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Integrated 250の入出力仕様

こちらにつきましてもメールでお問い合わせ頂いておりますので情報を追加いたします。背面パネルのシルクデザインデータを公開します。これで入出力仕様の大まかなところの判断材料になるかと思います。パワーアンプダイレクトのみ反転色として他とは仕様が違うことを示しています。

シルクレイアウトとしては端子をしっかり囲むラインを描く一般的な例とはちょっと異なるデザインですが、端子の配置が不規則で完全に囲むことが出来ないためちょっと変わった配線になっています。シルクデータだけを見ると理論的な配置なので、不規則な端子と合わせてもなんとか整合性が取れて見えなくもありません…。

アナログ入力

  • パワーアンプダイレクト1系統

アナログ出力

  • パワーアンプ出力 ステレオ1系統
  • DAC出力 ステレオXLR1系統
  • DAC出力 ステレオRCA1系統

デジタル入力(最大レートはチップ仕様ですが未テストです)

  • USBデジタル 標準:XMOS オプション:Amanero Combo384
  • HDMI-I2Sデジタル MAX:768kHz/nativeDSD512/DoP256
  • 同軸コアキシャルRCA MAX:768kHz/DoP256
  • 同軸コアキシャルBNC MAX:768kHz/DoP256
  • オプティカル2系統 MAX:192kHz

USBはXMOSの最大レートは調査中です。仕様では384kHz、DSD256までの対応ですがDSD256は未テストのため現在のところ確実な動作ではありません。残念ながらXMOSのドライバはthesycon製ではありません。オプションとしてCombo384を選択いただいた場合にはDSD512までの再生をサポートします。

まだ未完成ですが開発中の写真を公開します。液晶画面がグラフィック表示になりました。これによって遠くからでもボリュームが見やすく、設定画面の文字数の増加、レートや入力とモード表示も同時にできるようになりました。

ただし表示内容は仮のものなので製品版では変更になる可能性があります。

 

Integrated 250のDAC専用モデルに付きまして

本件について先日お客様よりメールでお問い合わせがありました。やはりご要望いただいておりますのはDAC専用機です。結論から言えばDAC専用モデルはいろいろな理由がありまして用意できません。

DAC専用機にすればもっと音質が良くなり価格も下がると思われるかもしれませんので、これらについての実際のところを回答したいと思います。このような複雑でわかりにくく前例のない構成であるからこそ、これらの説明責任があると感じています。

まず「どうしてもセパレートが欲しい」というニーズは理解しています。それは理論的な部分ではなく感覚的、経験的な部分です。音楽自体が感覚を扱うジャンルですから感覚的な部分を無視するべきではないと認識はしています。スイッチング電源より巨大トランス、デジタルアンプより弩級アナログアンプに対する伝統的な印象のようなものだと思います。

そして今Integratedしか用意が出来ないことは経営上の問題でありお客様にとってはまったく関係ない部分です。この点につきましてはお客様のご期待に答えるためのリソース不足にて大変申し訳ありません。

そのかわり製品としての機能を高め、音質は全く低下しないような努力をしています。現状で逢瀬が取れる選択肢の中で最もコストパフォーマンスが高く、実際の購入後にお客様にとっても利益が最も高い形態こそがIntegrated 250の形だと信じています

ですから、Integratedだから、パワーアンプとDACがくっついているから無駄にコストが高い、それによって音質が低下している、このような認識は全くの事実ではないことについて、理性的に解釈して頂ければ幸いです。

Q:Integrated 250のDAC専用モデルをリリースする予定はございますか?

DAC専用モデルの予定はありません。それにはいろいろな理由があるのですが、まず肝心の音質についてです。

DAC専用機にすることで大幅な音質向上はないと考えています。Integrated 250にはDAC専用モードが搭載されます。DAC専用モードはNcoreスイッチングアンプの動作が停止しますのでスイッチングアンプ由来の漏洩ノイズが無くなります。この設定にするとDACの音質はIntegratedモード時より良くなります。この機能があればDAC専用機は不要だと考えています。この専用モードがあることで実質DAC専用機として使用出来ます

音質向上はない根拠として、Integrated 250の初期試作時に4495特注DACとまったく同じトランス電源とリニアレギュレータの組み合わせでDAC部をテストしていました。ですがNcoreモジュール上のスイッチング電源に入れ替えた後でも音質レベルは同じでした。その後先日ご報告した新しい対策によってトランス電源で実験していた頃よりもさらに音質は向上しています。

ですので安易にDAC専用モデルにしてもIntegrated 180と4495特注DACのような大きな差は出ないでしょう。逆に現在の技術でIntegrated 180と同じPCM1795+UcDの一体型モデルを作ったら、4495特注DACより良いDACを載せることが可能です。当時はまだ現状ほどの音質対策ノウハウが無かったためです。このように一体型である制約よりも細かな技術的ブレイクスルーを積み重ねることが音質面では支配的です。

DAC専用機にして一次電源をちょっと強化する程度の対策ではIntegrated 250の内蔵DACを大幅に超えることは不可能です。基本的な構成自体から見直して作り直さなければなりません。ですから同じ仕様のままでDAC専用機を出すことによる音質的メリットはないと判断しています。このIntegrated 250のDAC部を超える使命は一切の制約をなくしてベストを尽くしたハイエンドDACに譲られます。

次にコスト面からみて、実際の所DAC専用モデルによってコストダウンが可能なのか、同じ価格で音を良くすることができるのかについて解説します。

Q:Integrated 250をDAC専用モデルにすることでコストダウン、その分のコストをDACに回せるのでは?

