今後のDAC関連の構想について&AK4499特注DACのアップグレード対応&光ブースターの量産状況

光ブースターの量産状況について

現在ケースは発注済みで量産段階、電子パーツが6月に最後の部品が納入予定、部品が全部到着次第基板の量産に入ります。組み立てはそれ以降になるので早くても7月以降の再販になる見込みです。

DACの構想について

先日AKMから新型チップのAK4499EXが発表されました。これは待望のチップ分離型です。当社としてはかなり前から強く希望していた仕様ですので是非AK4499EXを使った製品を出したいと考えています。

ただし最大の問題は昨今のコネクタ類、半導体類の不足です。試作までは以前に購入していたストック部材で間に合うのですが量産は非常に難しい状況がまだまだ続きそうです。ですがDACチップが手に入るタイミングになったら試作は先行して開発しておきたいところです。

おそらく当社より先に中国の製品がリリースされることと思いますが彼らとは特化する部分が異なりますのでこちらは急がず確実に良いものをお届けできるようにじっくり開発を行います。特性もそれなりに確保する予定ですが特性特化にはせず現実の音質特化になります(具体例:光ブースターでDAC出力特性は変わりませんが音は変わる)。

AK4499EXの製品ですが(今の予定では)久しぶりにシンプルなハイエンド志向の純2ch-DACとして出したいと考えています。以前リリースしたAK4499特注DACのような複雑な製品にはしません。基本コンセプトは「単体DACとしての性能を活かすためのレイアウトや最適化にこだわる」ことです。光ブースターを購入された方は理解されたかもしれませんが中途半端なUSB-DDC機能も不要なのでAES/SPDIFやI2S入力のみにするかもしれません。この場合DSDはI2Sで対応します。

先日仕入れた旧型のAK4499EQを使った製品は優先開発ターゲットから外します。とはいえAK4499EQの在庫は有効活用したいので上記製品とは全く別の性格の製品を企画しております。こちらはまだ何も発表できる段階にはありませんが、半導体が安定供給できる時代が来てからの発売になる可能性が高いです。

「AK4499特注DAC」の追加アップグレードについて

先日AK4499特注DACにシンプルなハードウェア的対策で音質を改善できることがわかりましたので追加のアップグレード対応を検討しています。またソフトウェアによるデジタルフィルターの特性追加または更新も予定しています。ただし提供時期はまだ未定です。

今回のノウハウは当然ながら今後の上記ハイエンド製品にも全て投入されます。そのうちの一部をAK4499特注DACにも適用する形です。上記EXを使った次世代の製品はリリースまでかなり時間がかかりそうですので当面はAK4499特注DACを改装して対応します。

参考までにですが以前にご案内した内蔵電源ケーブルへのコアの追加や電源回路の抵抗除去と比較して更に根本的な性能向上につながる重要な更新内容です。

音としては立ち上がりや駆動力を改善するような方向性です。これにより中域がよりクリアになり上下レンジが伸び、細部描写や空間焦点が良くわかるようになり、定位の鮮明さ空気のディテール描写が改善するという非常に前向きな内容になっています。

すぐにでも対応をというお話になってしまいそうですが、改造にはいくつかの段階がありどの段階を提供するのが最も安全で現実的かという判断が必要で、長期動作の安全性のチェックのためこちらでは現在試験品を実際に使用しながら動作確認を続けている段階です。問題ないと判断できましたらアップグレード対応を開始します。

今回の改良自体はさほど難易度の高いものではありませんが、重要なノウハウになりそうなので基本はこちらで製品をお預かりして対応する形になります。ですので今回はすみませんがキット購入の方への自力アップグレード方法の開示は行いません。なお費用については前回の電源アップグレードと同様のレンジを検討しています。

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今後のDAC関連の構想について&AK4499特注DACのアップグレード対応&光ブースターの量産状況” に対して4件のコメントがあります。

  1. hdo より:

    AK4499EX 期待しています。
    価格的には50万円を超えそうでしょうか?

    1. ause より:

      ご質問ありがとうございます。現時点ではチップの価格もわかっていませんし、周辺回路に必要なリソースも見えていません。昨今の仕入れ価格上昇の流れもいつまで続くかわかりませんし、最低限量産試作を行うまでは販売価格は全く予想できない状況です。

  2. lethex より:

    コメント失礼致します。
    素人考えて恐縮ですが、DirettaやZERO LINKへの対応に興味があります。
    逢瀬様の見解をお聞かせ下さい。
    宜しくお願い致します。

    1. ause より:

      lethexさま

      ご質問ありがとうございます。少々長くなりますが、こちらの見解について回答します。

      まずZERO LINKのほうですが、AKMのDACだとあまりメリットが無いのが実情です。完全なDACマスター動作にすることができないからです。外部でFPGAなどを使えば可能かもしれませんがそこまでして対応したいという意欲は今のところありません。その理由なのですが、オープン規格と銘打っていながら実態は個人には情報を開示しないなど対応に疑問点があるからです。

      この判断が示すのは情報の開示にメーカーなどの思惑や権利、可視化されないトレード条件が奥に絡んでいる可能性があり将来的な懸念を強く感じます。ですが今後真にオープンな情報提供が行われることがあれば内容を見て検討します。

      Direttaについては将来的なユーザー体験の未来のあり方に反する可能性が高いため現時点では懐疑的です。私の認識が正しければDirettaには現時点でPCが必須だと思うのですが、誰もがPCトランスポートを使うわけではないです。今後トランスポートのあり方がどのように変わっていくのかはまだ予想が難しいです。スマートフォンなど全く別の選択肢が主流トランスポートになる時代が来たとき、現状のDirettaは対応が難しくなる可能性があります。もう少し世界的な標準規格の流れを見極めて判断したいと考えています。

      以上の回答から推測できる通り、当社はできる限り多くの方が普通に使える規格を重視しています。特定企業の独自技術に音質を依存することなく、どのような機器であっても一定の音質を出すことが大切です。これは不便でクローズで融通の聞かない高音質より大事なことだと考えています。

      こういう思いがあって光ブースターが生まれたとお考えください。

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