光ブースター完売しました
先日のIntegrated 250に引き続き、完売ありがとうございました!
早速で申し訳ないですが光ブースターの後継品は構想をしています。現在製品ラインナップにデジタル系製品がなくなってしまったのでできるだけ早く製品ラインを補充したいと考えています。そこで光ブースターの後継はより本格的なリクロック対応DDCを考えています。現在開発中の次世代ハイエンド構想の一部を抜き出した製品になります。
確度の高い機能性能は次のような内容です。
- USB-DDC機能(対応レートは機能面より音質面を優先予定)
- 外部10Mクロック対応、内部にも低周波位相雑音の低いクロックは搭載予定
- 光SPDIF入力とSPDIFリクロックに対応
- リクロックの性能を活かすため、SPDIFはワードクロック出力に対応
- HDMI-I2S出力対応
- ACアダプタ仕様
今のところはこのようなイメージです。この製品は大半のDDCと違って光入力がつきます。なので光信号をリクロックして信号品位を改善する機能があります。これにより光ブースターではできなかった領域の音質対策ができます。
さらにハイエンド構想と開発により新しい方法論を開拓できましたので、今後すべてのデジタル製品で10Mクロックのメリットを活かせる設計になる予定です。
あとは確定ではありませんがネットワーク関連の対応を検討しています。現在低価格でAmazon musicから192kを出せるWiim miniがありますが、これと同じ機能を載せたいところです。ですがまだ確定ではないので過剰な期待はないようお願いいたします。ですが最悪ネットワーク対応ができなくても光入力をつけますのでWiim miniのような手軽な製品の音質を大幅に改善することがおそらく可能です。
予定価格は10万円前後を予定しています。本来はハイエンドラインが先と考えていてすぐに発売はできないと思っていますが、未だにIC類が入手しにくい状況(アナログ系とCPU系が難しい)が続いておりますので状況によっては大型の製品より先にこの小型でシンプルなDDCを先にリリースする可能性があります。とにかく手に入る部品で作れるものを作っていくしかない状況です。
このDDCは以前に予定していたデジリコでしょうか?
デジリコに似ていますが、中身は当時より進歩した内容です。しかしトランスポートの問題をすべてを解決できるわけではないと認識は改めました。ある程度改善はもちろんできます。なので命名は変更になる可能性があります。
USB入力でもリクロック機能はあるのでしょうか?
USBの場合は外部から来たクロックは使わず、本機の内蔵クロックがマスターとなるためリクロックとは表現されませんが、内蔵クロックは低周波位相雑音性能について外部10Mの性能を参照することができます。
簡単に書きますとUSB入力時も外部10Mの性能を活かすことは可能です。
返信ありがとうございます。
10万前後という事はSU-2やSU-6は超えてAMARIとも戦える性能でしょうか?
現時点ではまだなんとも言えません。ですが既存の製品より何らかの優位性は出せるようにはしたいと考えています。
少なくとも測定した限り外部クロックまたは高精度内部クロックを使うことによって、SPDIFなどに乗ってしまった周波数の長周期ゆらぎは除去ができています。もちろんこれは既存の製品でも可能な内容と思いますが、その限界精度(位相雑音性能含む)をどこまで出せるかのお話になるでしょう。最終性能はまだ最終候補の試作品ができていないので今はまだ未知数です。
DDC楽しみです。
今使ってるMC-3+USBにはI2S出力が無いので、絶対に買います。
10万円前後という事ですが、C/P比に優れた逢瀬さんの事ですので音質もMC-3+USBを超えてくると確信してます。
開発にあたって要望があるのですが、MC-3+USBの設置場所に置き換えるのでそれに近い寸法だと有難いです(W200前後、H50前後)。
ご期待ありがとうございます。
サイズについては大型になるのはコスト面でも避けたいと考えています。現在検討しているケースは左右幅が168mmのものと190mmのものですが、あとは端子面積が必要でこれが小型化の制約です。もし機能面の要望が多いと小型化は難しくなっていきます。
こんにちは。
個人的希望ですが、HDMI-I2S入力、SPDIF出力にBNC端子がつくと嬉しいです。
(HDMI-I2S入力があれば是非購入したいDDCです)
ニーズが少ないかもしれませんが、ご検討いただきたくお願いします。
ご意見ありがとうございます。
今のところですがHDMI-I2S入力はもともとMCLK独立でリクロックの重要性が低いことと、オプション端子のフォーマット継承が難しい(余剰端子のDSDフラグやI2C端子が独自に実装されている可能性がある点)などの理由で現在採用は考えていません。
ちなみにですがUSB-DDCは本機に乗りますし既存のネットワークトランスポート系はほぼUSBをサポートしています。ラズパイ系でもUSB端子が経由で接続いただくのが機能や実装をシンプルにする点では望ましいです。
今回の製品は先日回答したとおりケースのサイズに制約があるのでコネクタ類や実装規模の大きい機能は追加が厳しい状況です。SPDIFのBNC対応も同様で二系統出力を用意できるかがスペース的に怪しいので、RCAかBNCのいずれかの採用となります。今の時点の過去実績的にはRCAが優位です。
複数のお客様のご要望の内容を見て総合的に判断しますが、対応機器が少ない=ニーズが低いと思われる内容はできる限り減らしていく判断が必要な製品であることご理解いただければありがたいです。
先日は寸法に関するご回答、有難う御座いました。
もう一つ要望があるのですが。
外部10MHz入力に関する事です。
前述の通り、MC-3+USBからの置き換えなので入力インピーダンス75Ωを希望します。
とは言え、いつまでも過去の間違った慣例に囚われていては音質向上は望めません。
今時50Ωが常識なので、仕方がないでしょう。
せめてCYBERSHAFTの様に50/75切り替え機能を持たせる事は出来ませんか?
