光ブースターの現在の状況と製品情報
画像ではBNC端子になっていますが、製品はRCA端子になります。性能的にはBNCが望ましいですが今回の製品は価格帯が低くRCAが一般的なためです。端子サイズがBNCと同じため設計時の画像がBNCになっています。
いつなくなるかわからない半導体、コネクタ、電源類はすべて仕入れが完了しています。あとは動作検証や、基板とケース量産のスタート段階です。
提供する機能
- 光to同軸変換
- 同軸to光変換&2系統分配
- 光は192kHzに対応(こちらの環境で動作確認済)
- 5VのACアダプターで動作
- 信号の種別の変換と同時にデジタル的な音質改善効果
トランスポートの音質問題を大幅に緩和します
似たような製品は他社から出ていますが、後発で販売するということは相応の意義があると判断してのことです。機能自体は非常にシンプルで光to同軸変換、同軸to光変換、同軸to光2系統分配、これだけです。ですが最大の売りはそれぞれの出力品位が良好で音質改善効果が高いという点にあります。
この製品の位置づけは以前予定していたデジリコの機能削減版です。デジリコはデジタルリコンストラクターの略でデジタル信号を再構成し超クリーンな状態で各種デジタルを理想出力する製品で、上流の影響をキャンセルする製品という理念(粗悪な無対策PCを高級トラポのような音にする目標)でした。ですが残念ながら半導体の入手難で制御CPUやジッタークリーナを始めとした複雑なIC類がほぼ全滅で入手できない状況になってしまいましたので、今回は光ブースターという形で大幅に機能を簡易化した製品を低価格で販売するものです。
入手できるパーツのみで構成したので内部は非常にシンプルです。ジッター除去の機能はありませんし、内部ではリクロックもやっていません。ですが本製品の音質ターゲットは依然デジリコと同じです。それは現行の性能ハイエンドクラスのトランスポートです。どのようなトランスポートでもとはいいませんが、ある程度の条件と整えれば基礎クオリティでは十分勝負できるはずです。それでも製品価格は音質のレベルに関係なく、原価に応じて低価格になります。おそらく他社SPDIFリクロック製品に近く少し上の価格帯です。
光ブースターの音質レベルですが予想外の事態になっています。音質はすでにデジリコの最終試作品を一部大幅に凌駕する面を持っています。おそらく複雑なクロックやデジタル回路を持たない、非常にシンプルな回路なことが良い方向に作用しています。SN的な印象はデジリコ比でもさらに良好です。デジリコの開発で培ったノウハウをそのまま投入していることも音の良い理由になりそうです。
ただ音の絶対的な精度感というのか高域のピントの正確性のような要素はデジリコのほうが若干優位です。この部分はどうしてもリクロックの有無による影響、要するにジッターの音質差だと思われます。光ブースターではある程度は上流の影響を受けてしまいます。なのでデジリコ比で上流の影響を排除しているとは言い切れない内容になっています。ですからある程度の性能のトランスポートと組み合わせることがより効果的と現時点ではお伝えします。
とはいえ音質を引き上げる効果は相応に高いです。デジタル問題について例えるなら、デジリコの方法論を解決と表現するならば光ブースターは大幅緩和になりそうです。特に同軸>光>光>同軸と内部でルーティングするとさらに大きな改善効果がありました。なのでトランスポートの音質問題をある程度は単体でも解決出来る製品だと見込んでおります。
以上のように、デジリコの存在意義をそれなりに脅かす製品ですが構わず低価格で販売します。デジリコは必然的にもっとハイクオリティな製品にする必要が出てきます。ただ目標は高くあるべきですし、当面部材も入手ができそうにありませんので、当面は光ブースターがこの目的の主製品です。
ジッター性能はデジタルの音質変化要因のほんの一部の可能性がある
光ブースターに音質改善効果がある事実は、オーディオにおける既存のデジタル伝送の概念に大きな疑問を投げかけることになるかもしれません。なぜなら従来主張されていたジッター問題は音質劣化要因として大きなものではない可能性があるからです。例えば既存のSPDIFにおける音質対策製品はほぼジッターの除去や高精度クロック等を売りにしていますが、それに対して光ブースターは内部にクロックを持たずジッタークリーナ等も一切ありません。それでも音質の改善効果は従来比でも大きいと感じられるからです。