似たようなご質問として「ヘッドフォンアンプを外してDACの物量を増やして欲しい」という要望も頂いたことがあります。

実は製品のコスト要因のうち基板と部品自体は大した比重ではありません。最大のコスト比重は部品ではなくケース加工、組立、実装、開発、会社維持、これらの費用です。

このうちヘッドフォンアンプのコストは感覚的に0.1%程度です。つけてもつけなくても価格は変わりません。Integrated 250のヘッドフォンアンプ部は差動合成&RCA出力駆動用回路に使っているデュアルオペアンプの未使用チャンネルを使っています。ですのでこの部分を外してシングルオペアンプに変更しても性能、基板レイアウトどちらもほぼ同じです。しかもデュアルとシングルの差額がほとんどありませんので実質コストダウンは0に限りなく近いです。外したほうが圧倒的に音がいいなら外しますが、音は同じで末端価格も同じなら付いていたほうが良いと思うのです。

次にNcoreモジュールのコストはどうなのかといえば、Integrated 250で採用しているNcoreモジュールにはコストダウンのための優位性がいくつかあります。それらの要因によってNcoreを外しても価格には支配的な影響はないと考えます。決して5万10万安くできるわけではないということです。おそらくですが安くできるとしても2-3万円程度です。30万円台でこの程度の差額では割安感は皆無でしょう。

ではNcoreモジュールを使った設計の優位性について説明します。

まずひとつめは電源一体型であることです。DAC用の正負電源とデジタル回路用の5V電源が全て一体型になっています。しかもこの電源のスペックが意外と良いので、このモジュールを使うことでDAC用電源は何も用意する必要がありません。もしDAC専用モデルを用意する場合には代わりの電源が別途必要になります。

ふたつめは配線の手間を大幅に減らせることです。Integrated 250で採用しているNcoreモジュールを使うと組み立てをかなり省力化出来ます。工数が減る=コストダウンにつながります。DAC専用モデルになると組み立て工数が大きくなるのでモジュール分の差額を埋めてしまう可能性があります。ですからヘッドフォンアンプ同様、音はほとんど同じで価格もさほど変わらないならNcoreが付いていたほうが良いと判断します。

そして最後のコスト要因なのですが、DAC専用モデルとIntegratedモデルを分けることは種別ごとの量産数を減らすことと同じですから、実はこれが最大のコストアップ要因です。品種を増やし品目当たりの生産数を減らすと量産単価の上昇を招きます。なのでもう少し数がでないとこれ以上品種を増やすことは出来ません。品種を増やすためには相応の開発費と工数がかかります。これもコストアップ要因です。数が出ないほど開発費の割合は非常に高くなります。

これ以上品種を増やして生産数を減らしたら今と同じ価格では到底無理で今より価格を上げざるを得ません。種別を分けることによってステレオNcoreパワーアンプモデルとDAC専用モデルが、それぞれIntegratedよりも多くの数がでない限り価格は下げられません。

Integrated 250最大の価格上昇要因

Integrated 250ではIntegrated 180よりも価格が上昇しますが、最大の要因はNcoreではなくケースです。ケースを100%の国内加工に切り替えていますので量産費用は大幅に上がりました。それでも質感と品位の確保のために大幅なコストアップを受け入れています。実際のケースを見て頂ければわかると思います。中国でもない限り30万円台の製品でこのようなケースは用意出来ないと思います。

アルミノブは写真では既製品をつけていますが最終版では専用加工品となります。左右の厚さは1cm、フロントも8mm厚のものを使っています。是非同価格帯の国産製品のケースと比較してみてください。

もちろん中国産のケースに切り替えればより安く出来ますが、それは皆様の望むところではないと思いますので初期の量産はこの仕様で行います。万が一予想外に沢山売れるようなことがあれば工場のキャパシティの問題でもっと量産しやすい仕様へ変更になるかもしれません。その際にはマイナーチェンジモデルとして価格を改定いたします。

Integrated 250の音質と仕様

先日の「逢瀬の目標と売上規模」ではやや悲観的とも取られかねない記事をアップしてしまいましたが、明るいお知らせがあります。

現時点でのIntegrated 250のDAC部クオリティですが、当初のハイエンドDACで到達するはずだった目標をこの製品で既に達成しました。次期製品の音質は素晴らしい仕上がりになりそうです。

以前に進捗をご報告した時点から何度か設計をやり直しているのですが、一部まだ改善の余地があったところに気づきましたので対策を反映した所、音質面でさらなる飛躍があり一気に目標達成となりました。

比較すると某DACは下記のリストに書いた部分で後退があります。なのでIntegrated 250の段階でDAC部は相当ハイレベルな仕上がりになっていると思っていただいて良いです。もちろん中身のコストアップはしていませんので最終価格はミドル価格のままです。

現時点でのIntegrated 250のDACの音の傾向は次のとおりです。

  • 左右に広がる音がとても際立つようになりました。もちろん中央が薄くなるわけではなく中央の存在感はそのままに左右の音が際立って明瞭に聞こえます。
  • 中音域の透明感がかつて聞いたことのない領域に到達しています。この中域がクリアになったことで高音域と低音域が以前よりも力強い存在感を感じるようになりました。
  • 演奏のディテールが非常によく分かります。弦の個別パートの動き、ボーカルのハモリの音程、リバーブとディレイの減衰パラメータなど、音源を構成する詳細な要素が注意を傾けなくとも自然に耳に入ってきます。

これを聞くとまるで耳が良くなったように感じます。正直Integrated 250の価格帯に求められるクオリティではないと思います。是非価格にとらわれず本機を評価していただければと思います。今までの逢瀬の方向性に前向きな印象を持つ方であれば正常かつ大幅な進化であると感じられるはずです。正直なところ前作のAK4495S-DAC最終版からもかなりの飛躍があります。