75Ωの、結構お高い同軸ケーブルを買ってしまったもので・・・
宜しくご検討下さい。
こちら現状確認で少し時間がかかりました。
まず厳密なインピーダンスマッチングのお話ですが、BNCの端子形状が違うので同じ端子で75/50の両用は結局理想にはなりません。神経質なマッチングの話なら端子は切り替え必須です。ですが両方の端子を用意することは省スペースと両立できません。
次に受け側回路ですが、現状のIC側は50Ωの特性しか想定しておらず75Ωで受けるための回路事例やデータもありません。波形を見ながら調整はできると思いますが、厳密な特性マッチングや性能保証が気になる場合は非対応とお伝えするしかありません。
最後に10Mクロック出力側の最大の問題です。実は75/50Ω問題より矩形波かクリップドサインかどうかのほうが重要です。現在10Mクロックに両方の製品が存在しますが、違う特性の回路で受けるべき内容です。
しかしオーディオ業界ではこれが統一されておらず受け側回路も両対応として兼用されています。本来これはインピーダンスマッチより遥かに重要です。現在はいずれも理想から遠い問題のある方法を使っているのが慣例です。本来は50Ω矩形波専用、クリップドサイン専用で回路を分けるべきだと思います。何も考えず片方の専用回路で受けることはかなり大きな問題があります。
今回の製品では別々に実装する余裕はありませんので、現在のこちらの実験回路はどちらの波形でも正確なデューティー比で矩形波に変換できるような回路チューニングをしています。(これによって75Ωへの対応力も上がっているかもしれませんがそれは未検証です)
以上まとめますと、確定しているのはコネクタは一種類しか載せられないこと。どちらかを選ぶならリファレンスの50Ωを中心とした対応とし、矩形波とクリップドサインを両方受けられるようにチューニングを行います。
75Ωについてはこれらとの両立が難しく基本的に非推奨です。ですが上記のように対応できる可能性はありますので接続を禁止とはしません。
以上ご参考までによろしくお願いいたします。
丁寧なご回答有難う御座います。
>50Ωを中心とした対応とし、矩形波とクリップドサインを両方受けられるようにチューニングを行います。
承知致しました。
50Ωでしたら、コネクターはSMA-Jが良いと思いますが如何でしょうか。
BNCはGNDの接触・外来ノイズ耐性ともに脆弱です。
今時、周波数カウンターでもN或いはSMAになってます。
SOULNOTEの10MHz発振機もSMAです。
何度も済みません。
SMAの件、ご検討下さい。
当社は選択肢の少ない方式は多くの人にとって利益があると考えていないので採用は考えていません。Diretta、Zerolinkなども同様の理由です。普及率が少なく将来的な発展や一般性が期待できない接続方式はお客様の真の利益だと考えていません。
すみませんがご了承をお願いいたします。今後SMA対応のクロックが国内外で幅広く展開され、価格レンジや品種が充実するようなことがあれば採用を検討いたします。Soulnoteの製品の実装が理想とお考えであればそちらを検討されるのが良いと思います。SMA搭載機ならSMA同士の接続が理想です。
ただしそういう機器の選択肢は実際のところ現在殆どありませんし、今後もおそらく増えることはないと思います。ここで書ききれなくなってしまったのでこのあとクロック関係の技術的な情報を記事でまとめますが、SMAでクロック伝送をする技術的な必然性もないと考えています。
本日新しい記事に詳細な回答を掲載しました。こちらをご覧ください。
https://ause-audio.com/?p=3976
矩形波orサイン波の受信側回路の問題を、日本語で言及されているのを先日のコメントで初めて拝見しました。海外メーカーの方は時々コメントされているのを見かけたことがありますが日本の他メーカーは無頓着なのかあえて目を瞑っているのか、私の知る限り見かけたことがありません。
理想を追求した場合、MUTECやUptone Audioはオーディオ用途の10MHzクロックには矩形波のほうに分があると考えているようですが、逢瀬様はどちらかに有利不利を見出されたことはおありでしょうか?あるいは送り・受けのマッチングさえ取れていれば波形による有利不利は特にないでしょうか?
本件新しい記事に色々まとめています。
https://ause-audio.com/?p=3976
こちらでも返答として短くまとめますが、
1.矩形波伝送
・送信にバッファをつけることができる。受信も一般的なロジック回路と互換性があり、直接IC同士の接続ができ汎用性が高い
・ただし広帯域成分を受けることになるため受信側の回路や基板設計やコネクタ精度の難易度はあがり、それらに問題があると即放射ノイズや反射波の問題が発生する
・コネクタやインピーダンスマッチングの重要性が高くなる
2.クリップドサイン伝送
・帯域外成分が少なく、放射ノイズの問題やインピーダンスマッチングの問題が起きにくい
・送信にICバッファは使うことができず、受信も専用の回路で行う必要がある
このように考えています。最高性能の高精度クロックがクリップドサインを採用していることはクリップドサイン自体に性能的な制約があるわけではないということを示しています。(矩形波の立ち上がり速度が重要は誤りの可能性が高い)
なのでこちらの考える理想形はクリップドサインで受け、受け側回路直近で高調波を含む波形に変換することです。ものによっては受信デバイスがクリップドサインを直接受けられることもあるのでその場合はデメリットはほぼないと思います。
ただし現実的な機器の実装の場合では両方の信号が来ることを考えなければならないのでどちらかに特化することは望ましくありません。これを他のメーカーがどのように考えてどのように対策を行っているのかは興味がありますが、あまり情報がないようです。
お答えありがとうございます。とても参考になりました。
良い製品を作られること、期待しております。