近況報告
Blogは長いことお休みを頂いておりましたが、貸出などはありがたいことにほぼ常時ご依頼を頂いている状況です。
そのなかで1件だけ困ったトラブルが有りました。まだ未解決なのですがIntegratedを貸し出してそれを買取屋に勝手に売ってしまい、オークションに出品されてしまったという問題です。現在本人とは連絡をとって解決に向けて動いているところですが今後の回収には相当手間と時間が掛かりそうな雰囲気です。
オーディオの業界では貸出機というのは一般的ですがやはりこういう被害にあってしまうと制度自体の脆弱性、このようなときの強い解決方法がないことがよくわかります。たとえば売却先の質屋さんが確定していて時期も品物も確定していたとしても、その業者は個人情報保護がありますので誰が売ったのかこちらでほとんど目星がついていてもそれに関係する情報はこちらには一切教えてくれません。名前も住所もわかっている○○さんが売ったはずという質問への回答もできないみたいです。この場合は警察の許可が必要と言われますが、今度警察に相談しても本人と連絡が取れ支払う意志があれば事件にはならないため、結局確実な証拠を掴むことが出来ないのです。これでは鍵の入った箱に同じ鍵がかかっている状態です。
このようなときは個人で集められる状況証拠を集めて直接本人に対応していくしかありませんが、もしこのとき確実な証拠がなく本人が違う知らないと言い張っている場合はここから先取れる手段があるのかわかりません。しかし今回幸運だったのがオークションに出品された貸出機は明らかに量産機と違う外観的特徴があり、それがハッキリと写真に写っていたこと。そして貸し出しとオークション出品のタイミング、買い取りやの住所、写真の証拠を元に本人に確認をとったところ売却を認めたことです。しかしその後の代金の支払いについては極めて消極的かつ前向きな意志を見せてはいるもののそこから先は非常に難しそうだというのが現状です。
こういうケースの場合少額訴訟などの手段もありますが調べてみると相手方の出方次第では通常裁判となり相当の手間と費用になりますし、それを乗り越えて裁判で勝訴したとしても相手方に資金も資産もなければ結局回収はできません。うちはこのような専門でないので全力で逃げられてしまうと個人で対応できる限界もあります。
ということで貸し出しには当然ながら業者側のリスクが有り、その上で行っているサービスという話です。なので貸し出しサービス自体も有償に踏み切るというのは実際にやってみるとその気持も分からなくもないというところです。業者側の紛失や被害の保険としてそれをある程度お客様に負担してもらうという形ですね。でも実際にはオーディオのお客様はマナーも対応も良い方が多く、むしろそういう悪意のない方にその分の金銭負担をお願いする判断は出来ればしたくないものです。善人がそれを負担をするっていうことが目に見える形になってしまうからです。
ですので今後についても無償貸し出しサービス自体は継続します。ただし買取屋やオークション出品はしにくいように対応を考えます。