近況報告(光ブースタ・パワーアンプ・ハイエンドDAC関係)
光ブースター関連
こちらで販売再開しております。以前アンケートにして投稿頂いた方には先行でメール連絡をしましたが、リクエストに対して余裕を持って生産しましたので今回は即在庫がなくなることもなく現在も20台ほど在庫が残っている状況です。
販売もだいぶ落ち着いてきておりまして必要な方にはほぼ行き渡っている状況と思われます。今回は売れ行きのペース的に完売後の再販は不要そうなので、次回再生産があるとしたらVer2という形で内部を改良した製品を作りたいと思います。ただし構想も予定も何も決まっていませんので出すとしてもパワーアンプ以降になると思います。
新型パワーアンプ(P952)関連
いくつかのシステムで音が厳しいというご意見をいただきましたので音質の再調整を行っていました。特に当社以外のDACを使う場合に厳しさが出やすいようです(おそらく帯域外成分の影響)。
そのため以前にお伝えしていた設定のままですと他社製品との組み合わせで厳しすぎた部分があり、できる限り性能を維持したまま厳しさのみ緩和する設定に再調整を行いました。それに対応するためインプット部の基板を作り直しました。
現在はP502L世代の良さである外来ノイズ耐性を更に強化しつつ、P502L世代よりも入力インピーダンスに左右されにくい、初期試作型の伸びのある周波数応答も同時に実現しており、当初の目標であるキレの良さは維持しながらも使いやすさに配慮した設定へと変更いたしました。そのため製品としての完成度は以前の告知時より上がっていると思います。ただしP502Lと同様で入力駆動のインピーダンスは600Ω以下が推奨です。
近日中に先行試聴をスタートする予定です。外観を含めますと完全に最終製品と同じではないですが内部的にはほぼ最終製品候補となっていますので音についてぜひご評価ください。なお今回の製品は内部配線の最適化のため背面での電圧切替は不可能で100/115V固定(製品では出荷時に希望に応じて設定)となっておりますのでこの点はご注意ください。
ハイエンドDAC関連
パワーアンプが落ち着いてきましたのでこちらも開発を進めています。と言ってもDACチップを使ったDAC部ではなく前段デジタル部の試作検証が今の中心課題です。現在お伝えできることは限られていますが製品の購入のための事前検討に必要と思われる情報はできるだけお伝えしたいと思っています。
以前にお伝えしておりますが今回のプロジェクトは慎重に進めますので急いで製品をリリースすることはありません。以下現在お伝えできる構想です。
- 以前の記事のDAC部はシンプルにするという構想は維持
- DAC部のデジタル回路は大幅に縮小しDSPやDDCは非搭載とする
- DAC部にはアナログ領域の課題(ゲインと出力駆動関連)を調整&解決する能力を持たせる
- デジタル部はDAC部と分離され、DDCやクロックの追求やDSPはデジタル部に集中させる
- クロック関連の対策を大幅に強化、システム全体としての本質的対策を可能な狙える構成とする
大まかには以上です。製品としてデジタル部とDAC部をどう統合するかは未定ですが、今の時点では開発を別々に行っています。
とにかくDAC部はアナログ的に足を引っ張りそうな要素をできるだけ排除する方針です。DDC搭載をしないのもその一環です。SPDIF関連も正直問題が多いので最低限ワードクロック対応など外部からの追加対策が必要と考えています。ただしSPDIF周りは仕様が最終的にどうなるのかまだ未定です。独自インターフェースにすれば問題は対策しやすいですが柔軟性がなくなるのでこの選択肢はできる限り避けたいところです。
おそらく今回の重要な追加情報はクロック関連の対策を全面的に行うことが確定した点でしょうか。トランスポート側含めたワードクロック、マスタークロックの扱いについては各社から対策方法が提案されていますが、当社としても必要な要素を盛り込みたいと考えています。しかも可能な限り既存の規格に則った接続性の高い実装が望ましいです(多くの機器との接続性や拡張性に配慮)。
特に光ブースターで対策しきれない、解決が出来ない領域はほぼトランスポート起因なのでそこにどこまで切り込んでいけるかです。そのためにデジタル部の機能とDAC部の連携が重要になります。従来のASRC単体設計では限界がありますので追加の解決方法を実装します。詳細についてはデジタル部の開発が落ち着いてきた段階でお伝えできればと思っています。
最後に使用予定のチップの4499EX発売開始がメディア告知でありましたが当社はまったく進展なしです。代理店からはチップのサンプル提供の返答も来ていないので当面テストも出来ない状況が続いています。ですが上記の通りデジタル部の検証を行っているため、まだDAC部に取り掛かる余裕が全くなく開発進捗への支障はありません。