パワーアンプ関連の今後の展開を急遽変更します

最近諸々の予定変更が多くすみません。理由はHypex社とPurifi社から急に新製品が発表され、予想外の展開となったためです。それを受け当社のハイエンド的な製品の位置づけと展望は一気に不透明となりました。

従来予定していた1ET7040SAを使ったパワーアンプは仕入れを行ってしまった関係でリリースをしますが、それはハイエンドというより502Lの上位版という位置づけに変更します。以前の構想ではBTLモノラルとステレオの切り替えができる機能、ゲインスイッチ機能、レベルメータ表示機能などを検討していましたがこれらは削除します。もちろん間に合わせの設計変更ではなく機能や外観のシンプル化になります。モジュールの良いところをできるだけ引き出す設計を心がけるのは今まで通り変わりません。

状況についてもう少し細かく説明します。実は昨年末以降Ncoreの次世代になるハイエンドモジュール候補として3つの新製品が発表されました。しかしこれはまだ始まりでしかなくこれで終わりではないと思っています。彼らが今後どのような製品展開を行うのか全くわかりませんし、それらの実力もわかりません。

一見基本スペックは確かに向上していますが、すでにどれもスペックだけで音が決まらない領域に到達しています。ですので今後の構想はそれらのすべての評価が終わったあとに改めて検討する形とします。それまではシンプルなパワーアンプ、できる限り抑えた価格での展開を基本とします。

国内では情報がほとんどないと思いますので、現在発表されている各製品についてこちらで紹介してみたいと思います。

Hypex Nilai500

こちらはDIY市場向けの製品なので、当社が独自の製品として販売することはありませんが、新しい技術によって基本スペックをPurifiの1ET400Aと同等以上に高めたモデルになります。オリジナルの開発者であるBruno氏が不在となり将来が危ぶまれていたHypex社ですが、見事にこのような新製品をリリースしてきました。今後の展開が非常に楽しみです。

OEM向けの組み込み用モジュールの今後の展開はまだ未知数ですが、Hypex社は電源一体型モジュールを作ることができるのがPurifi社に対する最大のアドバンテージです。しかしPurifi社はすでにアンプ単体モジュールとしては史上最高クラスの製品の開発が先行で完了しており、今からHypex社がNilai500の上位アンプモジュールを開発する意義はそれほど大きくないと考えます。であれば既存のMPモジュールを新世代にアップグレードし組み込み向けのより廉価な市場を先に抑えに行くのが賢明かと予想しています。

ですがHypex社がどう考えているかはわかりません。先の展望はこの通りになるとは限りません。いずれにしても今後ラインナップが刷新され新世代モジュールの時代が来ることは間違いありません。

当社としてはまずはNilai500の評価行います。現行のPurifi社の製品と比較し新技術のポテンシャルを確認してから今後については慎重に判断したいです。とにかくあわてて新技術ラインを使った新製品を矢継ぎ早に販売するなどということは避けたいと考えています。

Purifi 1ET7040SA

1ET400Aの高出力版といえる位置づけの製品です。こちらのみテスト済みとなります。1ET400A比でスペックは大きく変わっておらず性能だけならむしろ1ET400Aのほうが良い部分があるのですが、実際の音質は1ET7040SAのほうがよく、しかも結構な格差があると感じました。

理由としてはピンヘッダのGND結合強化だと予想しています。1ET400Aではプリバッファ基板との結合が弱いですが1ET7040SAではピン数が大幅に増えて両者の結合がかなり強化されています。これによりNC500以降共通していた神経質な音質になりにくく、全体的に余裕があって伸びのある音に仕上げやすいです。また出力もだいぶ余裕があるので大出力電源と組み合わせた駆動力が魅力でした。これにより従来のNcoreにあった、NC1200は駆動力が高く余裕があるが高域が荒くなる、NC500は神経質になりやすい、という問題を同時にクリアできています。

ということで音的にも性能的にもこれが最近までハイエンドの有力候補だったのですがこの予定はキャンセルします。ただしこちらのモジュールはすでに仕入れを行っていますので、これを使った製品は予定通り今年~来年初頭にはリリースしたいと考えています。

変更するのは製品の位置づけです。当初の予定を変更し502Lの上位版となるシンプルな普通のステレオパワーアンプ製品で価格を抑えたものとし複雑な機能はすべて除外します。

Purifi 1ET9040BA

こちらはほとんど情報がない新製品です。噂レベルですがBTLで最大出力を大幅に強化し最大1500W、さらに1ET7040SAや1ET400Aよりノイズを低く抑えているという話です。これが事実なら1ET7040SAの存在意義はほとんどないようにも思えますが、基板のサイズと出力限界スペックを見る限りは棲み分けはできそうです。例えば電源の最大出力から判断しても1ET7040SAはステレオパワー向きで、1ET9040BAはモノラルパワーアンプ向きです。

ただしこのようなラインナップ展開になるかは1ET9040BAの音質と、Hypex社の今後の動向次第です。予想外にHypex社も高出力モジュールを出してきた場合は両者を比較してどちらか一方を選ぶことになります。

懸念事項として電源電圧が90Vになっているようなのですが、今までの経験的に言うと電源電圧が上がると高域が荒れやすくなります。理由はスイッチングする電圧自体が上昇するからです。Hypex社もPurifi社もEMC的な性能は非常に優れておりどちらも漏洩ノイズも残留ノイズも少ないですがそれでも微妙な質感の差はあるように思います。1ET400Aや1ET7040SAは電源電圧が低めですが1ET9040BAは高めになるのでその部分で良いことばかりではない可能性があります。

ですがBTLになるとこの問題は緩和される傾向もあるのですべてが同時に向上している可能性もあります。このあたりは実際の出音が一番大事なので現物を評価するまで結論は出せません。

もう一つはプリバッファのあり方です。基板を見る限りバッファは事実上一体化されており音質チューニングの余地についてどこまでできるのかわからないことも多いです。NC1200のように基本はオンボードバッファを想定していて必要に応じて外部バッファに切り替える方式かもしれません。一体型仕様はオンボードバッファを使う限りメリットしかありませんが、外部バッファを使いたい場合基板同士の結合が弱くなって音質的に不利となる問題がありそうです。

当社にとって最も悪いシナリオは1ET9040BAが大変素晴らしく圧倒的でありながら手を入れると悪化する設計の場合です。そうすると標準で使うのがベストとなりどの会社の1ET9040BA製品を買っても音はほとんど同じなのでわざわざ当社が手掛ける意義を感じないです。(その場合安い海外製で良いとなります)

いずれにせよ1ET7040SA以降の展開については、Nilai500、1ET7040SA、1ET9040BAの音質傾向をチェックしてから判断となります。実際にチェックして1ET9040BAに特別な優位性がなければ新製品は作りません。

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パワーアンプ関連の今後の展開を急遽変更します” に対して2件のコメントがあります。

  1. hdo より:

    Nilai500と1ET9040BAのサンプルが入手でき
    評価されるのはいつごろになりそうでしょうか?

    1. ause より:

      今のところ情報がなく一切不明です。これに関する海外情報はほぼ毎日チェックしていますが最近は動きはありません。いずれにしても取り寄せ試聴ができましたらこちらでご報告します。

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