Integrated 250の最終在庫と今後の展望について

WATERFALL Integrated 250

現在最終4台の即納在庫を生産中です。この在庫が完了すると現在の仕様のIntegrated 250は完売となる見込みです。ここ一年で予定より販売台数が伸びた関係でVersion1の残り台数が4台になってしまいました。予定より1年以上早く完売してしまうかもしれません。

完売後ですがIntegrated 250自体は今後もラインナップには残ります。次はVersion2としてDAC部と制御部の基板を新しくした製品へ生まれ変わります。またケースも廉価パワーアンプと同等のケースに変更になります。価格は現行機から据え置きで検討しています。Version2は基本的な機能は殆ど変更しません。今まで通りパワーアンプとDACが同居した製品として、現行の4つの動作モードはそのまま維持します。DAC部はAK4499-DACまでに培った新しい観点と技術を詰め込んだ新しい世代の音質へアップグレードする予定です。

このVersion2基板はVersion1と互換性のある基板として開発します。ですから既存のVersion1のお客様は基板アップグレード費用のみでアップグレード対応が可能になる見込みです。これは以前から告知していた内容ですが予定通り行う見込みです。

音質面の目標です。

具体的にはVersion1で残されていた課題である駆動力と音の安定感の強化、高域解像度への配慮の追加、これらを盛り込みます。DACチップは今の予定ではES9028ProかES9038Proが有力ですが、上記含めたオリジナルの音質対策は継続して行います。音的には安い中華製品には絶対に負けられません。そうでなければもはやこの価格帯の製品に存在意義はありません。ですから価格やラインナップに関係なくこの物量でできる範囲での過去最高音質を目指して開発したいと思っています。

可能であればAK4499-DACの4枚仕様を超えたいですがなかなか難しいです。今までの内部電源回路のボトルネックを見直す等、基本性能を更に向上させるためのいくつかの工夫を追加することも必須になるかと思われます。4499比では電源出力やスペースの制約がありますからその範囲でできる対策が必要です。最終的にはAK4499と比較したときに感じるESS系のネガティブ面をどこまでカバーできるかが焦点になりそうです。特に生音を魅力的に聴かせる必要があります。最近まで長らくESS用の実験機で色々と対策を進めておりましたが一部デジリコの技術を流用することで従来の問題点を改善できることがわかりました。現在手元にある音質対策用の試作基板ではかなり改善しました。これを元にどこまで到達できるかで見極めたいところです。

他の候補としてロームのDACも検討しておりました。しかしAK4499やES9038とは異なる方向で潜在的な音質課題があります。生音の質感などは問題ありませんしむしろ強いです。ですが駆動力面での解消の難易度を比較するとロームのDACはこの問題解決がかなり難しいです。この対策のためには相当の物量を大量投入する以外になさそうです。しかしチップ単価でみても基板スペースで見てもこれは現実的解決策ではないため、現時点ではロームのDACは採用可能性が低い状況になっています。

もちろんDACチップが全てではないですが、Version1比ですともはや最後の差がそこに依存してくる領域に到達しつつありますので、Version2の開発においては現時点で全て確定はせず慎重に決めたいと思います。Integrated製品としては既存DACチップで最高を狙う位置づけをとりあえず検討することになります。

ハイエンド向けに以前少し変わったアーキテクチャのDACもいくつか開発をしておりましたが、Integrated 250向けとしては問題が多いため採用は見送ります。全く新しいDACに期待されていた方もいたと思うのでそこは期待とはちょっと違うかもしれません。昨今は各社ディスクリートに移行しつつありますが真に優れている製品は少ないと思われます。ディスクリートは音的に優秀な面があっても特性面で万全にするのはかなり難易度が高いです。そのように問題があるものを問題ないと言って売ることは出来ませんので、機能に見合った最適解を選ぶべきです。上記の不採用になったDACは一体型には不向きですが業務機には適した性質を持っているので今の時点ではそちらでの採用を検討しています。

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Integrated 250の最終在庫と今後の展望について” に対して1件のコメントがあります。

  1. ause より:

    メールでV2への質問がありましたのでこちらにも一部内容を転載します。

    質問:Integrated 250のV2でDSDネイティブは対応可能でしょうか?またDSD512まで対応しますか?

    回答:内部動作はともかく外部信号としてはDSD512には対応する予定です。これは現行のIntegrated 250と同じです。ですが実際の内部動作はPCMベースになるかもしれません。

    ほとんどのDACチップではPCMのほうが伝送の劣化が少なく、劣化要因も少なく安定しています。DSDは半分アナログのようなフォーマットかつ帯域外にかなりノイズが有ります。低レートではSNが悪いことが多く、逆に高レートで信号が高速になるほど伝送経路での劣化もしやすく、様々なテストでPCM比で特性に優れるわけではないので、特性的な優位性はほとんどないです。

    現代のDACチップでは内部の最終動作はDSDでもPCMでもない両者の中間的な動作です。そのため実は外部からの入力がDSDネイティブかPCMネイティブかはチップ内の処理とあまり関係なかったりします。それぞれに特化したアーキテクチャのDACでない場合はネイティブフォーマット自体には優位性はありません。

    たとえばですが従来AKM-DACではDSDではかなりの特性劣化がありました。そのためDSDネイティブにはあえて対応しませんでした。ですがPCMでは劣化がないので基本はすべてPCMベースでの内部動作にしています。いろいろなアーキテクチャのDACでテストしていると、DSDは特性的には256前後が最も良い事が多いです。512以上はPCMに変換したほうが良いことが多いです。なのでDSD1024はもっと難しいでしょう。

    次世代はESSになる可能性が高い状況ですがDSDで特性劣化が認められる場合は対応を外す可能性もあります。某社ESS製品のDSD512で明らかな特性劣化がありました。しかしリサーチするとDSD512の音が良いという感想も見られます。特性的にはDSDにするとノイズが付与されますから、その色付けされた音を空気感と表現しているようにも見えます。実際DSDは音作りされた製品に見られる音質傾向と少し似ています。なので場合によって音楽的情緒を表現する場合にはこの傾向は一定の説得力があるように思います。

    すべての楽曲で好ましい傾向ではないのでこちらではDSDを使った内部伝送の標準対応を避けていますが、音質傾向の変更のための選択肢にはなります。あえてノイズを付与し音作りの自由は提供しても良いかもしれないと考えています。

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