Integrated 250の仕様おさらい

この製品は設計的にはプリメインというジャンルになるのかもしれませんが、内容的にはプリアンプは入っておらず、ヘッドフォンアンプ付DACと単体パワーアンプを一台のケースに入れたような設計です。

デフォルト設定ではDACにデジタルボリュームがありますのでデジタルソースメインならこれ一台でシステムを完結できます。スピーカでもヘッドフォンでもこれ一台で対応できます。もちろん単体DACとして外部プリアンプまたはパワーアンプと直接接続しても使えますし、単体のNcoreステレオパワーアンプとしても使えます。

注意すべきなのは、本機はプリメインアンプではないため既存プリメインアンプとは決定的に違う部分があることです。たとえばアナログボリュームを搭載していないため、ボリュームが前提となるアナログソースを直接繋ぐことが出来なくなりました。フォノも搭載は無しです。そのためアナログソースと組み合わせて使う場合には間にボリューム調整のためにプリアンプ的な機器が必要になります。

ですから本機をプリメインアンプと呼ぶことは厳密には間違っています。プリメインと呼ぶことは上記のような仕様面の勘違いが発生する可能性がありますので、ぜひともご注意お願い致します。

またヘッドフォンアンプの機能についても言及しないといけないですが、本機をヘッドフォンアンプ単体としては使うことは出来ません。これもアナログボリュームが非搭載なことが理由です。内蔵ヘッドフォンアンプはDACの出力に直接つながっていますのでパワーアンプダイレクト時には無効になります。

以上のように本機はデジタル機器を切り替えて使う場合にはその能力を最大限発揮しますが、プリメインアンプではありませんのでアナログ機器を繋ぐ場合には外部にアナログプリが必要となります。この点ご注意お願い致します。

やや従来の常識から外れた製品ですので、製品のリリースが近づいてきましたらまた詳細な資料を用意いたします。

前作のIntegrated 180で反省すべき点として中途半端なアナログ入力機能を入れてしまったことで製品を正しく評価していただけなかったということがありました。アナログ入力の実用上の便利さには評価をいただいていたのですが今作では音質優先のため非搭載としました。

ハイエンドDACの展望について

予定通りこれに飽き足らず今後Integrated 250を圧倒するようなハイエンドDACの開発は引き続き行います。秋のヘッドフォン祭に間に合うかわかりませんが初期試作品はなんとか間に合わせたいです。とはいえIntegrated 250を超えるためには今後あらゆる手段を使っていかなければならないと思っています。Integrated 250がとても良くなった代わりにハイエンドDACは最終価格が見えなくなりました。一体どれくらいのことをしたらこれを圧倒的に超えられるのか未知数です。

もちろんコスト度外視なら設計上の勝算はあるのですが、生産コストは安く出来ないと予想していますので、大きな価格差ほどの魅力と実力差を打ち出せるかどうかが最大の懸念事項です。飛躍できるような圧倒的な音質の差別化をするところまで求めると、おそらく価格は大幅に上がってしまいます。

ちなみに今までの教訓として、常にこれがベストと思った製品を用意しても正式発売する頃には他社でそれを上回る製品が出てきて、逢瀬は後からそれに追いついていくということを繰り返していますので、今回もIntegrated 250はそのような展開になることを予想しています。なのでハイエンドDACはIntegrated 250を絶対的に上回れるような圧倒的余裕を作りたいと思っています。ですのでハイエンドは必然的にコスト度外視の製品となる可能性が高いです。

大変申し訳ありませんが、来年以降に発表する見込のハイエンドDACについては以前お話していた価格帯には収まらなくなってしまう可能性は考慮に入れておいて欲しいと思います。

またこのハイエンドDACはかねてからの発言通り最新ではないDACチップを採用します。Integrated 250は最新チップで最高音質を達成していますが、ハイエンドDACは最新最高のDACチップを否定します。それでIntegrated 250を是非余裕で打ち破りたいと思っています。現状ビジネスより音質を重視していると発言したからには音質だけは最高を求めていかなければなりません。ハイエンドDACはその象徴的な製品としたいと思います。

AK4497の計測データ

先日お話したAK4497の測定をしましたのでアップします。

AK4497のTHD性能は概ねデータシートに近い値ですがAK4495よりも限界値は低いようです。ですがAK4495時代のものと比較してアナログ回路に使用しているオペアンプや回路が若干異なりますので、全く同じ回路に変更したらAK4495と同じ程度まで向上する可能性もあります。以前はLME49990を使用していましたがこちらが廃番になりましたので、別のものに変更しています。


1kHz THD


100Hz THD

THDはもう少し追い込めると思いますが最終的には個体差もあるので、現状の参考値でこの程度とお考えください。正直なところTHD性能は音質向上への寄与が割合少ないと考えているのでここまでの性能は不要なのですが、文句が出ない程度の性能は確保したいというのが技術者としての想いです。今のところは概ね0.001%を下回っている程度であれば十分だと考えています。


J-test 44.1k 11025Hz

残留ジッターは悪いデータではありませんが、もう少し中央の裾広がりを細くできそうです。

100kHz帯域ノイズ分布とレベル(LPF使用)


5MHz帯域ノイズ分布とレベル(LPFなし)

AK4497で特筆なのはこちらの残留ノイズ計測値です。5MHz&100kHz帯域のS/Nが非常に優れています。他にいくつかのDACでも同条件で広帯域ノイズの計測をしましたが、既存のDACよりさらにAK4497が優れているのがこの残留ノイズだと思われます。以前の当社AK4495比でも確実に向上しています。手持ちデータでは既存のES9018使用DACより優秀です。そもそもデルタシグマ系DACでここまで完全にノイズが見えないDACは殆ど無いのではないかと思います。

