではないかと考えています。

ですがこれだけでは説明が難しい事例があります。それは一般的なオーディオ機器では光は音が悪いとされているからです。ただしこの理由は大半の機器の光送受信回路は貧弱かつ簡易的な実装となっており音質面には何ら配慮していないからです。

それに対して本機は光の受信と送信を理想化するために複数の工夫を施し伝送上で余計なジッターやノイズを付与しない、あくまで純粋なSPDIFバッファとして理想を目指した設計となっています。本来の光送受信のポテンシャル、性能を引き出しただけと考えています。この部分を徹底した点が従来の一般的な製品と異なる点です。思い出していただきたいのはアンプやDACも同様という点です。同じチップを使っても設計次第で音の到達点は大きく違います。光伝送も同様です。

注意点としては本機はジッターをアクティブで除去する回路は搭載していませんので、上流から来た信号のうち光の伝送帯域内ジッターは基本的にそのまま伝送されます。ですので音質改善という表現よりはDDCの本来の能力を取り出すという表現が適切かもしれません。改善する技術的根拠は一般的に認められないかと思われます。この点については予めご理解をお願いいたします。こちらで確認できているのはUSB接続比で筐体ノイズレベルの改善までです。

製品の使いこなし

ひとつの推奨する使い方としてはオーディオシステムの電源系統とトランスポートを分離する方法です。特にPCや高性能なネットワークトランスポート等を使っている場合それらは高周波的なノイズ元ですので物理的に距離をとる隔離することが有効な対策となる場合があります。

  1. トランスポート&DDC →光出力で絶縁→ 光ブースター&DAC以降のオーディオシステム
  2. トランスポート&DDC&光ブースター1→ →光出力で絶縁→ 光ブースター2&DAC以降のオーディオシステム

このように赤字と青字のシステムをAC電源系から分離し、さらにオーディオシステムと距離をとって絶縁する方法は有効と思われます。

USB-DDC等の伝送元のジッター品位による音質差

光ブースターが改善できない帯域内ジッターはトランスポート&DDC、所謂上流側の性能が支配的となりますが、その帯域外については次に紹介する方法を使うと上流の差をある程度圧縮できることがわかりました。一般的な使い方ではこれで十分な音質が得られます。

1.標準的な使い方は次の2パターンのいずれかです。この場合同軸出力が音質優位です。しかしこれを更に応用した接続があります。

2.次のようにすると上流の影響をもう少し減らすことが可能です。これは一台でできる方法です。これも最終出力は同軸が最善です。

3.さらに進んだ応用は次のような接続方法で、このように接続しますと良いです。2台用意してそれぞれの影響を分離すると方法です。問題は2台必要なことです。

この2例では後者の同軸ループを挟む構成が最も音質改善がありますが、環境によっては192kHzの接続がこの時点で不安定になることがあるようです。また接続が複雑になりますので各自の環境での試行錯誤をお願いいたします。

音質的影響のテスト結果

当方での検証は以下のようなパターンで行いました。

テスト1:光ブースター1台と2台の影響の違いと傾向

また2段目光ブースターのDC電源の影響よりも、1段目(同軸>光変換)のほうが電源の違いが支配的のようです。2段目は比較的影響が小さいです。DCケーブルにコアを巻く、そのDC電源を1-2段目で入れ替える、等を行っても傾向は変わらず1段目の電源のほうがより重要でした。

光ブースターの2台構成で改善する理由は送受信のGNDを共有しないことで物理的に相互の影響を受けないことが理由ではないかと予想しています。直近で同じ電源コンセントから2台に接続しても2台に分離すると違います。2台構成の音的な差はちょうど同軸ケーブルの音質差と似ていますが、おそらく同軸ケーブルの交換のみでは改善出来ない領域まで改善することが出来ます。それが上流側の悪影響をより減らすようです。ですがあくまで予算に余裕がある場合の構成です。

