ヘッドフォン祭2023秋の出展お知らせ
久しぶりの出展となります。長らくコロナの自粛でイベントも縮小、入場制限がかかっていたため出展は見合わせておりました。そのため今回は3-4年ぶりの出展となります。その間に多くの試作品や新製品を制作しておりますが多くの方にそれらを聞いていただくタイミングはありませんでした。なので今回はここ数年の集大成と言えるような出展にしたいと考えております。
残念ながら相変わらず入場制限があるようなので、もしご興味がある方は以下のリンク先のフジヤエービックさまのページより事前の申し込みをお願いいたします。
イベントのご案内
https://www.fujiya-avic.co.jp/shop/pg/1headphonefes-2023at/
配置は5Fの501Aルーム、黄色で囲まれたスペースです。
出展内容について
厳密な比較や試聴を希望される方は4ピンバランスXLRに接続可能なお持ちのリファレンスヘッドフォンを持参ください。こちらで用意ができるのはFinal D8000のみになりそうなので現行の最高クラスのヘッドフォンと比較して十分とは言えません。アンバランス接続には対応しませんのでご注意ください。
今回は机のスペースが以前より小さいためフルシステムは1名ずつの試聴になる見込みです。システムは次のような構成を予定しておりDACの聴き比べを可能にします。
- ネットワークトランスポート:Wiim pro(Amazon HD) または WATERFALL NU-DDC(Qubuz正式スタートの場合)
- DDC:WATERFALL NU-DDC(Wiim proのSPDIFをクリーンナップ)+高精度OCXO使用10Mマスタークロック
- DAC:試作AK4191+AK4499EX DAC、Mariana Blue Sound製 Marlin DAC(業務用DAC)
- トランスアッテネータ:6dB単位のゲイン調整+DAC系統切替用途
- ヘッドフォンアンプ:ボリュームレス フルバランス仕様 試作品 4ピンバランスXLR接続のみ対応
- 当日の比較用途やトラブル対策予備機として、Topping A70proとSMSL DO300EXも用意しておきます。
以上です。
このうち赤字は正式名称の製品候補としての出展で細かい変更は可能性ありますが基本仕様は出来上がっている製品です。緑字は試作段階の品でありこれらは大幅な変更の可能性がまだなだ高い状態です。
Mariana Blue Soundと Marlin DACについて
Mariana Blue SoundはFPGAエキスパートかつ回路基板設計エンジニアでもあるterashima氏による新興ブランドです。その第一作となるのがMarlin DACです。販売やサポートは逢瀬で行いますが、開発や製造はMariana Blue Soundが行います。
今回発表となりますMarlin DACは逢瀬とMariana Blue Soundの共同開発品です。もともとは逢瀬の旧ハイエンドDAC候補製品プロトタイプでした。この初期プロトタイプでは回路基板設計を逢瀬が担当しFPGAの開発をMariana Blue Soundが担当しておりましたが、現行品は回路基板筐体設計もFPGA設計もすべてがMariana Blue Soundによるものです。
プロトタイプからは大幅に改良を重ねられており現在はかなりのレベルの音質的クオリティとなっております。
Marlin DACの特筆すべき特徴は次のとおりです。
- ハーフディスクリートによる高速16bit Multi Bit Delta Sigma DAC(完全モノラルバランス構成)
- 現行のDelta Sigma DACと違う音質アプローチ。bit拡張による帯域外ノイズの大幅な抑制と素直な周波数特性の両立
- FPGAによる高精度オーバーサンプリングフィルターによりMHz単位領域までAK4191を超える性能を実現
- 独自方式により入力周波数へ完全同期かつ強力なジッター除去機能をFPGAで実現
機能、仕様面は次のとおりです。
- 受け側機器の許容信号レベルに合わせ+20dBuと+24dBu出力を選択可能
- SDIF-3インターフェースに対応。独自拡張によりDSD信号も11.2MHzまで受信可能
- 0dBFS時LR誤差を0.1dB未満の厳密なレベルマッチング(出荷時内部デジタル補正、有償キャリブレーション対応予定)
- SPDIF同軸、AES、オプティカル入力に対応
- 2Uラックマウント仕様
- THD+Nは90dB前後、SNRは115dB前後
予定販売価格は50万円前後ですが今後量産に当たって変更となる可能性があり目安としてお願いいたします。発売時期は来年初頭を目指しておりますが、こちらもまだ確定ではありません。
音質的にはAK4191+AK4499EXの逢瀬ハイエンドDACを脅かすほどですが、実際のクオリティについてはイベント当日に直接比較できますのでそこでご確認いただければと思います。
このアーキテクチャを逢瀬でハイエンドDACとして採用しなかった理由は一点のみでデジタルボリューム使用時の音質劣化問題です。R2Rに近い特性になっていますのでデジタルボリュームで絞ると精度が悪化してしまう問題があります。そのためコンシューマ用ハイエンドDACとしてのデジタルボリューム使用の柔軟性や運用面は確保できません。
そのためこのDACは業務用として機能や仕様を特化して発売する流れになりました。
Marlin DACは高性能のアナログボリュームとの組み合わせでは相当な実力がありますので今回のイベントでもトランスアッテネータを用意し試聴していただけます。もしMarlin DACと比較して現状のAK4191+AK4499EX DACに優位性がない場合、当社のハイエンドDACは一旦延期しさらなるクオリティの向上のためにお時間をいただきたいと思います。今回のイベントはそのデータを取るために使いたいと考えております。
試作品ヘッドフォンアンプについて
こちらもご興味を持たれている方がいると思いますが、残念ながら内容の詳細についてはまだ公開はできません。今回はテスト中のアンプモジュールの初のオープン評価の機会となり、評価や印象次第で製品化を検討する段階です。
現状はA級フルディスクリートフルバランス駆動のアンプになっています。現状では許容電力や電圧を低く小型低発熱に抑えておりますが、製品化となりましたら現状よりも全体的にスペックアップの予定です。ですのでフルスペック品というよりポテンシャルを見極めていただくための参考展示となります。
こちらは皆様の意見次第で製品になるかどうか検討を行いますので、ぜひ試聴いただきまして率直なご意見をいただければと思います。
Marlin DACはハーフディスクリートとのことですが、DACチップは不使用なんでしょうか?
ご質問についてですが現時点の中身に関係する既出公開内容以外はお答えできません。
補足:理由は当社の製品ではないためです。現在掲載中の内容も相談し許可を得た内容のみ公開しています。内部詳細の情報開示は許可されません。
自前のDAPとUSBケーブルを持ち込んでNU-DDCに接続することは可能でしょうか。USB-BまたはCでの接続です。
白樺さま
すみませんがDAPは手持ちがなく接続を試したことがありませんので確実に動作できるかは不明です。ですが当日持ってきていただいてテストしていただくことは問題ありません。こちらとしても動作テストになりますので助かります。USB端子はBのminiでもmicroでもない通常サイズとなります。