ソフトウェアのバージョンアップを行っています
最近の更新内容をBlogでも紹介しておきます。最近Integrated 250とAK4499-DACのソフトウェアアップデートを行いました。詳細は以下のリンク先を見てください。
Integrated 250のファームアップ内容
こちらはIntegrated 250の更新ページです。更新内容はIntegrated mode時に右ノブで常時アンプのOn/Offを切り替え可能になりました。だいぶ前に構想はあったのですがようやく実現出来ました。用途としてはヘッドフォンに一時的に切り替えたい場合などでしょうか。設定変更から再起動という手順をしなくてもすぐ切り替えが出来るようになりました。こちらは簡単なアップグレード内容となります。
AK4499-DACのファームアップ内容
こちらの更新は主にマルチでのユーザー様向けなので、恩恵を受ける方は非常に少ないかもしれません。ですが内容は本格的なデジタルチャンデバ化に必要な内容ばかりです。詳細は上のリンク先を見ていただくとして、簡単なアップグレード内容を紹介します。
- 4バンドパラメトリックEQ機能の追加
- 各DACごとにLPFとHPFのそれぞれの特性を「バイパス、LR2、LR4、LR8」から自由に選択可能になり、それぞれの周波数も自由に設定可能に
- マルチ動作の内部レートを2ch動作と同じ4fs(176/192k)に変更。マルチ時の音質向上
これによって完全に非対称なクロスの設定も出来るようになりました。LR2とLR8を同じ周波数でクロスさせることも出来ますし、フィルターを全部バイパスにすればマルチではなくフルレンジの4系統出力としても機能します。また配線次第ですがDAC4枚のまま3way出力+HPA出力有効化も出来ますし、設定の柔軟性が大幅に高くなりました。
買ってよかったと思っていただける製品にするために8ch出力を生かした機能を拡充してきましたが、ようやく当初の構想をほぼ全部実現できるところまで来ました。多くの仕様変更がありましたから、まだファームはテスト段階ではありますがマルチでお使いの方は何かあればフォーラムでご報告いただければと思います。
本格的なマルチ対応のDACは世の中では希少ですから、少しでも貢献できたらというところです。
WF250のアップグレードにES9038PROを想定しているような記事を拝見したような記憶がありますが、ローム社のBD34301EKVはどうなのでしょうか?
高価な分、高性能と聞き逢瀬の性能評価はどうなのか気になっています。
またこちらは京都の会社で純日本製品なので、ケース含めメイド・イン・ジャパンで作られたWF250に合っているのではないか?とも思いました。
アップグレードの候補に含めてもらえたら面白いと思ったので検討していただけないでしょうか。
坂崎さま
ご意見ありがとうございます。BD34301EKVについてですがチップの発売直後に評価検討済みです。当方の評価としては万人におすすめできるDACチップではないという印象でした。
とにかく音が柔らかく細部や余韻を重視する方には向くのですが、立ち上がりが早い駆動力を要求するレンジの広い現代的な楽曲には合いません。BD34301EKVは悪く言ってしまえば全くパワー、瞬発力がないチップです。これらの音質的要素はハイエンドの王道的な価値基準ですからこのチップは高額モデルには使いにくい、音の余裕や駆動を求める方の期待には答えられないと思っています。
ちなみに駆動力がない原因は内部電圧リファレンスにあると推測しております。AK4499やES9038proと違って外部リファレンスを受け入れないチップですので原理的構造的問題となり周辺設計で問題を改善できそうにありません。せめてこの部分だけでも外部供給できればよかったのですが。そのためこのチップの採用は今の時点では考えていません。
逆にES9038proは瞬発力と駆動力で言えば文句はありません。ディスクリートDACと比較しても問題ない領域にあります。ただそのかわり細部の描写がどうしても苦手な傾向があるので、そこをどうやって設計上で改善できるか検討しています。あと噂段階ですがAKMから新型ハイエンドチップが出るという話もあるようです。
いずれにしても制御IC、クロックICが入手できないので今すぐ設計ができる状況ではありませんので、最終決定はまだ先になります。