特に100kHzで3uVrmsという数値は測定時に帯域外フィルタ使用とはいえ殆どのローノイズレギュレータの残留ノイズを下回る数値です。このDACから出力される残留ノイズが現在トップクラスのレギュレータ以下ということになります。

例えば自作オーディオでよく使われているTPS7A4700は10-100k帯域で4.17uVrmsの残留ノイズですからTPS7A4700を使った場合にはこのノイズレベルは達成できないものと思われます。AK4497の性能を活かすにはそういった部分でも一切の手抜きは許されないということになりそうです。これはES9038等でも同様かと思われます。

よく言われる3端子レギュレータでDACを作ったら性能は全く出ないという指摘は以前からありますが、AK4497ではもう最高のレギュレータ以外ではDACの性能が出ないほどの次元に到達しています。しかしローノイズ化もこのあたりになってくるともう物理的な限界が近いので、DACチップの進化も合わせてもう少しで物理的限界による終着点が見えてきそうな雰囲気を感じます。

進捗&お知らせ

まず最初のご報告ですが、今年の秋のヘッドフォン祭りに初出展予定です。

ハイエンドDACの初期試作品とWATERFALL Integrated 250、WATERFALL Power 500の展示を行いたいと考えております。スピーカはないのでパワーアンプは展示のみとなるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

逢瀬がオーディオ系のイベントに出展するのはこれが初になります。どうしても中途半端な状態では展示をしたくなかったのでここまで遅くなってしまいましたが、ようやく出展しても良いレベルになりつつあると感じたので出展を決定しました。

据え置きのイベントにはまだまだ資金不足で出展不可能ですが、今回の出展がそこへつなぐことができる一歩となれば良いなと思っております。

また只今イベント向けの逢瀬の制服を外注制作中で、こちらにて制作経過を見ることが出来ます。逢瀬ロゴをイメージした衣装です。イベント当日はスタッフがこちらの衣装でお出迎えする予定となっております。

合わせてご期待下さい。

WATERFALL Integrated 250

こちらはDAC部にAK4497を使います。この試作品のテスト中です。

とりあえずDAC部のみのテストを行っていますが、新しく作成した専用基板では非常に力強く濃い音が出てきています。これは以前Blogでご報告させていただいたAK4497の音質的課題を全く感じさせない、ぜんぜん違うサウンドです!

なぜそこまで音が違うのか。その理由は基板設計の違いにあると考えています。

以前のテストではDACを差し替えできるソケット式プラットフォームでの音質比較でした。たしかにこの方法は同条件でDAC素子の音質差を比較する目的では効率的ではありますが、AK4497以降は出力電流も消費電流も大幅に増大しました。

この影響でAK4497の設計では周辺回路含めた電気的な余裕が無いと、AK4495と比べて神経質、腰高、細身な音になってしまうようです。要するに下流側の消費が増大した場合に上流側の設計が不十分だと上記のような神経質な音になるということのようです。

アドオンの基板で差し替え出来る設計のソケットを経由するパターン設計ではAK4497やES9038のような消費電流の大きなDACは性能をスポイルされてしまうということです。

正直このレベルのDACになるとDAC素子の違いよりもパターン設計の最適化がはるかに重要であり、バランスの良い電流の流れを考慮したレイアウトが必須です。交通量の多い道路のようなもので2車線から1車線になる箇所が出来るとそこで渋滞が発生してしまうようです。同じようにハイエンドDACではほんの僅かな設計ミスでも神経質な音質につながってしまいます。これからはますますDAC素子の違いより周辺設計が重要になる時代だと思いました。

しかしあまり期待していなかったAK4497でここまでの音質が出たことは非常に喜ばしいことです。以前数量限定で販売していたAK4495-Dualはアップグレード後かなり良い音になりましたが、このIntegrated 250の内蔵DACはAK4495-Dualの最終版を圧倒できるレベルに到達していると感じます。もちろん某ハイエンドDACより総合的に見て良いと思います。

ただ残念ながらDAC部の性能が上がりすぎた為、NC252MPのオンボードバッファの性能がDACと比べてかなり低いため音質的に釣り合いが取れないという問題が起きています。

これはどういうことかといえばNC252MPを使った一体型のIntegrated仕様のままではパワーアンプの基礎クオリティ不足が原因でDACの真の音質を発揮することが出来ないということです。外部で専用のパワーアンプを用意しなければDACの本当の実力が見えないのです。

このあたりは当方だけでは解決が困難なので最初はDAC優位の構成でリリースすることになりそうです。もしNC252MPに手をいれることが出来れば問題は解決できそうなのですが、量産では厳しそうな見込です。

もう一つ悪いニュースなのですが、パワーアンプ部はNC252MPというNcoreと電源が一体となったモジュールを使っています。ただこのモジュールに一部不具合があって当方の基板と接続すると稀に電源部が壊れてしまう問題が起きており、Hypex社へ情報提供をして原因調査中です。

WATERFALL Power 500

以前お伝えしていた音質的課題はクリアできました。WATERFALL Power 500は従来型のノーマルNC400と比べて明らかに優位性のある仕上がりとなりました。特に重要と思われる優位性を紹介します。

こちらは無対策のNC400での問題動作事例です。この画像ではNcoreの発振周波数が幅広くなってしまい、音声帯域内のノイズレベルも上昇してしまっています。音声出力にはっきりとノイズが乗っているのが見えます。実際にスピーカに耳を近づけるとサーというノイズが聞こえます。

しかし入力を外すとノイズは消えますから、これはNcoreの残留ノイズではありません!

