近況報告(NU-DDC、AK4499DAC、業務用DAC)
項目ごとに記載します。
NU-DDCについて
発売延期の最大の懸念だったネットワークの音切れ問題が解決できる可能性が出てきました。現在ネットワークモジュールのメーカーと最新ファームウェアの検証を行っていますが、今まで音切れが必ず発生していた環境でもようやく音切れが発生しなくなりました。(以前の5月の新ファームでは問題は解決出来ていませんでした)
この問題が解決するまではNU-DDCは製品としてリリースは不可能と考えていましたが、ようやく解決の出口が見えました。近いうちに製品の量産設計を再開いたします。
AK4499特注DACのアップグレードについて
ここ数ヶ月でDAC基板の調子が悪いという故障報告が数件入っています。ヒアリングすると故障が発生している環境では常時電源を入れた状態、またはそれに近い形で運用されている事が多いようです。
内容はいずれも同じような症状です(出力レベルの低いchが出る等)。おそらくですが元々発熱が大きめの機材であること、発売からある程度の年数が経過していること、部品点数が多いため故障箇所自体が多いこと、これらの理由により故障率が少しずつ高くなってきている状況と考えています。
今はまだ修理や交換対応は余裕がありますが、今後に備えましてこの製品のアップグレードの優先順位を一旦高めることにします。当面はNU-DDCとは並行して進めます。
業務用DACについて
かなり前にハイエンドDAC向けとして開発を進めていた半ディスクリートDACです。この製品の簡単な構想のみ数年以上前に少しだけ紹介をさせていただいたかもしれません。これを発表できるタイミングが近づいてきています。場合によっては秋のヘッドフォンまつりで披露できるかもしれません。
一部の方はご心配かもしれませんのがご安心ください。この製品は逢瀬、WATERFALLブランドではありません。途中以降の開発は当社ではなく別のところで行っています。また設計の信頼性やポリシーは当社とは違う基準です。
この製品の基本構想や基本設計は当方のアイデアで、音質についても当方のノウハウが最大限投入されています。詳細はまだ公表できる段階ではありませんが、発表ができる段階になりましたら追加情報を公開いたします。チャンネルディレイやゲイン誤差についても問題ないことは詳細発表後に公開します。
以前のロードマップでは、業務用DACの発売後に同アーキテクチャのハイエンドDACを発売予定とのことでしたが、現在のロードマップは変更になったんでしょうか?半ディスクリートのハイエンドDACを逢瀬、WATERFALLブランドでも発売予定の場合、AK4499EX DACとの兼ね合いはどうなるんでしょうか?
今回情報をお出しした業務機DACと以前告知していた業務機は設計が別です。紛らわしくてすみません。
出来る限りわかりやすく説明しますが、本日記載した業務機DACはすでに逢瀬ではキャンセルとなった前世代ハイエンドDACプロトタイプが原型です。すでにキャンセル済なので当社のロードマップには以前から存在しなかった製品です。当社以外で開発を継続したものになります。
そのためこれは当社でサポート含めて取り扱う予定ですがHypexのNilaiキットと同じような別ブランド扱いになります。当然ながら逢瀬、WATERFALLのロゴはありませんし、機能や使い勝手も全く異なります。修理も当社は手続きを代行するのみです。
当社製の業務機はこれとは別のプランでしたが、今回DACを取り扱うことになりそうなので、変更になる可能性が高いです。AK4499EXは当社のハイエンドDACとしてそのまま継続開発になりますが、現状では業務機とはならない可能性が高いです。
すみません。
AK4499特注DACの「AK4499本格アップグレードの作業発注」ですが、失念しており申し込むことができませんでした。
今後のアップグレードのタイミングで、以前のアップグレードも、価格追加で併せてしていただくことは可能でしょうか。
marchさま
ここ数ヶ月お申し込みがありませんでしたので、もうすぐ決算期で在庫管理の都合もあり、アップグレードはつい先日締め切らせていただきました。
今後のアップグレードは今設計中ではありますが、まだ暫く先になりますのでそのタイミングでどのような状況となっているか次第です。必ず出来るとはお約束は出来ませんので予めご了承をお願いいたします。
新型DDC、楽しみにお待ちしております。
過去記事について、旧デジリコは外部クロックなしで高音質を実現可能とあるように読み取れたのですが、NU-DDCでは10Mクロックを利用可能とあります。この場合、内部クロックのみでもある程度の音質改善効果が期待できるが、外部クロックを入れることで更なる効果が得られるという理解で正しいでしょうか?
ご返答遅くなりましてすみません。ご理解その通りで問題ありません。またクロックによる音の差もありますので、外部ではそのあたりも調整可能という意味でもあります。
新しい業務用DACはI2S入力端子は着く予定はありますか?
DSDとPCMの切り替え時のポップノイズは出ない配慮はなされる予定でしょうか?
クスヤマさま
現在仕様は打ち合わせ中ですが今のところDSDはSDIF-3(注意:SPDIFではありません)入力での対応のみになります。HDMI-I2Sは業務用では採用例がありませんので対応しません。
また現在の試作機にはUSBがありますがこちらからの接続ではノイズは大丈夫です。ですがドライバ安定性の懸念がありUSBは正式に非対応非搭載となる見込みですので、今の予定ではSDIF接続でDSD/PCM再生をしていただく形になります。
以上ご参考までによろしくお願いいたします。
NU~DCCの音質ですが、当方、tambaqui dacを所有しており、usb接続しており、この音質には十分に満足していますが、tambaquiはI2S接続可能なので、これがどうなるかには興味があります。roonはtambaquiはroon認定されているので、NU~DCCにもっぱら期待するのは、USB接続してのI2S変換です。わざわざ接続できるようにしているので、鳴らしたくなるのは、オーディオマニアの性ですね。Bruno Putzeysにはなんらかの意図があるんだろうと思っているんですが。gustard、singer、sonore と比べて、NU~DCCの音質面で差別化の意図について教えていただくとありがたいです。
ご質問ありがとうございます。Tambaquiと同等と思われるMakuaをテストした印象では入力の影響に敏感な方でしたので、より上流側の音の差は比較的受けやすい機種と思います。
DDCについて、gustard、singxer、sonoreとの比較をご希望とのことですが、個別の回答をつけることは非常に難しいです。簡単にまとめると次のような回答になるかと思います。
・大抵のDDCはUSBまたはネットワークに特化しており、豊富な入力と出力機能を持たない
・femtoクロックは音質的ベストではない、低周波ゆらぎ対策を考慮している機種が少ない
・10MHzの性能を活かす最新技術、特にSPDIF系の同期補正機能は実装が非常に難しいがそれを実現していること
・低周波ゆらぎ対策用リファレンスとしての10Mクロックと、ジッター対策用リファレンスのクロックを分割している
機能面に限ればUSB入力+I2S出力のみが目的となるとNU-DDCの優位性は多くないです。機能的に同等な機種にsingxer SU-2があります。ただ音質を比較しましたが標準状態のSU-2であればNU-DDCのほうが優位と思いました。これは内部のノイズ対策やクロックの対策レベルの差だと思われます。
外部クロック対応の機種自体は既存の製品でもありますが、この性能をどうやって活かすかは色々な方法論があり、同時に100%性能をそのまま発揮できる方法はないと思われます。これをいかに優れた実装とするかが重要なところになってきます。NU-DDCでは最新の技術を使っており、特にリファレンスクロックの分割は事例の少ないアピールポイントと考えています。
以上ご参考までによろしくお願いいたします。