2022の新年のあいさつ

あけましておめでとうございます。無事今年の新年の挨拶を迎えることができたことに感謝いたします。会社が無事存続できたのは皆様のおかげです。今後も活動を続けることが許されるように競争力のある製品を作っていきたいと思います。

今日は抱負として、現在のオーディオ業界について個人的に考えていること、そこから当社の今後の方向性について書きます。ロードマップのような具体的な製品計画ではなく、もっと漠然とした方向性の話と捉えてください。

現在の市場の個人的印象

据え置きオーディオも他と同様に二極化に急速に向かっているのではないかということ、そしてその棲み分けと固定化がさらに進むのではないかと予想しています。

より具体的に言えば、据え置き20万円以下の価格帯はすでに中華の台頭が急速に進み、彼らによる支配体制の確立、定着がかなり進むこと。もう一つは数百万円以上の据え置きハイエンドの世界で、こちらは価格がどんどん上昇し一般人には縁のない世界になっていくことです。

中間層どちらにも所属しないミドル帯はおそらく明確な未来は確定していませんが、決して安泰ではない非常に不安定な領域だと思っています。そして据え置き市場は全体的に縮小を迎えるでしょう。当社はおそらくこの領域で独自の生存領域を確保することになります。

ヘッドフォンは緩やかな高級化、そして高性能な低価格機のリリースが続いています。このあたりは価格レンジが違うだけで雰囲気は据え置きと似ています。特に低価格帯コンポーネントは中華製品が性能価格比に優れ一極支配が急速に進んでいると思います。据え置きと違うのはハイエンドと主張できる高級機がまだ一般の人でも頑張れば買える価格帯にとどまっていることでしょうか。ですが何かきっかけ(おそらく高級化に乗るユーザーの減少)があれば据え置きと同じ超高額化の道にいくかもしれません。

イヤホンは完全に別世界ですし詳しくないためよくわかりませんが、イヤホンの人が据え置きやヘッドフォンに移行する可能性は低いまま、当社には今後も無縁の市場です。

とりあえず当社の重要な市場である、ミドル帯据え置き、同ヘッドフォン関係は今後どんどん難しくなっていくと予想をしています。すでにハイエンドを買ったor持っているのにミドル帯の製品を買う理由がないことは大きな理由でしょうし、低価格帯が性能的に限界まで成熟したためミドル帯の性能インパクトが薄くなっていることも理由でしょう。

共通しているのは顧客の成熟でしょうか。据え置き市場自体が成長しない限り、成熟した顧客が次に買う製品はさらなる高みです。しかし市場は拡大する見込みがなく製品の性能向上も限度があります。これが現在とこれからの背景事情になると予想しています。

しかも値段が下がってきたかつての憧れのハイエンドを中古で買うという選択肢も現在のミドル帯に存在します。ですから新製品のミドル帯はもはや厳しい状況です。既存大手の知名度や存在感によって辛うじて維持されている領域となっているのかもしれません。

これからはこの価格帯ほど「なぜこの製品を選ぶのか」という理由が強く求められるでしょう。ガレージメーカーにはかつてのハイエンド(かつての憧れ)と同価格帯で戦えるような競争力はありません。簡単に言えばすでに当社もミドル的位置づけの製品の居場所はなくなっているかもしれないということです。

最大のリスクは中華からミドル帯で非常に付加価値の高い製品が出現することです。ネットワークやデジタル処理機能、そしてアンプDACまで全部入りの一体型。さらに高い測定性能を持ち、デザインも良く高級感もあるモデル。このような製品が20万円前後でリリースされる未来です。昨今のインフレもこれを後押しするかもしれません。すでに発生している低価格帯の競争激化、そして世界的インフレから彼らも付加価値のあるビジネスへ本格的に早く取り組む可能性。これがミドル帯の勢力図が激変するきっかけとなるかもしれません。

ではどうやってここで生き残るべきでしょうか。

当社の使命 ハイエンドクオリティの追求と現実的価格での提供

去年はインフレでオーディオ全体の価格が次々上昇しましたが、当社は今後も本当は価格を上げたくはありません。廉価パワーアンプも値上げより値下げをしたい位です。

ですがそのような安易な値下げばかりでは先がないとも考えています。中~低価格帯で中華と勝負することは日本にある小さい会社にとっては不可能です。安くしてもその分の数売れるわけではありませんし、安くした分利益が出にくくなりますので難しいところです。少なくとも価格が安いことが売りでは先はありません。廉価パワーアンプもやすくするために数を作ったものの予想より少ない数しか出ておらず厳しい展開です。

当社の重要な使命。それは真のハイエンドを手に入れたいが経済的な理由で買えない人たちに、現実的な価格でハイエンドクオリティをお届けすること。これが今後も当社の重要な使命と考えています。この基本的な考え方は以前と変わっていません。ですが実装の仕方や見せ方、あり方については再調整が必要だと考えています。

これからは趣味性が高く唯一無二のハイエンド的製品、または測定性能が高く低価格な製品だけが生き残るという予想をしています。このうち当社ができるのは前者しかありません。

必然的に中途半端な機能、中途半端な性能、中途半端な価格、このような製品にこれから力を入れるのは危険だと考えました。逆に独自性が高く、競争力の高い製品、独自の機能性や体験を提供できる、唯一無二を主張できる製品がますます求められるでしょう。(光ブースターは独自性の高い製品)

価格がミドル帯になること自体は問題と考えていません。そうではなく製品に宿る精神性がミドル帯となること、そう見られることが今後ますます危険と考えています。価格がミドル帯であったとしても中身はハイエンドという製品づくりが重要になりそうです。そして今までより製品にわかりやすくそれをアピールする要素を入れていく必要性を感じています。安易に価格を上げるだけでは既存の有力ブランド比で「買う理由」にはなりません。

Integrated 250のVersion2を新規製品としてリリースすることはこの理由で断念しました。250の開発当時と比較して低価格帯DACは非常に優秀になりましたし、低価格のNcore製品はすでに市場に供給されています。あらゆる意味で現在の市場で中途半端な存在になりました。これはVersion2にしても状況は変わりません。もちろんこれは実際の音質ではなく、印象、見た目、カタログ的な要素のことを指します。もはやIntegratedというコンセプト自体が中途半端ですが、やるならデザイン、存在感、機能性、中身すべてを新しく最高のものにしなければならないでしょう。

今後はより独自性が高い性能や機能、細部のこだわりを様々な意味で感じられるような製品、他とは明らかに違う特別な製品。このような方向性に注力することになりそうです。その上で価格はある程度抑えていく。このバランス感覚が求められそうです。

価格帯は今までよりも上がる可能性が高い状況ではありますが、その分いままでの製品に漂う「中途半端さ」をより排除した製品を作っていくべきと考えています。そのためには自分自身の中にある、これくらいでよい、ここまででよい、等の無意識の心理や弱さをさらに排除していく必要性を感じています。

以上が今年の抱負となります。光ブースター以降の製品は次々と発売されるような簡単な開発に終わる見込みはありませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

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