こちらが当方の対策後のNC500です。無対策状態では上のNC400の図と全く同じ動作ですが、対策を追加するとこのようにキレイになります。こちらの図では発振周波数が安定しておりノイズレベルの上昇もありません。出力されているのはキャリア周波数のみであり、非常にきれいな状態です。こうなるとスピーカに耳を近づけてもノイズは聞こえません。

これは接続機器によって問題の程度は変わりますが、Ncoreに潜在的な問題があることが重要な点です。外来ノイズは音声周波数帯域へ変換されてしまうのです。基本的に本家HypexのキットはNC400直結なので無対策ですし、他にも同様の対策をしているメーカーは海外の内部写真を見る限りはまだ無いと思います。普通にフィルタを入れる方法ですと音声帯域も遮断されてしまいますが、当方の対策では音声周波数帯域は20kHzまで維持されます。

そもそもUCD&Ncoreの発明者であるBruno氏の提示しているリファレンス回路でさえそのような対策は含まれておりません。なのでNcoreのリファレンス通りの設計では上記の悪影響を排除できません。ということで当方のWATERFALL Power 500は初めてNcoreの不完全性を排除し、より完全なアンプへと近づけた最初のアンプになりそうです。

この対策によって音質的にはよりナチュラルで滑らかな高音が得られ、中域の透明感が大きく上昇します。低域の質感はNC400とさほど変化がありませんが、電源回路も当方のオリジナルになりましたので全体的な質感も含めて逢瀬の理想とする音質に近づけられた印象になったと思います。

以上の理由によりWATERFALL Power 500は明らかに他社のNcoreとは違う音になっていると予想します。これで基本設計はほぼ確定となります。あとは連続動作時に問題がないかチェックをしつつ、今後の量産に向けて作業を進めます。

新ラインナップの正式発売第一号はパワーアンプとなりそうです。貸出も近日中にスタートしたいと思います。

また以前にもお伝えしましたが、NC400のキット等ではなくWATERFALL Power 400をお選び頂いた方限定で、アップグレードのご案内を将来的に予定しております。アップグレード内容は上記の対策をWATERFALL Power 400へ追加するものです。

Integrated 250のデザイン

現在3Dでデザイン&設計を進めています。基板設計も4497版を来週に発注してこのケースの試作品に入れて見る予定です。

前面左右のネジのところの削り方だけちょっと個性のあるデザインを取り入れました。他は前面パネル以外も銀色になっているところが以前のIntegratedからの変更です。画像だと継ぎ目がありませんがパワーアンプと同様の組み上げ方法です。

デザイン的にはIntegrated 180から無駄を排除していく方向ではなくて若干ゴツゴツした部分をあえて感じさせるイメージです。天板の穴がそう印象づける要因でもあります。正直これだけですと真のハイエンド機器のような存在感や特別な製品だという印象はあまりないと思いますが、Integrated 250は決して超高額ではない(そして多機能で欲張りな)製品ですから、あえてこういうイメージが合っているのではないかと思っています。

中央の表示部は以前より大きくなりましたが、これはLCDの変更によるものです。さすがに今時2行のキャラクタタイプは時代遅れです。ここが今度は高解像度のグラフィックタイプとなります。これによって表示情報の増加と整理を同時に行うことが出来るので、例えば入力系統とボリュームの表示を大きくしたり、細かい情報を同時に表示したりできます。それによっていままでよりも操作しやすくかつ情報を見やすく出来る見込みです。

ハイエンドDACはまだ構想のみですがデザインではIntegratedよりも流麗でシンプル、そしてどこか大胆な部分が必要だと思っています。



Hypex NC500は難しいアンプユニット

現在表題のパワーアンプユニット、Hypex NC500のテストを行っています。以前のNC400を使用したWATERFALL Power 400からの前向きなモデルチェンジを目指して苦戦中です。

このNC500ですがインプットバッファ(固定ゲインのバランスプリアンプのようなものです)を自分で開発する必要があります。もちろんただ単純に仕様を満たすだけならば全く難しくはないのですが、良い音にするためには難易度が高いように感じています。そのままではなかなか良い音が出ないのです。さらにはバッファアンプの設計次第で全く性格の異なる音質になってしまうようです。

このあたりは各社のノウハウと音決めのセンスが非常に問われる部分になると思われます。ちょうどDACチップと同様の話であって、決して同じユニットを使っているからといって同じ音になるようなことはなさそうです。

試作時の音質

当方でまず一番最初の試作設計基板とNC500を接続した音の印象ですが、音質的にも実績のあるローノイズに配慮したバッファ回路のはずだったのですが、通常の高性能設計では相当音がキツくなってしまうようです。

以前のNC400はオンボードでHypex社の開発したディスクリートバッファが搭載されており(音質を変える手段はないかわりに)何も考えずに入力を接続すればそれだけで非常にバランスの取れた音質でしたが、初期試作のNC500ではまるで高域に強いピークがあるような音質で長時間聞いていたい音ではなかったのです。

音質改善のためにいろいろ試行錯誤していたところ、いくつかの興味深い事実に気づきました。

詳しいことは書けませんが、要点だけを書くならばGNDの設計、高周波の挙動、主にこの2つに重要な要点が有るようです。もともと高周波を扱うスイッチング電源+D級アンプという組み合わせなので、このあたりもしっかり吟味した設計にしないときつい音が出てしまうようです。特に一部のDACとNcoreの組み合わせは相当相性が悪く、特別に配慮をしなければ良い音がでないようです。

このようなきつい音になってしまうときはアナログ的な性能を落として回避することが一番楽な対策ですが、それでは本当に素晴らしい音は出ません。なので当方はそういった部分をきっちり対策し真の高音質を達成したいと思っています。