では光ブースターは何を改善しているのでしょうか。未知の「ジッター性能以外の音質要因」である可能性が高いです。
例えば高いジッター除去性能やフェムト秒を売りにする製品でも、それぞれの製品同士で音質傾向が大幅に違っていたり、音質のレベル自体が全然異なるケースもあると思います。今ではどこの会社のDDCであっても高性能クロック搭載を主張しています。ですが音は本当に主張されているほどどれも完璧でしょうか。今でも最先端のDDCより、古典的なCDトランスポートのほうが良いと感じられるケースがあるのではないでしょうか。
このような結果は、単純にジッター除去性能、クロック性能が音質に100%支配的ではない一端を示しているのではないかと思います。本当にジッター除去性能が重要ならばフェムト秒クロックで信号を作り直すと主張する製品はすべて一定のレベルに到達していなければなりません。ですが現実にはそうなっていないように思います。ジッター性能を阻害する他にもっと大きな要因があるとしか思えません。ほとんどのDDCは搭載クロックの性能をカタログスペックほどうまく発揮できていないのかもしれません。そうなると性能の阻害要因を対策するほうがジッター対策より効果的となってもおかしくありません。
もう一つ現時点で新しい発見があります。光ブースターの同軸to光変換の音質改善効果です。光出力であっても音質改善効果があったことが新しい発見です。従来では光出力、光受信はジッターが多く音質が悪いというのが定説でしたが、受信側固定でも送信側で改善ができるようです。このため同軸から光に変換し、もう一度同軸に変換することでさらなる改善効果を確認できました。今回の光ブースターはその名前の通りの光to同軸変換のみならず、同軸to光変換も同時に実現する内容になっています。そのためさらなる改善を狙う使い方も出来ますし、あまり音のよくない光出力機器の音質を引き上げることも可能です。
デジタル録音での比較試聴データを準備しています
かなり繊細な領域のため録音が難しいですが比較試聴できるデータを用意したいと考えています。当然ながら出音よりさらにデジタル的な品位の高い録音でないと違いは録音できないようです。なんとか違いを体験いただけるような音源を用意できたらこちらに追記する予定です。難しい場合は他の手段を検討します。
価格は今の所どれくらいで想定されていますか?
まだ断言はできませんが一桁万円の前半の範囲で予定しています。
光ブースターの発売楽しみにしています。
もし試されていれば教えていただきたいのですが、同軸→光→光→同軸が良いとのことでしたが、逆に光→同軸→同軸→光でも同等の効果を得ながら光2系統を同時に出力することはできるのでしょうか。
2系統得られると嬉しい環境なので、わかる範囲で教えていただけるとうれしいです。
ご期待ありがとうございます。
基本機能の説明として、ただ光を分配するのが目的ならば、光→同軸→同軸→光で光を2系統にすることは可能です。
ただし最終出力が光の場合は性能に頭打ちとなる限度があるように思います。光>同軸のクオリティには最終出力が光だと届きません。あくまで一般的な光より大幅に良い、中程度以下の同軸よりは優位な場合がある、という程度です。
当方の経験では光はレシーバー側の実装のほうが音質への影響が大きく、普通のレシーバーにブースターで光を送っても限度があります。光ブースターの光>同軸が明らかに優位な理由はレシーバーの実装を当方で管理できるからです。なので光のさらなる音質向上を狙う用途の場合は注意が必要で向上には限度があると思われます。
また2台組み合わせて2倍ループさせたから単純に良くなるとも限りませんし、最後が光ですと尚更です。このあたりはある程度上流の影響を受けてしまう設計ですので、現状のトランスポートの品位でも影響の出方が違ってくる可能性が高いです。
なるほど。
最終が光だと頭打ちになる可能性が高いということですね。
ちなみに光出力は2系統繋ぐと1系統の場合より出力が下がって音質に影響するなどデメリットはありますか?
