今後の製品リリースロードマップの見直し

以前に公開していたロードマップ、製品リリース予定から、変更をお伝えします。

まず確実に延期となるのはデジリコ、Integrated 250のV2です。原因はとにかく半導体の入手問題です。制御用のCPU、クロック関係のICが一切入手不能で量産はできません。また上記とも別の重要パーツも同時に生産終了となりましたので設計変更、部品選定のやり直し作業が発生しています。今から慌てて設計変更をしても正直いつ出せるかわからない製品設計の変更と見直しに力を入れるよりは今確実にできる製品を進めたいと考えています。

以上を受け、今後の製品リリース予定は以下のようになります。

  1. 廉価パワーアンプ(3グレード展開)
  2. 光ブースター
  3. 上位パワーアンプ(仮)
  4. デジリコ & Integrated V2

以下それぞれの製品と状況について説明します。

廉価パワーアンプ(3グレード展開)

こちらは仕入れが完了していますので出荷はまもなくです。この製品の基本仕様は今まで通りですが3つのグレード、品位を分けた展開とします。

3グレードのうち2つは内容同じでケース選別の有無です。前回の記事に書いたとおりケースは万全なものばかりではありません。ですが外観選別を行った在庫もまとまった数量の用意ができそうなので、選別品は価格を上げて販売します。外観を気にする方、傷がある可能性を100%除外したい方はこちらをお選びください。事前チェックして傷が見当たらないものを選別しています。当然ながら選別品は在庫数量が通常品よりも大幅に少ないです。現在のところ概ね1/3以下です。なお選別品が在庫切れになった場合、再生産まで補充されない見込みです。

もう一つはPurifiの1ET400Aを使った上位グレードです。こちらは外観こそ共通ですが内部モジュールがPurifiスペックとなった製品です。これは数台しか用意できません。そして初回限定のプレミアムモデルで基本的に今後再販も行わない予定です。見分け方は背面シリアル番号で特別なものになります。外観グレードは選別品基準ですが底面のみネジ穴を追加工しているため底面は美品ではないと考えてください。この点予めご了承ください。

価格は以下のようになります。

  • 通常グレード 23万円+税
  • ケース選別グレード 28万円+税
  • 1ET400Aグレード 34万円+税

11月から同時にお支払いの受付をスタートする予定です。製品の出荷も11月見込みです。現在量産作業の継続と梱包材の取寄を行っています。すでに量産はある程度まとまった数量まで完了しています。あとは梱包待ちです。

追記:音質差についてご質問があったのでこちらに回答します。

印象ですが低域はどちらも大差はありません。1ET400Aのほうが全体的にピントが合っている音、音像がシャープで精密かつ高域がうるさくならない印象があります。比較すると通常グレードはややおおらかな描写といえるかもしれません。精密でピントの合った描写を求める場合は上位グレードが合うと思います。

光ブースター

光オプティカル信号を同軸コアキシャル信号に変換するものです。そこに音質対策回路を入れた製品です。これで光デジタルの大幅な音質向上が可能です。デジリコの代替品として先にリリース予定です。半導体の入手難の状況でも手に入る部品が中心のため直近の量産も可能なためこちらを優先して製造する予定です。デジリコの発売は見通しが立ちませんので当面はこれがデジタル対策の主軸製品になります。

小型小規模の回路ですから価格はデジリコ比でかなり安く出せると思います。光>同軸の変換だけですと利便性の問題があると思うので、同軸>光の回路も入れ同時に動かせるようにします。同軸>光は音質改善の効果はありませんが、一台で同軸>光>ループバック>光>同軸と接続することで同軸系の音質向上も出来るようにする構想です。

現在手元に最新の試作品がありますが、音質は以前の光ブースター比で別次元と言えるほど大幅に進化しています。現状でデジリコの最終試作品と比較しても概ね遜色がない領域にありますから驚異的です。もちろん簡易的な回路なのですべてが同じレベルにはありませんがデジリコと比較は可能なレベル(比較して良い部分を見いだせる領域)だと思います。とくに廉価で小型で簡易的な製品としては十分すぎる音質ではないかと思います。

内容は小型の回路でリクロックやジッター除去などの機能はありません。しかし何故か非常に音質が良いです。これが音がいいとなるとデジタルの音質とは何か考えされられる製品になるでしょう。従来の定説の大半は実は間違っていた可能性すら出てきます。とはいえあくまで当方の印象でしかありません。このあたりは皆様の最終評価次第です。

ただし現在の仕様では送り出しとDACの組み合わせによっては相性問題が発生するようです。内部に信号自体を再解釈する機能はありませんので送り出し性能依存の相性問題はこの製品単体では解決が困難です。動作安定性はリリースまでに改善したいと考えていますが、完全な相性保証は難しいと予想します。ですので動作検証結果は可能な限り情報共有し、問題がある組み合わせの情報はできるだけ提供できるようにしたいと考えています。

なおUSB入力やHDMI出力の対応予定は100%ありません。ご希望いただいても対応できません。これらに対応するとIC類が必要になり今は入手不能で量産も不可能です。また出来たとしてもシンプル構成が最大の音質的利点ですので、それらを入れると簡単には高音質にできない問題も発生します。そのためUSBが必要な方はデジリコを待つか、別途DDCを用意していただく必要があります。

上位パワーアンプ(仮)

現時点では構想段階です。ですがデジタル半導体関連が入手困難なため順位が入れ替えとなりました。現在の状況下ですとデジリコやIntegrated V2よりは、このような純粋なアナログ回路の製品を先にリリースできる可能性が高い状況です。

一台で2chステレオ動作、バイアンプ動作、BTL切替、入力可変ゲイン(12-26dBのような範囲)の機能を持たせ、さらなる大容量電源で新しい基準となるようなパワーアンプを予定しています。BTLは音質メリットがない場合は排除する可能性があります。

内容はNcoreを改良したもの、かつ大出力に対応したものを使いたいと考えています。ただし開発はこれからですしリリースの予定はまだ未定です。

デジリコ & Integrated V2

この2機種で比較すると、おそらくデジリコよりV2のリリースが先です。デジリコはV2よりさらに延期となる可能性が高いです。現在光ブースターのリリースが現実的なためデジリコの開発はすべてストップしました。しかしV2は開発継続です。次世代のDACとなる製品は現在のラインナップに存在しませんのでそれを当面埋める製品となる見込みです。現在Integrated V2関連の音質対策の実験を進めています。

いずれにせよ半導体が安定して入手できるまでは、どちらの製品も量産設計はできません。今量産のための準備をしても突然重要部品が入手できなくなる可能性が高く、労力が無駄になる可能性が高いからです。実際に現在でも想定外の重要部品の生産が完了になっています。

なので特定部品に依存しないノウハウの構築と、重要部材の確保のみ優先して進めています。当面は確実な将来の量産に備えます。

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