進捗報告

WATERFALL Integrated 250の進捗

皆様ハイエンド製品に期待が高まっているところかと思いますが、まず先にその下地となるこちらの製品の試作&実験をしています。とりあえず最初期の試作機として内蔵となるDAC部+パワーアンプ部の音出しができましたので状況報告いたします。

DAC部の状況

DAC部の音質ですが、現時点での成果としてChordのDAVEを圧倒は無理なのですが総合的には超えていると言っていいレベルになりました(あくまで当方の価値観です)。特に中低域の分離のよさに明確な差がありDAVEはやや濁って聞こえます。それ以外の特徴では以前の4495S Dual DACと比べて全帯域でエネルギー感が高いため(偶然ではありますが)よりDAVEの特徴に近づいたところがあるように思います。

といってももちろん同じ音ではないので、製品の個性そのものを覆すようなことはありません。

ちなみにDACの内部はいまのところ手持ちで余剰のあったAK4495無印シングル仕様なのですが、最新の素子やデュアル構成でなくてもDAVEを超えられましたので予想以上の成果を達成できています。次はAK4497に変更してもう一度試作機を作成してみたいと思っています。細かいミスもありましたので修正も必要です。

当然ながらDAVEを超えるのは容易ではありません。ここまで来るためには相当の多岐にわたる神経質かつ緻密な音質対策を細かく積み重ねた結果です。実際にテストしてみましたが一つでも決定的な対策不足があれば、ただちにDAVEより落ちる音質となります。それくらい厳しい条件でなければ達成は出来ませんでした。

ともあれ現時点でIntegratedのDAC部でも真のハイエンドDACであるDAVEを超えられる音質レベルを達成できていますので、現時点のAK4495でも(既に新鮮さはなくとも)十分なクオリティと競争力はあるはずです。しかしそこであえて最新のAK4497を採用してみるのも今後の展開が面白くなるのではないかと思っています。

試作機では4495でも4497でも音質そのものには決定的な大差がありませんでした。むしろハイエンドDACで当方が求める音色の傾向を考えると、最終的な色合いと感触は4495の方に利点があると予想しています。つまり最新世代素子であることはむしろスーパーハイエンドの条件には遠いのではないかという現時点での予測を、実際のラインナップ展開と音質&音色差で、是非証明できたらやってみたいと思っています。

もちろん予測と事実が違っていた場合はこちらでご報告しますが、あくまで現時点での予測では上記のようなことが起こりうると判断しているわけです。詳細については後述します。

とりあえず今後の展開としては

  1. 4495シングルの段階でDAVEを超える音質の試作機を作成(現時点での状況です)
  2. 4497にアップグレードしたIntegratedとして製品へ
  3. さらにそれを超えるハイエンドDACを設計

是非このような流れを目指してみたいと思います。

パワーアンプ部の状況

こちらはUcDからNcoreへアップグレードとなりました。モジュール側も出力スペックも以前の最大180Wから最大250Wへと上がっています。

まず第一印象としてはUcD時代よりも大分引き締まった音が出るようになりました。当然ながらUcDから引き継がれたアナログ的な高域の綺麗さはそのままかそれ以上で、クラスD特有の分離の良い低域も両立しています。その上で全帯域に渡るスピード感が大きく上昇した印象です。特に低域は切れ味と伸びのある音になっており、以前ほどモノラルパワーアンプとの格差はなくなりました。

もちろんモノパワーと比較すると物量差が相当ありますので、どこまでも伸びて駆動力制動力の高い低音や、余裕のある品格を感じる雰囲気と言ったレベルには到達していません。

また一つデフォルト状態のモジュールの音質に問題がありDACの音質をスポイルしてしまう部分があります。この原因はオンボードインプットバッファの性能不足です。具体的にどのような音だったかというと中域にモヤがかかったような音質です。また高域に若干キツ目の成分が残っておりリラックスして聞ける音とは若干遠い音でした。

NcoreでもUcDと同じようにバッファ部はアナログプリアンプのようなものですので、この部分のクオリティ次第で最終音質に大きな影響が出ます。この部分の設計次第ではまったく性格の違うアンプにもなりうるということです。

しかし試行錯誤の末に、当方でNcoreモジュールに改造を施すことでこの問題は解決することが出来ました。現在のパワーアンプ部はDAC部の性能を正しく発揮できるような音が出せるようになりました。特に中域の透明度は格段に上昇しています。高域もキツさは後退して、かなり聞きやすい音になりました。

以上のようにDAC部の仕上がり、パワーアンプ部の仕上がりともに、以前のIntegratedと比べると遥かにパフォーマンスは向上していると思います。風格や雰囲気などの付加要素まで追求せず、純粋な音質レベルの高さに限った話であれば、もうこれで十分ハイエンドの一角である程度通用するクオリティではないか?という音は出ています。

文章だけを見るとかなり強気のように感じられると思いますが、すぐには無理ですが最終版が完成次第順次試聴もスタートしますので、実際に聞いて頂ければと思います。価格も以前のモデルから大幅には上昇しません。

ハイエンドDACで採用すべきDAC素子とは

お客様からES9038についてお問い合わせを頂いておりますのでこちらにも記載いたします。

皆様が期待されているES9038については、残念ながら当方ではデータシートを取り寄せてからの試作はまだ進んでいません。一度チェックはすべきと思いつつもAK4497の音を聞いてから、最新世代の高電流ハイスペックICなハイエンドDAC素子を採用することにあまり期待がなくなってしまっています。

それでももちろん音質的メリットがあれば採用を検討すべきと思うところなのですが、もし音質と物量の比率が非効率的な領域に入りつつあるとしたらどうなのか?今考えているのはこの効率の問題です。

