Nilai500とその他Purifi、Ncore系パワーアンプの空気録音比較

以前に予告しておりましたが、Hypexの新型Nilai500のグループバイに当たってオンラインで試聴ができるソースを用意いたしました。

Hypex Nilai500とPurifi 1ET7040SAのパワーアンプについて

注意点

  • 録音環境は同一(スピーカやDACやマイクは固定)ですが録音ゲインは多少の誤差があります。100V系の録音が200Vより1-2dBほど高いですが録音全体の誤差は最大でも2dB以内です。録音時のゲイン誤差は編集で0.1dB程度まで補正済みですが、もともとの録音ゲインの違いによって多少の影響があります。そこは厳密な比較ではなく、参考程度としてください。
  • 使用音源はフリーでダウンロードが可能な2Lの2L-056_04_stereo_96kHz.flacを使っています。他にも検証用として複数の楽曲の録音をしていますがこちらにすべてアップはしません。(若干わかりにくくすみません)
  • 200VのWF-P952のみ環境ノイズがやや大きいですがアンプによるものではなく空調と録音レベルの影響です。総合的には問題ないと判断し掲載しています。

空気録音データ

100V環境 Nilai500

100V環境 WF-P502L 1ET400A

100V環境 WF-P952 1ET7040SA

200V環境 Nilai500

200V環境 WF-P502L 1ET400A

200V環境 NC1200

200V環境 WF-P952 1ET7040SA

今後の予定

Nilai500グループバイの受付スタートは2月までに準備し案内予定です。次回はトップから特設ページへのリンクを新しく作成し、今回の録音データや過去記事に掲載した内容のまとめなどもそちらに掲載する予定です。事前のお申し込みもそちらからショップに移動していただき行う流れを予定しています。

録音について参考コメント

以下必要な方のみお読みください。

上記録音のみではわかりにくい現場で聞いた印象、掲載できなかった別の楽曲の録音結果と合わせまして、当方のコメントを追記しておきます。基本的には録音を聞いて各自でご判断いただくのが最適です。

Nilai500について

まず今回の注目であるNilai500は背景の静寂感や透明感ではすべての中で最も優秀だと思います。これは測定上でもSNが最優秀なので現場で聞きますとこれらが非常に優れていることがわかります。ですのでNilai500自体は繊細で丁寧な方向性のアンプと言う印象です。

またNilai500はP502の半分の電源容量で最も小さい電源のため駆動力の低下が心配でしたが100V環境では駆動力面でも十分健闘していると思います。おそらくですが従来モデルの電源よりも容量は小さくてもエネルギーを効率よく取り出せる設計になっているようです。

NC400 mono kitの位置づけについて

今回Nilai500に注目している方のうち現状でNC400 mono kitをお使いの方もいるかと思いますが、録音でNC400の基準とすべきはNC1200の高域+Nilai500かP502の低域です。この特徴を合わせた結果がNC400に近いです。Nilai500にアップグレードすることで低域や駆動力面で大きな向上はないと思いますが、背景音や中高域の精細な描写力は向上する可能性が高いでしょう。

高域について

NC1200とNilai500はフィルター非搭載なためか少しだけ付帯音を感じます。エージングでも初期の高域付帯音の印象を完全に払拭はできませんでした。比較によれば原因は帯域外ノイズを対策しているかどうかのようで、P952とP502はアンプ側に帯域外ノイズを取るフィルターがありますのでより素直な質感でした。

高域付帯音とは別の要素でもそれぞれに違いがあり、音像がシャープで細かい描写が得意なのはNilai500とP952で、P502は全体的にやや丸め、NC1200は少し雑なところがありそうです。あわせますと開発者としてはP952>P502≒Nilai500>NC1200という順番ですが、このあたりは何を重視するかによって順位や意見が分かれるところかもしれません。Nilai500やP952のような傾向は環境によってはシステムの問題をさらけ出し良い結果とならない、むしろP502のような方向性が合うこともあります。

200Vと100Vで傾向が変わる点に注意

今回比較して強く感じたのはアンプ以上に100Vと200Vの差が大きいことです。電源電圧は駆動力と切り離しては考えらないようで、200Vと比較すると100Vは全般的に立ち上がりが遅く、音が遠く、低音のグリップが弱いです。

参考情報として今回使用電源ユニットは3グループに分類されます。

  1. NC1200とWF-P952はSMPS3Kという3000Wクラスの電源を使用
  2. WF-P502LがSMPS1200でこれは1200Wクラスの電源
  3. Nilai500は専用の500W電源

正直100V環境ではSMPS3K搭載モデルの真の実力は発揮できていないようです。100VでのP952は低域の下の方に重い帯域があります(全体的に立ち上がりが早く余裕もありますが…)。P502ではそういう傾向はなく100Vでも帯域バランスの良い音です。Nilai500も傾向はP502とにてますが若干P502のほうが踏ん張りの効く音でしょうか。ですが200Vと比較すると大きい差ではありません。

これらの傾向は200Vでだいぶ変わるように感じました。200VではNC1200が駆動力では優秀で次点でP952、これはどちらもSMPS3Kモデルです。P502やNilai500は駆動面では少し弱いと感じます。ですが意外なことに200VになるとNilai500がP502より若干力強いでしょうか。

SMPS3Kの100Vでの実力低下は家庭用電源の電流スペックに上でもそうなっています。通常15Aが定格ですから100Vでは3000W取り出すことはできません。ですが200Vなら15Aで3000Wです。ですので100V環境ではWF-P952の実力は最大限には発揮できないということです。またNilai500は従来の電源と傾向が違うのか100Vより200Vで強みを見せるようです。

以上です。

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