>ちなみに光出力は2系統繋ぐと1系統の場合より出力が下がって音質に影響するなどデメリットはありますか?
原理的にLEDは常に電気的な負荷として動作し続けている状態なので、光の場合接続の有無で負荷は変動しません。電気的な劣化は送信モジュール自体を除去しない限り変動しません。
影響があるとしたらケーブルをぶら下げることによる影響はありえます。なので音は変化する可能性はあります。
なるほど、常に負荷がかかる仕組みなんですね、よくわかりました。
ありがとうございました。
性能的にはBNCが望ましいとのことですが、
デジリコにはBNCが採用される予定でしょうか。
将来は光ブースターとデジリコと入れ替える事になると思いますので、
同軸ケーブルを選ぶ為に教えて頂きたいです。
もしデジリコがBNCのみ、もしくはRCAとの差が大きいようでしたら、
BNCの同軸ケーブルを用意しておき、光ブースターには変換プラグを挟んで接続するほうが良いのかなと考えています。
参考までに今までの音質テストの傾向をお伝えします。まずBNC伝送の差は支配的ではないと感じています。本来の高周波伝送では重要となりますがオーディオでは支配力はないようです。ケーブルの種別や構造のほうがBNCかRCAかより音質的な影響は大きいと思われます。
そのためBNCを用意しても変換コネクタを多用したりすればあまりメリットもなく、高音質ケーブルと言われる製品がRCAを中心に展開しておりRCA優位が現状です。ご要望でもRCAにしてほしいという方が多いので、今後はBNCの採用は前向きではありません。
Integrarted 250ではご提案いただいたような仕様でした。本体はBNCでRCA変換コネクタをつける対応です。ただ上記の通り一部高音質ケーブルがRCAしか用意がないためRCA標準の要望が高まっている現状があると考えています。
こんにちは。リクロックetcなくシンプルに光/同軸変換となり個人的には楽しみです。RCAの方が一般的だと思いますが、オプション(追加料金)でBNCに対応頂けると助かります。でも、価格考えると難しですかね(^_^;)
もし5Vでしたら、USB5V電源対応だと電源色々選べて便利かもと思いました。
一桁前半の価格とのことにて、2台購入したいと思っています。よろしくお願いいたします。
目玉親父さま
ご意見ありがとうございます。そして購入のご検討ありがとうございます。
BNCオプションについては本体価格比で適正ではなくなる可能性があります。それなりに手間がかかる作業のためです。強いご要望であれば別途個別対応します。
電源端子についてですが最初期の試作ではUSBでした。ですが昨今では良質なアダプタ形状のDC電源も増えてきておりますので、今後はこのコネクタが主流となっていく可能性があり、そういう将来まで見据えたら現在の仕様のほうがアップデートの余地が高いかもしれません。高級ケーブルもこのタイプがリリースされる可能性もあるかもしれません。もしどうしてもUSBから通電したい場合はUSBからアダプタ端子に変換するコネクタなどがあれば対応もできそうです(そのような既製品で良いものがなければ特注の必要があるかもしれませんが…)。
以上すべてのご期待に答えられずすみませんが、ご参考までによろしくお願いいたします。
RCAよりBNCの方が好ましいとの事、BNCはインピーダンスが、いい加減ですからこの際、SMAにされた方が宜しいのでは?
本件ですが、BNCは相手側に採用機器がありますがSMAはオーディオでは接続先の製品側に対応がありません。基本はRCAが互換性+接続性の観点から最も良いという判断です。