Hypex DIYpreamplifierの取り扱い開始と、製品についての印象
Nilai500と合わせて少量取り寄せました。こちらはNilai500とは違い即納でしたので、すでにキット製品の取り扱いをショップで開始しています。仕様やスペックや価格はショップページにて転載していますので必要な場合はご覧ください。
より詳細な実測データはこちらに最新レビューが掲載されています。
https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/hypex-diy-preamplifier-kit-review.43492/
プリアンプ部は測定で見る限り現代最高峰クラスと言える仕上がりです。ヘッドフォンアンプは最大出力がやや低いので、大出力が必要な音量またはそのようなヘッドフォンを使うかどうかが適合の分かれ目となりそうです。
ただ測定でわかる項目は製品の全てではありません。先日こちらで試しに製品を組み立てて概ね音の印象について理解ができましたので、それについて書きます。
DIY preamplifierの音の特徴
比較用にいくつか他のプリアンプとテストしています。Hypex社と同じMolaMola社の製品以外は具体的な社名やモデルの掲載は控えます。
- 基本的な性格は、駆動の癖が少なく、立ち上がりが早く、透明感もDAC直結比でほぼ失われない、よく出来た忠実系プリアンプです。
- 一部の高特性中華プリアンプと傾向は似ていますが、そこまで腰高でもなく、駆動のピーク感も少なく、立ち上がりが遅くもありません。よりバランス良く長く聞ける音です。
- MolaMola makuaとの違いは余裕やスケール感です。低域に一番差があります。音の傾向やキャラクターは概ね似ていますが価格なりの差はあります。
- あえて細かいところを指摘すると、中高域に少しハリがあります。また最低域の伸びと余裕はどうしても弱いと感じます。(DAC直結からの変化から推測)
- ヘッドフォンアンプも基本的には同じ傾向ですが、おまけとしては非常によくできています。やや駆動が重いヘッドフォンでもそこまで遅い、乱れた音になりません。本格的なヘッドフォンアンプと比べても意外なほど安定した駆動性能だと感じます。
- ヘッドフォンのバランス出力側は端子はバランス出力ですが、本格的な機器よりクロストーク性能が少し弱い印象です。
以上です。
低域については予想でしかないですが電源が弱すぎるか、プリアンプ基板のコンデンサ容量が少なすぎるかもしれません。電源とプリアンプ基板の配線が長すぎる割にプリアンプ側には小さいコンデンサしかないため、この配線の影響で電流的な余裕が失われている可能性があります。
DIY向けですのでネジ穴とスペースが開いている場所に中継基板を作り、そこでコンデンサの容量を補うなどすると一気に改善する可能性があります。もしこの点が治れば良い実力のプリアンプになりそうです。このあたりのテストがもしできたら結果を報告します。
気になった点
念のためこれも予めお伝えしておきます。
- 最大入出力レベルが低めです。コンシューマ製品ではまず問題がありませんが、業務機レベルと接続する場合はそのままでは入力レベルオーバーか、出力レベル不足となります。
- XLR入力が一つしかありません。XLRを複数入力したい場合には用途が合わない可能性があります。拡張部にXLR入力を自力で増設することはできそうですが標準ではできません。
- RCA出力がありません。こちらもXLRのホット+GNDからRCAへ変換ができると思いますが標準ではできません。
2023/04/15 コンデンサの容量追加テスト
後付のコネクタで+-15V電源のコンデンサ容量を追加するテストを行いました。コネクタ式なので着脱して効果の比較ができるようになりました。
追加の結果ですがこれは予想以上に有効です。低音の伸びと余裕が改善し中高域のハリも大人しくなります。試したコンデンサではやや低域がやわらかいと感じましたが、このあたりは並列で使うコンデンサを変更することでもう少しチューニングもできそうです。改造後の音はプリアンプとしてなかなかの実力だと感じます。
今のところプリアンプについてはほぼ反響がありませんが、もし興味があればこの追加用の電源基板もきちんとケースに合うように設計を行いましてショップに置きたいと思います。
コンデンサー等改良し商品化にたプリアンプは、おいくらくらいになりそうでしょうか。
P952と購入を検討しております。
asaさま
ご検討ありがとうございます。
プリアンプはDIYキットですので、同様にDIY向けとして完成品ではなく基板のみつける形で検討しています。もしお客様自身ではんだ付けやコンデンサの自由選定など、基板のみで対応が可能な場合はプリアンプ本体の価格そのままでおつけできます。
ですが電源基板含めて組み立て済み完成品が必要な場合は別途費用がかかります。対応できるかは時期にもよりますが対応する場合最低数万円程度は追加でかかって来ると思います。
P952ですが現在6月中の発売に向けてパワーアンプの最終検証と組み立て作業を進めております。Nilai500が7月に来ますのでP952はその前に出荷を予定しています。ただまだ予定は確定ではありません。ですが少量でも6月には出荷を出来るようにしたいところです。
その後、Hypex DIYpreamplifierの、コンデンサー改良版の販売計画
いかがでしょうか!
P952も落ち着いてきたので、プリアンプの導入を考えています。
宜しければ購入したいのでお願い致します。
ASAさま
製品のご質問ありがとうございます。
詳細なアナウンスをしておらずすみません。現状ですがプリアンプを購入いただいた方へ全員に追加基板の提供は行っています。ただし全ての付属品がついているわけではなくスペーサと基板のみおつけしているのが現状です。
それ以降の作業は一部はんだ付けやコンデンサの選定など各自で自力で対処していただく必要があり、こちらで実装はやっていないのが実情です。もちろんご質問等は対応可能です。
以上をご理解いただいた上でご検討いただければと思います。