皆様があたらしい素子に圧倒的な音質的アップグレードという期待をされるのもわかるのですが、今回のAK4497やES9038世代のアップグレードは以前のようなスマートかつ明確な向上とは言えない部分があるように感じました。それはAK4497のテスト結果から判断した現時点での感想ではありますが、とにかく価格差ほどの音質的メリットは無いと思っています。もう一つの追加情報として、比較的低価格のES9038採用機の実際の試聴結果からもその可能性が高そうだと思っています(素子を変更しても突出した凄い音質には全くなっていない)。

もちろん過去の世代のものより確実に良くなっていました。しかし違いの大半は素子の世代を新しくしたことによる違いではなくて、単にES9038の要求する電流スペックを満たすような設計に適応したことで、その周辺回路の変更結果として音質が良くなった、これが実際に起きていることだと思います。それはDAC素子を変えた差よりも周辺回路を変更したことによる差が主ではないかと思うのです。

最新のハイエンドDAC素子のスペックは既に物理的限界の壁に来ているように見えます。最新の素子の設計方針は電流量の向上でスペックを無理やり上げています。これはAK4497もES9038も偶然ながら同じような手法を採用しています。

以前のPCM1792の頃の世代と違い、小型かつ低消費電力のままスペックを向上させるのが不可能な領域に入りつつあるということを示してるように思えます。そのためにICのコストも大幅に上がってしまっている可能性もあります。実際のところ最新世代では周辺回路への電流設計やノイズ設計の要求レベルが格段に上がってしまっています。

これから予想されるのは、今後そういった電流量などの物量差が主な差別化要因となる時代になるのではないかということです。

例えばこのままの路線でもう一つ次の世代(ES9048?)に行けば、まるで大出力のアナログパワーアンプのような巨大で大きな熱を発するDACこそがハイエンドの象徴となってしまうことでしょう。今以上に物理的な物量でゴリ押ししてスペックの壁を超えていく結果です。

だからこそ最新チップを盲目的に採用して高音質を謳うことではなく、もっと視野を広げてより効率的な音質向上には何が必要かを考えるべきタイミングに来ていると考えています。

AK4497の音質傾向から考えると、最新世代素子を使って周辺回路に大量の電流を投入するような設計をしても、そもそもICのパッケージサイズの制約+周辺回路パターンの制約、基板の銅箔の厚さという物理的制約がありますから、結果として電流量に見合う音質向上とはならず、本来期待されていた圧倒的な音質向上は果たせませんでした。(もちろん向上自体はしています)

それよりもバランスの優れた素子を最新素子と同等の費用と物量を投入して改良してみたらどうかと考えています。当方は既存の素子でも最新世代と同等の費用と物量を投入してアップグレードするほうが、より効率的に物理的限界を突破できる可能性があると思っています。

予想としては小さな素子に大電流を流すことそのものが音質な悪影響を及ぼしはじめており、それは決して無視できない影響が出始めている。現在の音質傾向からそう判断できそうです。それならばそもそもそのような劣化要因自体が起きないような設計方針を採用するほうがより効率的に音質を向上できるのではないか。

重要なのは同等の物量と費用をかけるべき場所です。素子そのものが物量主義に移行しつつある今こそ、それを再考すべきタイミングではないか、という判断です。もちろんテスト結果によっては予定通りに行かない可能性もありますが、少なくとも今世代ではこのようなことは一度は検討すべき事項だと考えております。

バランスの取れた効率的かつ最小限の物量投入を。次世代ハイエンドDACのコンセプトはこのような感じです。

新年のご挨拶と今年の展望について

あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

昨年は逢瀬にとって小さいながらも重要なステップとなる年でした。今年はより大きなチャレンジをしたいと思っております。今年の目標としては、新製品3ラインナップの発表とリリースです。予定につきまして、ご紹介できる範囲で書きます。

WATERFALL Integrated 250

Ncore Class D Amplifier + Hi-End DACを統合した、最新技術で復活するIntegratedモデルです。まずパワーアンプ部はUcDからNcoreにアップグレードとなります。さらに内蔵するDACはAK4495S特注DACで培った最終技術を惜しみなくすべて注ぎ込みます。DACチップはコストと要求品質のバランスを検討して最終選定となる予定です。

以前のモデルでは今一歩及ばずだった、一体型でありながら真のハイエンドクオリティであると自信を持ってみなさまに提案できる製品を現実的な価格にて提供したいと思っております。現代ではハイエンドの価格は上昇するばかりですが、これ一台で最新世代のフラッグシップ音質として通用すると感じられるような製品へ、是非生まれ変わらせたい想いです。

仕様は未定の部分もありますが、アナログ入力はパワーアンプダイレクトのみとなる予定ですので、以前に結構要望のあった低価格なNcoreステレオパワーアンプとしても使えるようになります。

価格は従来のIntegrated 180と同等の予定ですのでハイエンドパワーよりも安く出します。こちらは現在初期試作基板のテスト中です。

WATERFALL Power 500

NcoreによるクラスDパワーアンプという仕様は従来と同様です。その他の仕様もほとんど以前のものと同じになる予定ですが、少しだけ出力が大きくなります。最も大きな違いは出力ではなく、従来モデルではHypex社のインプットバッファを使用していたものを、独自設計のバッファ段へ変更となります。

以前のモデルでは無個性すぎるという意見もありましたので、新しいモデルでは独自のバッファ段の設計によって、より逢瀬らしい個性を感じられる音質とすることが目標です。もちろんクオリティは以前と同等以上の高みを目指します。