比較ですが、デジリコ2代目試作品と無対策DDCで比較しました。デジリコ2単体比では無対策DDC+上記2台構成の方が良かったです。デジリコ2に光ブースター1台を追加した場合と比較しても無対策DDC+光ブースター2台のほうが総合的には良かったです。この結果はDDCの性能的影響をある程度防ぐことが出来ている結果と考えます。

テスト2:光ブースターを同条件で同軸ケーブルとDDCを変更

2種類のDDCの音質差は単体だと絶望的なくらい格差がありますが、光ブースターを使うと1-4の差は圧縮ができるようです(ただし差はなくなりません)。

  1. 高音質DDC>低音質同軸ケーブル>2段光ブースター>DAC
  2. 高音質DDC>高音質同軸ケーブル>2段光ブースター>DAC
  3. 低音質DDC>低音質同軸ケーブル>2段光ブースター>DAC
  4. 低音質DDC>高音質同軸ケーブル>2段光ブースター>DAC

この場合の原因ははよくわからないのですが、2≧4>1≧3となりました。ここで使う同軸ケーブルの差はDDCの差より影響が大きいようです。ブースターの有無と比較してDDCの差が支配的でないのは事実のようですが、なぜかケーブルの差は敏感に出やすいようです。

結論

2台化は確かに有効です。しかし高帯域のノイズっぽい質感は1台から2台で大きく改善しますが、低周波的な音のにじみはDDCの性能依存のようで最後まで改善しません。そこはDDC以前の対策が必要となる部分です。

推奨するDC電源の特性

標準では最低限のACアダプターですので電源を交換することで音質改善が可能です。

ただしよくある小型DC電源の特徴としてトランス式はローノイズですが瞬発力が低くなりがちな印象です。なので低価格な小型のトランス電源ではノイズ的な意味では改善しても駆動力的には改善が見られないどころか劣化する可能性もあります。光ブースターは内部にもノイズ対策回路+ローノイズ電源回路が乗っていますので中途半端な小型トランス式電源に交換するのみでは性能が不十分な可能性があります。そのためトランス式電源に交換する場合は定格が大きく物理的に大きいものを推奨します。

スイッチング電源の場合はノイズ対策がどれくらい行われているかが重要です。できる限り定格が大きいがノイズは少ない電源が望ましいですがそれが難しい場合は外付けのフィルターで可能な限りのノイズ対策を行なってください。ある程度以上のノイズ対策を行うとトランス式よりもスイッチング式のほうが結果は良好です。

なかなか理想は低価格では得られないので予算に応じて以上からご検討ください。

さらなる高度な対策(予算度外視ルート)

トランスポート&DDCの影響を100%なくすことは現状不可能です。なので予算度外視のハイエンドコースであればそれらすべてを含めた対策が必須となります。優先順位としては以下のとおりです。1と2の順位はケースバイケースと思われますが同列に重要です。

  1. DDCの基本性能、伝送品位、クロック性能の確保。内部クロック性能の高いDDCか、外部クロックを活かせる設計のDDC+高品位クロック
  2. 光ブースター、DDC、トランスポート、それぞれの電源環境へ最高グレードの対策を施す。高出力と低ノイズの両立、干渉の除去
  3. 各種接続ケーブルを特性的に良質なもので揃える

これらの対策はすべて徹底すると数十万円以上は簡単にかかってしまう内容です。特にクロックと電源周りは相当な投資が必要になる可能性があります。光ブースター単体はそれほど高額な製品ではないのでこれらの対策すべてを推奨するのは相応しくありませんが、一例としてこれらをしっかり対策したシステムに光ブースターを追加しても一定の効果がありましたので、ご報告として簡単にまとめました。

ここでは具体的な他社製品を列挙することはできませんので曖昧な書き方になってしまっていて申し訳ありません。より進んだ使いこなしについては積極的な情報交換がユーザー様の間で交わされることを期待しています。

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