名称未定ハイエンドDAC

現状で確定していることが少ないのでこちらについては発表が遅れてしまう可能性があります。現状で確定している到達目標はChord DAVEを音質傾向や色付けに頼ることなくクオリティ面で圧倒することです。それは細部の描写力、奥行きの深さ、レンジの広さ、解像度の高さなどの基礎力の部分です。

現時点の当方の最新版DACでは解像度+レンジで僅差ではありますが上回っています。しかしハイエンドモデルでは僅差ではなく完全な圧倒が目標です。そのために必要なものはすべて投入する予定です。既に現状から大幅な飛躍を実現できるためのアイデアは複数ありますので、まずはそれらをテストするところからとなります。

 

現時点でお伝えできる情報は以上です。また進展などありましたらご報告したいと思います。

AK4497の実験

ご報告が遅くなりましたが、AK4497の実験ができましたので簡単にご報告です。ICは代理店様より取り寄せいたしました。取り急ぎの取り寄せに対応していただいた代理店様にお礼申し上げます。

同一プラットフォームでの音質の比較

現在のところAK4497はやや古い世代のDACチップ差し替えプラットフォーム基板上での実験なのですが、アナログ回路、デジタル回路ともにAK4495等と共通の状態ですとチップ単体では大幅な音質向上というほどの差はないようです。もちろん現時点では測定特性に課題もありますから、万全といえる状態ではないので真のポテンシャルがきちんと発揮できている状態ではないと思っています。

このようにまだ改良の余地は残しておりますが、とりあえず現時点での旭化成DAC同士の違いを述べるなら次のような印象です。

  • AK4490:細身で荒さのある音、若さを感じる方向性
  • AK4495S:重心が低く、どっしりとした安定感、高級感がある音
  • AK4497:キレがあってレンジが広く、無駄を省き洗練された音

同じ条件同士で比較するとこのような特徴があります。しかしこの比較に使用した実験用プラットフォームは世代の古い基板なので、最新アップデートを施したAK4495Sと比較してしまうと、最新世代AK4495Sのほうが基礎的な音質は良く、古いプラットフォーム上のAK4497にはそこまでの優位性はないようです。現時点では空間の広さ、分離の良さについては最新世代プラッフォームのAK4495Sのほうが良いです。IC単体の音質差はその程度の差で、やはり周辺回路の設計のほうが重要だということを裏付ける結果になりそうです。

それでもAK4497が唯一上回る点がありまして、それは音数が多い時の分離の良さと立ち上がりの正確さです。音数が少ない時は最新AK4495Sが総合的に優位ですが、大音量かつ大編成の瞬間だけはAK4497のほうが音の収束と立ち上がりについて優秀に聞こえました。同じプラットフォーム上で比較するとAK4495Sでは大編成+大音量の時にやや大雑把なところがあります。両者ともに小編成、小音量のときにはそのような傾向はありませんでした。

逢瀬がAK4497に期待していたのはICを交換することによる音質差ではなく、AK4497世代の内部仕様変更によってもたらされる周辺アナログ回路の改良が主でした。この仕様の変更により周辺アナログ回路上で今までどうしても解決が難しい課題を改善できたので、その分の音質向上は大きいのではないかと期待しておりました。しかし現在のところ予想していたより差は大きくなさそうという結果でした。もちろん違いは有るはずなので、もしかしたら今回AK4497用に変更したアナログ回路をAK4495、AK4490と同じようにしたら、上記のAK4497の優位性もほとんど無くなるかもしれません。

ともあれまだ実験をスタートしたばかりですので、もう少しAK4497のポテンシャルを引き出す方法がないかじっくり検討してみたいと思います。

今後の開発方針につきまして

今後リリース予定の正式版ハイエンドDACでは、ES9038かAK4497採用の予定で考えております。ES9038が圧倒的に優れている場合にはES9038採用の可能性もありますが、同等ならAK4497になる予定です。どちらにせよベストをつくすためにES9038も最終選定自体は行いますが、DAC素子の世代変更自体は重要な改良点ではありません。

逢瀬ハイエンドDACのもっとも重要な変更点は現在の基板設計のボトルネックと、ケース設計の課題を全面的に見直し一新することが最大の改良点になります。現時点でわかっている音質的な課題に対しては大幅な設計変更が必要ですので、この部分について全面的に対策を施す予定です。なので逢瀬ハイエンドDACは他社の最新世代DAC素子搭載の製品リリースより確実に遅れます。

今後開発をすすめる正式ハイエンドDACでは、AK4495Sから飛躍できるような明確な音質差を目標にしています。そのため新しいICが発売されたからといって急いでICを差し替えただけの新機種販売は予定しておりません。

またAK4495S-DACの4497アップグレードも予定しておりません。IC単体のアップグレードより現在アナウンス中のOCXOオプション+電源ユニットのアップグレードのほうが音質的メリットはずっと大きいと判断しております。これは確実なお話ではないですが、おそらく最新世代のES9038を載せただけの平凡な設計のDACならば、現世代のAK4495Sでも十分対応できると予想しています。DACは世代とスペック競争だけではなくて、やはりトータルでの設計によって音質が決まるからです。

以上のように、ICの世代交代ではなく確実な設計の改良と対策による音質向上をもって、真のハイエンド製品として完成度を高めたうえでのハイエンド製品リリースとしたく思います。優先すべきはリリースの速さではなく、真に最高の音質の製品を作ることです。逢瀬は目先の利益は追求していません。取り急ぎICのみ差し替えてリリースを急ぐことは可能ですが、それが顧客にとって本当にメリットが有るかと考えると、それだけの為に高額な費用を出していただけるような違いは無いことを上記のような実験によって確認しています。

以上のように、基礎の設計から見直しするというのが逢瀬のハイエンドDAC最大の進化点です。ICはおまけ程度の変更でしかありません。

 

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